7月16日、世田谷キャンパス・メイプルセンチュリーホール5階第1会議室で、令和7年度世田谷プラットフォーム リスクマネジメント部会による講演会が開催され、協定校から24人が参加しました。
この部会は、世田谷プラットフォーム協定校(国士舘大学・駒澤大学・昭和女子大学・成城大学・東京都市大学・東京農業大学)が集まり、災害発生時の初動対応や地元との連携など防災について検討するもので、今回は講演とワークショップの2部構成で開催されました。
講演会
第1部では「大規模災害における大学の災害対応と課題」と題して、東京消防庁世田谷消防署長の尾嵜純氏を招いて講演会が行われました。
尾嵜氏は、はじめに全国の消防機関で初めて設置された東京消防庁の「安全推進部」の概要や設立の背景を紹介したうえで、過去の重大災害の反省と安全文化醸成の必要性について説明しました。次に、災害時の東京都の災害対策本部や各機関の連携体制を紹介し、防災機関として都一体となった連携体制を構築している旨を伝えました。さらに、世田谷区における首都直下型地震が発生した際の被害想定を映像資料やデータを用いて具体的に説明し、「実際の大規模災害時は、消防や警察の公助だけでは限界がある。だからこそ『自分たちのまちは自分たちで守る』という”自助・共助”の意識が必要である」と呼びかけ、初期消火や家具の転倒・落下・移動防止対策のほか、応急救護の知識技術習得の重要性など、日頃から取り組める具体的な被害軽減策を紹介しました。
最後に、「これらの知識を得ることは、自分や家族・地域、大学の学生教職員などを守る大事な行動である。大学教職員として、自助・共助の心構えを忘れず、日頃からの訓練や備え、報告・連携の文化を育んでほしい」と伝えられました。
参加者からは「学生を守る立場として、日頃からの備えを見直すきっかけとなった」といった感想が寄せられるなど、参加者一同熱心に聴講し防災意識を高めました。
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防災ワークショップ
続く第2部では、本学防災・救急救助総合研究所の石﨑貴准教授がファシリテーターを務める防災ワークショップが開催されました。
ワークショップは、正解がないテーマに対して肯定派と否定派に分かれ意見を交換する形式を用いて、「災害時に帰宅困難となった学生教職員1000人のために、弁当を配布しようとしたが500人分しかない。あなたなら配布する?」「震災一週間後に、教職員3人が『同居の親が心配』という理由で出勤してこない。出勤しなくてもよいと認める?」といった大学や防災に関するテーマのもとで行われました。
参加者は、5~6人ごとのグループに分かれ、大学や部署が異なるそれぞれの視点から積極的に意見を交わし、災害時に起こり得る状況の把握と適切な対応の検討を重ねました。各グループでは、新たな視点からの気づきや大学としてのリスクマネジメントの重要性が説かれるなど、大学の垣根を越えて議論を深めました。
最後に石﨑准教授は「今回学んだ"つながりの気持ち"を大切にし、災害に対する日頃からの備えを充実させるなど大学教職員としての資質・能力を高めてほしい」と述べ、ワークショップを締めくくりました。
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