理工学部建築学系・南泰裕研究室が、地域住民の依頼を受け昨年始動したカフェ設計プロジェクトが完了し、「Gotokuji café piece of peace」(東京・世田谷区)が8月6日、ついに引き渡しとなりました。

本プロジェクトは地域住民の風間久仁子さん宅1階部分を、南研究室がリノベーションしカフェを設計するというもの。学生らは風間さんと何度も打ち合わせを重ね、図案を作成しました(参照記事)。

そして、学生が作成した図案に設計事務所の監修が入り、いよいよ現場作業が始まりました。解体、施工など改築現場にも学生が都度立ち合い、時には現場の内装を手伝うという貴重な経験をしました。施工を手掛けた株式会社Change Up代表の赤上大輔さんは「学生のうちから、このような体験ができるのは本当に羨ましいです。きっと、彼らが現場を想像しながら引いた図面と、実際のこの現場には、想像していなかった違いが山のようにあるはずです。この貴重な経験をステップアップのきっかけとしてほしいです」と語りました。



南教授は、依頼から完成までの約1年を振り返り「地域と学生をつなぐ新しい交流モデルとして画期的なプロジェクトだった。そして、風間さんの柔軟性と学生の成長が、この取り組みを特別なものにした」と述べました。

また、大学院工学研究科の横山秀さん(修士2年)は「プロジェクトを通じて、設計を実際に形にする視点や、関係者との円滑なコミュニケーションの重要性を学びました。風間さんのカフェへの想い、施工された赤上さんの材料選定や段取りの知識、お施主様の気持ちを第一にという考えに感銘を受けました。また、南先生・檜垣幸志先生をはじめとする多くの先生方からたくさんのことを学びました。この経験を生かし、将来はアトリエ系設計事務所で条件に応じた提案や関係づくりを行い、より良い設計活動につなげたいです。本プロジェクトは、実際の仕事に直結する、学びの多い貴重な機会でした」と述べました。
8月23日にグランドオープンしたカフェは地域に開かれた交流の場として、学生はもちろん多様な人々が集うサードプレイスとして期待が集まります。


■「Gotokuji café piece of peace」インスタグラム