10月26日、世田谷キャンパスメイプルセンチュリーホール大教室で、本学防災・救急救助総合研究所が主催する第13回防災・救急救助シンポジウム「災害ボランティアと受援力」が開催されました。シンポジウムでは学生による災害ボランティア活動報告、シンポジウム前には地域連携防災訓練も実施され多くの方が参加しました。
国士舘大学第13回防災・救急救助シンポジウム
はじめに、「支援の力を最大限にするには」と題して、災害NGO結の前原土武氏による基調講演が行われました。前原氏は、災害NGO結の活動紹介やボランティア現場での課題について説明し、「受援力を高めるためにも、平時より防災に対する意識を高めておくことが大切。企業・大学・地域行政など社会が一体となり、周囲の方々とコミュニケーションをとるなど日頃より個々人ができることから取り組んでいくべき」と述べました。
その後、本学学生による災害ボランティア活動報告が行われ、大橋勇斗さん(体育学部スポーツ医科学科2年)、篠原聖真さん(体育学部スポーツ医科学科2年)、淵野葉子さん(理工学部基礎理学系4年)の3人が登壇し、三者三様の活動報告を行いました。
大橋さんは、現場で目にした被災地の現状や実際に行ったボランティア活動の詳細を説明し「ボランティア活動の内容は多岐にわたることを学んだ。被災地の子どもたちの喜んでいる姿をみたときには達成感を得ることができた」と報告しました。
篠原さんは、寒い時期の活動で必要性を痛感した防災備蓄品を紹介したほか、「支援は現場にいかずともできる。募金活動など、身近なところからできる支援を多くの方におこなってほしい」と述べました。
淵野さんは、ボランティア現場で必要な考え方や心構えについて「ボランティア現場では、コミュニケーションがとても大切だった。受援力を最大限にするためにもコミュニケーションを欠かすことなく、被災者側とボランティア側の信頼関係を構築していくことが大切であると感じた」と報告しました。
閉式のあいさつでは、防災・救急救助総合研究所の島崎修次所長が「ボランティアにおいては、被災者側の受援力とボランティア側の支援力の双方が大切。双方が、防災前の準備と防災時の適切なコミュニケーションをとることが必要である。今後も国士舘大学はこれらを継承しながら防災教育に注力していく」と述べ、本シンポジウムは幕を閉じました。
会場には、能登半島地震のボランティアに参加した学生らも訪れ「自身がボランティアに参加した際とは違う視点からの意見を聞き、とても参考になった」「ボランティア活動の奥深さを再認識した」「講演を聴き、改めてボランティアに参加したくなった」と感想を述べました。
地域連携防災訓練
シンポジウムに先立ち、メイプルセンチュリーホールおよび区立若林公園では、地域連携防災訓練も開催され、本学学生のほか多くの地域住民らが参加しました。
訓練は、世田谷消防署による煙体験ハウスと初期消火訓練、世田谷警察署による倒壊した家財道具の下敷きになった人形を搬出する訓練のほか、本学防災・救急救助総合研究所による搬送訓練等が行われました。
参加者は「家財道具からの救出時には、家にある身近なものが使用できると気がつくことができてよかった」と話すなど、多様なプログラムから防災に関する意識を高める機会としました。
能登半島地震で被災した石川県七尾市に学生ボランティアを派遣しました(1~3陣)