2025.08.09

南泰裕研究室が東京都の「TOKYO空き家活用魅力発信プロジェクト」提案説明会でデザイン提案を行いました

建築学系 教授 南 泰裕

7月7日、本学理工学部建築学系・南泰裕研究室の学生10人(4年生と工学研究科の大学院生)が、東京都庁第二本庁舎1階二庁ホールで行われた「TOKYO空き家活用魅力発信プロジェクト」の提案説明会に参加し、デザイン提案を行いました。

本プロジェクトは、複数の大学が都内の空き家を対象にリノベーションデザイン案を作成し、都と地元自治体が審査するもので南研究室は奥多摩町の空き家のデザイン提案を担当しました。5月には、現地調査および地元自治体との意見交換を行い、それらをもとに作成・提出したデザイン案を都職員やコメンテーターを前に提案しました。

本学は、「棲み家、織り広がる -House Textiling-」と題して、既存棟のリノベーションをベースにしながらαルームとなる離れを増築し、自然や地域住民と共存しながらも、子育て世代が暮らしやすいフレキシブルなデザイン案を提案しました。プレゼンテーションでは、研究室を代表して薗部彩人さん(理工学部4年)と上田千乃さん(工学研究科修士課程1年)が登壇し、デザインのコンセプトや増改築の隣接モデルを平面図などを用いて説明しました。さらに、予算面を踏まえたうえでの工事の内容についてフェーズを分けて実施するなど、実現可能な案としてのポイントを交えながら具体的に提案しました。最後には、本デザイン案の魅力の一つである奥多摩町の星空を眺めることのできる屋根デッキを紹介したうえで、七夕にちなんだ「おくたまの 星しずく満つ 屋根のうえ 蒼くすむ夜気 つたう七夕」と本デザインに込められた思いや実現後の理想の情景について詩を詠い、プレゼンテーションを締めくくりました。

コメンテーターや都職員らからは「概算見積をもとにしたフェーズ分けの提案により、離れの実現が可能となる具体的なイメージができた発表だった」という意見が出されるなど、積極的な意見交換を重ねました。

発表した学生らからは「研究室内の意見をまとめることは苦労したが、本提案に込めた思いを伝えきることができてよかった」「予算など、複雑な要素のなかで検討することは容易ではなかった。しかし、だからこそ建築に対しての視野を広げることができたと感じる」「本提案の一番のこだわりは離れと屋根デッキ。それらをうまく伝えられたのではないか」といった感想が聞かれるなど、研究室一丸となってプレゼンテーションに取り組んでいる様子がうかがえました。

後日、東京都より本プロジェクトの選定結果が公表され、本学のデザイン案は惜しくも不選定となりましたが、学生らにとって貴重な経験となりました。本学は、今後もこのような取り組みに積極的に参加していきます。

南教授のコメント

研究室のメンバーは、限られた時間の中で、実地調査からデザイン提案までよく頑張ってくれました。複雑な要素を踏まえ、総合的な提案をすることはめったにない貴重な機会でした。結果は残念でしたが、この経験を機に建築家を目指してより一層の精進をしてくれることを期待しています。

南泰裕研究室が東京都の「TOKYO空き家活用魅力発信プロジェクト」に参加しています

東京都住宅政策本部ホームページ

プレゼンテーションの様子
指導にあたる南教授
本学のデザイン案と模型
研究室メンバー一同で記念撮影