比較法制研究所

内外法制の過去および現代の組織的な比較研究を行う研究機関

目的

国士舘大学の比較法制研究所は、国内・国外の過去および現在の法制度・法体系を比較研究することにより、本学の法学教育に資するとともに、わが国法学界の発展に寄与することを目的としています。
以上の目的を達成するために、本研究所は、大きな2つの柱を用意しています。
一つは、法学部教員等による研究発表・講演会等であり、もう一つは、紀要『比較法制研究』の発刊です。

第一の柱に関して、本研究所は、さらに、三つの領域に分けて活動を行っています。

  1. 現行実定法(憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法その他)に開する研究活動。それぞれ専門の研究者によって、現在の各実定法に関する様々な情報(例えば、立法作業や改正作業について)が提供され、他領域の実定法研究者に有益な示唆を与えることになります。
  2. 我が国は、共和主義的・立憲主義的国家の下での法体制ですが、それと異なる社会主義体制・法体制も存在しています。それらを研究することは、我々の法体制の特質・歴史的意義を理解する上で重要です。例えば、そうした国家における人権侵害の状況の研究は、我々の法体制の基本的人権の重要性の再確認につながることになるでしょう。
  3. 我が国は、共和主義的・立憲主義的国家の下での法体制ですが、それと異なる社会主義体制・法体制も存在しています。それらを研究することは、我々の法体制の特質・歴史的意義を理解する上で重要です。例えば、そうした国家における人権侵害の状況の研究は、我々の法体制の基本的人権の重要性の再確認につながることになるでしょう。

第二の柱である紀要『比較法制研究』の発刊は、以上の第一の柱の活動の記録を掲載することを通して、法学界における学術の進展に寄与するものです。

事業

本研究所の事業の種類を以下のように掲げています。

  1. 比較法制の研究および各国法制の調査
  2. 研究会、講演会等の開催その他研究、調査結果の発表
  3. 紀要、論文集、所報等の刊行その他研究、調査結果の刊行
  4. 比較法制に関する受託研究および受託調査
  5. 比較法制に関する研究資料の収集、保管および整備
  6. 内外の比較法制研究機関並びに同施設との連絡および交流
  7. その他の本研究所の目的を達成するため必要と認める事業

概要

本研究所の命名は、初代法学部長・故中村宗雄教授(日本学士院会員)によります。本研究所は、国境を越えた彼の地の法律やその解釈を研究するにとどまらず、彼の地の法律を生みだした文化的な背景、それらに関わるあらゆる事象を比較研究することを使命としています。

最先端技術関連法研究所

ITに関連する知的所有権や、生物工学など技術に関連する法律分野に特化した研究を行う研究機関

目的

本研究所は、金融、IT関連、生命工学、医薬品、人工知能(AI)その他先端技術に関連する法律、知的財産権法等を中心として、「科学技術の高度化・情報化と法領域の交錯する分野における法システムの変容とその課題」について調査・研究活動を行うことを目的としています。

概要

法律学は、医学や数学とならんで最古の学問分野の一つです。人が社会を構成すれば、そこにルールが生まれます。「社会あるところに法あり」といわれるのは、その関係を表現したものです。しかし、「社会」は常に変化していますから、それにともない法律学も変化をしていきます。そこで、学問的に重要なのは、どのような社会にどのような法が対応しているかを正確に理解することといえるでしょう。
わが国の近代法の体系は、明治期にさかのぼることができます。いまから100年以上前の社会を想像してください。パソコン、自動車、飛行機などが存在していない社会です。そのような社会を背景にして、わが国では、ヨーロッパの法律をモデルに近代法のシステムを造ってきたのです。そして、この法システム(体系)は、現代社会においても基本的に変化していないのです。そのため法と現実の間には、大きなギャップができています。それを埋めるのが、さまざまな特別法や慣習法、判例法などです。このようなギャップは、とくにビジネスの社会で明らかです。このため、古い法のシステムと最先端のビジネス社会はなかなか調和できず、多くの問題を発生させています。そこで、法律学の研究・学習は、現代社会に生起する法的問題を理解し、妥当な法解釈や立法の提言をすることが重要な目的の一つになります。
このような状況を考慮して、国士舘大学法学部は、2001年4月に「現代ビジネス法学科」を設立しました。この新しい学科では、法律学の基礎を学ぶとともに、契約法・企業法・国際取引法・知的財産権関連法・国際私法・金融商品取引法など、新しい法分野を対象とした最先端の学問を学びます。しかし、教育には、研究の裏打ちが必要です。そこで、国士舘大学法学部では、2000年11月に、最先端技術関連法研究所(Most Advanced Technology-Related Law Institute)を開設しました。これにより、研究と法学部教育が一体となって、その充実を図るシステムが用意されました。

法学会

法学部の研究・教育の発展充実に寄与しその成果を共有する共同体

概要

国士舘法学会は、教員と学生がともに法学部の研究・教育の発展充実に寄与しその成果を共有する共同体として、昭和41年(1966年)法学部開設とともに発足しました。法学会では、学生のリーガルマインド(法的思考力・問題解決能力)を涵養するために、「法律討論会」や「模擬裁判」を開催し、さらに国士舘法学会誌(Student Law Journal)を発行して法学部・法学会の活動の紹介や卒業論文サマリーの発表の機会を設けています(2021年をもって休刊)。
学生の主体的な学習の場である「法律討論会」では、一つの事案(テーマ)に関する資料を収集し、その内容を整理・分析し、法的問題点を抽出し検討を加え、結論に至る論理を提示して、他の討論参加者とディベートを行います。また、「模擬裁判」では学生自身が裁判官・弁護人・被告人・被害者・証人などの司法関係者や事件当事者として演技し、擬似体験型学習(ロールプレイング)を行います。これらの活動を通じて、日頃の講義等で身につけた法知識の実践の場を通して理解を深め、リーガルマインドを身に付けてほしいと考えています。