スポーツ・システム研究科

スポーツに関する諸問題をシステム的に捉え、専門能力を有する学識豊かな研究者の養成と高度職業人の養成を行っています。

概要

修士課程では、体育・スポーツ科学の分野を大きく「スポーツ教育コース」、「スポーツ科学コース」の2分野で括り、各コースを基盤として教育・研究を行っています。

スポーツ教育コースにおいては、現代社会の状況を踏まえ、スポーツ事象を教育、哲学、歴史などの社会科学的理論を用い、その問題を解決し得る能力を育成します。スポーツ科学コースにおいては、競技力向上のためのトレーニングやコーチングを基盤として、スポーツ課題を解決し得る能力を育成します。

また、社会事象としての個別スポーツ課題を設定し、それに対応した複合的な科目の履修により、スポーツをシステムとして捉え、スポーツにおける複合的視点及び分析が可能となります。

  1. スポーツ教育コース
    体育学部の学生の多くが将来教員となり、体育・スポーツの指導者として職を得ることを希望し入学してきている一方で、近年教員資質は修士課程以上に移りつつあり、少子化の傾向の中で、ますます実力ある教員が社会的に求められてきています。また、市民を対象とした生涯スポーツの政策立案を担い、住民の多様なニーズに対応し得る高度な専門的知識を有した人材が要求される傾向にあります。こうしたことから、学校教員、スポーツ団体職員、地方自治体のスポーツ政策立案者(公務員)、スポーツ情報・メディア従事者などの専門職を養成します。
  2. スポーツ科学コース
    スポーツの競技力向上を図るためには、学際的かつ総合的な科学知識と技能を有した国際的に活躍出来る人材の育成を図るとともに、スポーツ科学を中核とするコーチングやトレーニング理論及び方法を修得し、それを実践することの出来る能力を有した専門家が要求されています。本コースでは、競技力向上のためのコーチングやトレーニングを基盤として、あらゆるスポーツ課題を解決し得る能力ならびにコーチやトレーナーとして国際的に活躍出来る人材の育成を目指します。


研究指導

本研究科においては、体育・スポーツの分野において次代を担える高度な専門職業人の養成を目的として授業科目を開設しています。学生は、入学時に各学年の履修授業コース及び指導教員を決定し、各自の指導教員の下で授業科目を履修し、研究活動を行い、修士論文を完成させます。

授業科目は大別して「特論」と「演習」から構成されています。「特論」では、専門分野に関する知識を深め、国際的に研究活動を行うことの出来る人材養成及び学校教育のための体育・スポーツに関する総合的な科学的知識を養うことを目的としています。「演習」では、総合科学であるスポーツ科学の研究方法について、理論的、実践的に確認することにより、それらの方法を駆使し、問題設定をシステム的に解決していくことについて検討します。

また、研究分野及び内容の現状把握、自己の研究の価値認識、研究発表能力の養成及び研究プロセスの習得を目的としています。

学位

修士(体育科学)の学位を取得しようとする者は、2年以上在学し、所定の科目について30単位以上修得し、修士論文を提出し論文審査に合格しなければならない。

修了単位

修得すべき単位数の基準は次表のとおりです。

年次 授業科目(30単位)
講義(22単位) 演習(8単位)
1年次 8単位 14単位 4単位
2年次 4単位

社会人の受入れ

研究活動や資格の取得を目指す人のために設けています。大学を卒業後満3年以上経過している者、あるいは満28歳以上の者で、本学において、大学を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者を対象としております。

取得資格等

高等学校教諭専修免許状「保健体育」 と中学校教諭専修免許状「保健体育」が取得できます。ただし、すでにI種の免許状を取得していることが条件となります。

研究科間単位互換制度

本学大学院では、10研究科を擁する総合大学としての特色を生かし、他研究科に配当された講義科目4単位までを所属する研究科の修了単位として認定する単位互換制度を設けています。

各研究科の得意分野を開放することにより、自己の研究テーマを幅広く検証することが可能となりました。さらに講義をとおして他研究科の教員及び学生との交流の幅も広がるなどの利点もあり、毎年多数の学生が本制度を利用し、好評を得ています。

博士課程

博士課程においては修士課程と同様に、体育・スポーツ科学の分野を大きく「スポーツ教育コース」「スポーツ科学コース」の2分野で括り、各コースを基礎として研究・教育を行っています。

本課程では、各自の研究をより深化させることが出来る人材、及び様々なスポーツに関する科学的な解決策を立案することが可能な人材等を育成することで博士(体育科学)号の取得を目指します。

  1. スポーツ教育コース
    本コースは、スポーツ事象を、哲学、歴史、教育等を社会科学的理論によって分析することで、体育科学の専門分野について研究活動を行うことに必要な高度な研究能力及びその基盤となる豊かな学識を養うことを目的としています。そして、人間にとってスポーツとは何か、スポーツとは何であったのか、人間形成の教材としてのスポーツとは何か、国民生活におけるスポーツサービスとは何か、などの専門的研究と指導を行い得る人材の養成を図ります。具体的には、高等教育機関における研究後継者、地方自治体のスポーツ政策立案者(公務員)、スポーツ団体職員、スポーツ情報・メディア従事者、スポーツ・ライターなどの専門職を養成します。
  2. スポーツ科学コース
    博士課程では、より詳細な学際的かつ総合的な科学知識と技能の獲得ならびに国際的に活躍出来る人材の育成を図ります。具体的には、3年間を通して競技及び医学的根拠に基づいたトレーニングやコーチング技術の専門的経験を積むことが可能であることから、より最前線で活躍するスポーツ選手や、幅広く活動するスポーツ実施者への指導を行い得る人材の育成が可能です。また、国際的に活躍出来る専門的な研究を行い得る能力を養い、高等教育機関における研究後継者や高度職業人の育成を目指します。

学位

博士課程に3年以上在学し、履修科目について所定の単位を修得し、かつ履修科目の成績ならびに学位論文及び最終試験の成績の総合判定に合格した者に「博士(体育科学)」の学位が授与されます。

修了に必要な単位数は次のとおりです。

年次 授業科目(20単位)
講義(8単位) 演習(12単位)
1年次 8単位 4単位
2年次 4単位
3年次 4単位