日本の伝統的意匠を有し
創立期から現存する
国士舘のシンボル
国士舘大講堂は、本学創立から2年後、1919(大正8)年の世田谷移転の際に完成した木造の建物です。
当時、日本近代化の流れに沿う西洋風の外観を避け、国士舘の教育の理念を体現するものとして、日本の伝統的な意匠で建設されました。
完成当初は教場として使用されたほか、後年には各著名人による講演や式典の場としても利用されてきました。
関東大震災や戦禍なども免れた創立期から唯一現存する建造物であり、100余年にわたり国士舘のシンボルとして、その歴史とともに建学の精神を今日に伝えています。
文化財概要
名称 | 国士舘大講堂 |
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建築年 | 1919(大正8)年11月9日(落成式) |
構造等 | 木造平屋建、銅板葺 建築面積:285.34㎡ 延床面積:268.81㎡ |
概要 | 国登録有形文化財(建造物) 2017(平成29)年10月27日登録 第13-0385号 |
特徴等 | 講堂の分類における登録文化財としては都内最古。 和風意匠の講堂は全国的に類例が少なく貴重。 部分改変はあるものの、完成当時の姿をよく留めている。 国士舘建学の象徴であり創立期より残る唯一の建物。 |
大講堂に込めた国士舘教育の理念
1917(大正6)年11月、国士舘は、麻布区笄町(現港区南青山)に創立しました。その理念は、形式的な「ノート式」の近代教育を批判し、日本の伝統文化を重視する、真の人格者「国士」の養成にありました。創立の2年後、吉田松陰を祀る松陰神社に隣接する世田谷の地に移転し建設された大講堂には、西洋の科学智のみではなく、日本の伝統文化を重視した新たな教育で、社会に貢献するという国士舘教育の理念が込められました。
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1917 大正6年11月
国士舘、
現港区南青山に創立 -
1919 大正8年11月
国士舘の世田谷移転、
大講堂が完成 -
1923 大正12年9月
関東大震災、
被災者の避難所となる -
1945 昭和20年5月
戦災により校舎焼失、
大講堂は教職員・学生等の奮闘で焼失を逃れる -
1958 昭和33年頃
改修、大屋根は
スレートから金属板葺きへ -
1965 昭和40年頃
改修、
手洗場は撤去される -
1982 昭和57年頃
改修、
大屋根は銅板葺きへ -
2017 平成29年10月
国登録有形文化財(建造物)
に登録
大講堂の特徴
国士舘大講堂は創立時の教育理念を体現し、伝統的であり、かつ象徴的な建物として寺院建築(本堂)風の建築様式を採用しています。大正期の社会的状況や近代教育史を知るうえで貴重な建物といえます。
アクセス
世田谷キャンパス
東京都世田谷区世田谷4丁目28番1号