2025.10.18

「IWADO BASE」が2025年度グッドデザイン賞を受賞

建築学系 教授 南 泰裕

理工学部の南泰裕教授が建築設計・計画に携わった「IWADO BASE」が、公益財団法人日本デザイン振興会主催の「2025年度グッドデザイン賞」を受賞しました。
今年のグッドデザイン賞のテーマは「はじめの一歩から ひろがるデザイン」で、マーケット主導で「大きなニーズがあるから」ではなく、組織や地域の中の小さな個人の熱量に突き動かされた「はじめの一歩」にスポットが当てられました。テーマに沿って約100人の審査委員が作品を選出し、今回「IWADO BASE」がグッドデザイン賞を受賞しました。

「IWADO BASE」は、2024年の11月にオープンし鳥取砂丘のすぐ東隣り、山陰海岸国立公園内の岩戸海岸ほとりに建てられています。手ぶらでキャンプやBBQ、サウナなどを楽しめるほか、サーフィンや水上バイクといったマリンスポーツ体験やテントに寝泊まりもすることができ、手軽にキャンプの雰囲気を楽しめる複合施設です。また、月1で開かれる地域食堂やカフェもあり、学生ワークショップの場としても活用されています。



◆実施背景・経緯
「IWADO BASE」は、自然豊かなこの場所に魅せられ、地方移住を決意したオーナーとその意向に共感した建築・ランドスケープ専門のデザイナーたちがコラボレーションしデザインされました。オーナーは、かつて海水浴場として賑わっていたこの場所の、再生と地域活性化を視野に入れ、外部からの人々を魅了し引き込む複合施設を構想しました。


◆デザインの特徴
1:海と集落を分節しつつ繋ぎ、計画全体が人々を迎え入れるゲートとなるようデザインしました。
2:東西を繋ぐリニアな空間により、バンド状のオープン施設として多様な活動が展開できます。
3:日本海と鳥取砂丘をイメージし、緩やかな地形を持ったランドスケープをデザインしています。


◆実施の成果
背後に広がる集落の景観に配慮し、外観は切妻屋根により民家との連続性を作りながら微地形を細やかにデザインしたランドスケープで、自然と建築、海と集落をつなぐクロスポイントとなる複合施設を生み出しました。


◆デザイナー
・理工学部 南泰裕 教授 (一級建築士事務所アトリエ・アンプレックス)
・石川 亮 氏      ( ISHIKAWASAMBO一級建築士事務所)
霜田亮祐 准教授    (千葉大学大学院園芸学研究院)


◆審査員の評価コメント
鳥取砂丘と道路を挟んだ隣地につくられたアウトドアの複合施設である。敷地内には砂のランドスケープをもうけ、テントで泊まることができ、またコンパクトに機能がまとめられた切妻屋根の施設の2階からは日本海と砂丘がよく見える。鳥取砂丘ではキャンプを禁止されているが、この場所ならば、そうした気分を味わうことが可能だろう。現地を訪れた際、フランス人の家族がグランピングを楽しんでいた。ここでは、建築学生のワークショップなども行われている。
(審査員:成瀬 友梨、五十嵐 太郎、色部 義昭、丸山 優子)

11月1~5日にかけて、東京ミッドタウンでグッドデザイン賞の展覧会も開催予定です。
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IWADO BASE

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