建築学系・南泰裕研究室の学生約10人(4年生と工学研究科の大学院生)は、東京都が「2050東京戦略」事業の一環で進める「TOKYO空き家活用魅力発信プロジェクト」に参加しています。このプロジェクトは、複数の大学が都内の空き家を対象にリノベーションデザイン案を作成し、都と地元自治体が審査するというもので、南研究室は奥多摩町の空き家を担当しています。今後、7月に行われる審査を経て、選定されたデザインを元に空き家を改修し、移住・定住用住宅として活用していきます。
◆東京都「TOKYO空き家活用魅力発信プロジェクト」の背景と概要
東京都にある約90万戸の空き家の中には、不動産市場で流通せず長期間利用されていないものもあります。特に西多摩・島しょ地域では活用事例が少なく、プロジェクトではこうした空き家を地域資源として生まれ変わらせることで、東京都の活性化を図ります。時間・コストをかけない、地域とのつながりを創出するなど、知恵や工夫を凝らすことでリノベーションができることを実例をもって示し、自治体の移住・定住施策の推進につなげます。
具体的には、奥多摩町および新島村が所有する空き家3物件について、都内4大学(国士舘大学、東京大学、東京都立大学、法政大学)や若手・中堅の都技術職員が知見と技術力を結集させ、リノベーションデザイン案を作成します。今年7月に地元自治体と協議の上、デザインを選定し、その後は都が設計・施工します。令和7年度中の完成を予定しており、令和8年度には自治体の移住・定住用住宅として活用する予定です。一連の過程は動画で公開し、空き家活用の魅力を発信していく予定です。
◆国士舘大学の担当と今後のスケジュール
意匠デザインを学ぶ建築学系の南泰裕研究室は、奥多摩町の空き家を担当します。5月2日の現地調査および地元自治体との意見交換をもとに検討を重ね、6月末までにデザイン案を作成・提出します。7月上旬の審査会で大学・東京都合同のプレゼンテーションが行われ、審査の結果、選定デザインが決定します。
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◆南泰裕教授のコメント
リノベーションは難しく大学の課題には合わないといわれていますが、社会的な需要はますます高まっていく分野です。今回はコンセプト設定、創意工夫、デザイン性、コスト面を含む実現可能性など、総合的な提案が必要となり、建築の仕事を目指す学生らにとって大変貴重な機会となります。
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