2025.02.17

新体操の普及に向けた新たな可能性 ~相撲巡業との連携をテーマに、学術的アプローチ~

21世紀アジア学科 准教授 鈴木 敦子

2025年2月11日、広島県福山大学で開催された日本スポーツ産業学会 第12回冬季学術集会にて、本ゼミ所属の4年生・小西野乃花さんが「新体操界発展に向けた普及活動の重要性 ~相撲巡業連携新体操イベントの実践から~」と題した研究発表を行いました。   
本研究は、新体操の芸術文化的価値に着目し、伝統文化との融合による普及の可能性を実践的に検証したものです。その成果をもとに、新体操が持つ社会的意義を明らかにすることを目的としました。   

ブルガリアの事例と日本の現状

新体操が盛んなブルガリアでは、地域貢献活動やイベントが積極的に行われ、一般市民との交流の機会が多く、広く愛される競技となっています。一方で、日本国内では、新体操の競技人口は一定数いるものの、地域に根差した興行や普及活動が十分に整っていないのが現状です。  
そこで本研究では、地域社会との関わりを重視する大相撲巡業と新体操を融合させたワークショップやデモンストレーションを実践し、新体操の普及の可能性を探る試みを行いました。   

競技文化の融合による新たな可能性

本研究では、新体操を単なる競技スポーツとしてだけでなく、芸術文化の一端を担う存在として捉え、その社会的価値を広く伝える意義を示しました。特に、大相撲という日本の伝統文化と新体操の融合は、スポーツの普及や地域との結びつきを強める新たな手法として注目されました。  
また、地域社会との結びつきを強化することで、スポーツの価値を向上させるという視点は、新体操のみならず、他競技の普及や競技者のキャリア形成にも応用できる可能性を持っています。   


発表のインパクトと今後の展望

本発表は、新体操の普及に関する研究としてだけでなく、スポーツを通じた地域貢献や異種競技間の連携の可能性を実践で示した点は議論にも大きな影響を与えたと思います。  
またこのアプローチは今回の学術大会でも大きなインパクトを与え、講評においても高く評価されました。今回の研究成果を踏まえ、さらにスポーツの普及と社会的価値の向上に向けた研究を推進していきたいと思います。