本企画では、文学部の専任教員が「どんな専門なのか」「何が勉強できるのか」といった内容を中心に、受験生の皆さんへのメッセージを含めたショートエッセイを執筆しました。どうぞお楽しみください。
まじめな学生が多い大学
佐々木 明彦(ささき あきひこ)准教授(専門分野:自然地理学、地形学)
私が考える国士舘大学の学生の特徴は、極端に “まじめ” なことです。授業をサボらないし、言われたことをちゃんとやる。 “おとなしい” と言えなくもないのですが、その “おとなしさ” は入学時から卒業までの間に次第になくなっていき ”まじめさ” だけが残ります。学風なのでしょうか。私は文学部史学地理学科の卒業生ですが、この傾向はずっと受け継がれていると感じます。
たくさん開講されている専門科目から自分の興味や適正に合ったものを履修し、集大成となる卒業論文に向けて、より専門的な学びをゼミ単位でおこなうようになると“積極さ” が目立つようになります。調査の実践の場になる3年次の野外実習では、ゼミの仲間とともに自らが企画した調査をやり遂げ、レポートにまとめます。野外実習を含めたゼミでの活動が “おとなしさ” から “積極さ” への転換点なのではないかな、と私は思っています。
- 豪雨による斜面崩壊地で地形の調査を行うゼミ生
- 土石流の堆積物を調べているゼミ生
<2021年9月7日(金)掲載>
教員と学生の距離の近さが強み
桐越 仁美(きりこし ひとみ)講師(専門分野:地理学、アフリカ地域研究)
私は保育園から大学院までずっと「公立」で育ってきました。そのため、国士舘は私にとって初めての「私立」です。公立育ちの私にとって私立大学は未知の領域で、着任前は「私立大学は大人数制で教員と学生のあいだに距離がある」という漠然としたイメージをもっていました。
しかし昨年、地理・環境コースに着任して感じたのは「教員と学生の距離が近い」でした。私は大学生時代、1学年30人の環境で地理を学びましたが、国士舘の地理・環境コースは1学年80人ほどです。最初は、この人数の学生とコミュニケーションがしっかり取れるのだろうかと不安もありましたが、授業やほかの教員のゼミ・実習の様子を見聞きし、教員と学生の距離は学生の多さに比例して広がるわけではないということがわかりました。また、人数が多いにもかかわらず、学生一人一人がしっかりと自覚を持ち、真面目に学習や研究に取り組む姿も印象的でした。
私は昨年からゼミや実習を担当し、今年は卒論生も見ています。私もこれまでの地理・環境コースの伝統を継ぎ、コミュニケーションを大切に、学生の学習をサポートし、学生にとって過ごしやすい環境をつくっていきたいと思っています。
- 調査の計画を話し合うゼミ生
- 地理学野外実習Bの様子
<2022年2月8日(火)掲載>
縁を感じる国士舘との出会い
加藤 幸治(かとう こうじ)教授(専門分野:経済地理学)
ちょっと記憶が曖昧であるが、中学卒業前後か高校2年生になる頃までには、「地理」を大学で学びたいものの一つと決めていた。そんな時に、たしか高校で受けた、模試の志望校の一つに国士舘大学文学部の地理学専攻をあげた。「国士舘にも地理の専攻があるんだ」。この印象が私と国士舘の明確なる「出会い」である。
推薦で大学に進学することができることになった私は、結局、国士舘の地理を受験することも、もちろん入学することもなかった。もし、そこで入っていれば、「同僚」となった先生達(当時すでに国士舘の教員だった数名の先生)は、文字通り、私の「先生」であった訳だから、考えてみれば、「おもしろい」話である。もっとも、そこで入っていれば、今ここにこうしてはいないと思う。
「ぼくが歩いてきた 日々と道のりを ほんとは“ジブン”っていうらしい」のだから(笑)
- その頃(高校3年)の私。あまり変わらないと言えば変わらない。
<2021年12月14日(火)掲載>