本企画では、文学部の専任教員が「どんな専門なのか」「何が勉強できるのか」といった内容を中心に、受験生の皆さんへのメッセージを含めたショートエッセイを執筆しました。どうぞお楽しみください。更新は不定期です。
古文書から読み解く地域の課題
夏目 琢史(なつめ たくみ)准教授(専門分野:日本近世史)
江戸時代のことを研究しています。じつは、江戸時代の古文書は全国各地にたくさん眠っています。しかし何もしなければ、やがてはそれも失われてしまいます。僕のゼミでは、そうした史料を「発見」し、「研究」することによって“地域の新たな課題”を考えていく。そんな実践的な「学び」をめざしています。
ドキュメント国士舘:文学部の考察
<2020年8月28日(金)掲載>
歴史研究と「出会い」
久保田 裕次(くぼた ゆうじ)講師(専門分野:日本近現代史)
私は明治・大正時代の日中関係に関する研究をしています。学生の頃から中国には何度か足を運んでいましたが、大学院修了後には、調査のために辛亥革命の中心地の一つの南京を訪れました。中国に行くたびに、多くの人や貴重な歴史資料との「出会い」があります。高校生の皆さん、大学生活ではいろいろなことにチャレンジして、様々な「出会い」を経験してください。
孫文の陵墓である南京の中山陵(筆者は手前右)
<2020年9月9日(水)掲載>
鎌倉を研究、きっかけは学生時代の懇親会
秋山 哲雄(あきやま てつお)教授(専門分野:日本中世史)
大学三年生の時にゼミで鎌倉を散策し、夜の懇親会で、発掘してみては? と誘われ、酒の勢いもあって手を挙げてしまい、鎌倉で発掘をすることになってしまいましたが、そこでの経験は今も大きな財産となっています。今は文字資料から鎌倉を研究していますが、行き当たりばったりもいいものだと思います。
<2020年9月14日(月)掲載>
ムーミンだけじゃない。フィンランドの文化・政治を学ぶ
石野 裕子(いしの ゆうこ)准教授(専門分野:ヨーロッパ史)
フィンランド史を研究しています。フィンランドというとムーミン、教育、サウナなどのイメージが強いかもしれませんが、私はフィンランド人の民族意識がどのように文化に反映されたのか、またその文化がどのように政治に結びついていったのかについて研究しています。授業ではヨーロッパの歴史を政治だけではなく文化や社会の側面からも一緒に考察していきましょう。
美術館のようなフィンランドの国立図書館
<2020年9月14日(月)掲載>
大久保利通の時代の日本を探る
勝田 政治(かつた まさはる)教授(専門分野:日本近代史)
坂本龍馬や西郷隆盛らが活躍し、近代日本の基礎を作り上げた明治維新が研究テーマです。その中では西郷ほど有名ではありませんが、大久保利通を研究しています。研究室(ゼミ)では、江戸時代から明治時代への変化について、政治・外交・経済・社会・思想などの諸分野において深く勉強できます。
<2020年9月16日(水)掲載>
学びの原点は史料にあり!
仁藤 智子(にとう さとこ)教授(専門分野:歴史学・日本古代史)
なぜ王は旅するのでしょうか。7~8世紀に女帝は多いのはなぜでしょうか。 飛鳥・奈良・平安時代を中心に、中国大陸や朝鮮半島と連動しながら、日本列島に国家ができてくる過程を究明しようとしています。他の時代と比して、少ない史料と真摯に向き合い、いかに読み解いていくのか、そこに「学び」の原点があると思っています。扱う史料のほとんどが漢文です。前近代において漢文は東アジアの「共通語」ともいうことができ、中国や朝鮮の歴史も読むことができます。知的好奇心と柔軟な思考力を忘れずに、これからも学び続けていきます。
韓国・昌徳宮奎章閣前(朝鮮王朝時代の王立図書公文書館)
扱う史料たち(『東大寺要録』・『大唐六典』・『韓国古代史散策』)
日本・金沢玉泉院丸庭園
<2020年9月18日(金)掲載>
新たな歴史の発見に挑戦
眞保 昌弘(しんぼ まさひろ)准教授(専門分野:考古学)
中学生の時、友人が拾ってきた縄文土器に触れたことで考古学に目覚めました。40数年経過した今も、その魅力にとりつかれています。私が担当する考古学ゼミでは1年生から大学院生までが夏休みや春休みの期間に合宿生活をしながら遺跡の発掘や出土品の整理を実施します。みんなで協力して新たな歴史発見に挑み続けています。
夏季考古学実習中、地元住民の方々との交流会にて
<2020年10月2日(金)掲載>