世田谷区と本学は令和6年に連携協定を結び、さまざまな分野で連携事業を展開しています。
本事業の一環として、本学に在籍する外国人留学生が、母語を活用して区の各種事業に協力しています。
外国にルーツを持つ小学生への日本語支援
令和5年度から、区立小学校に通う外国人児童の授業に、本学外国人留学生が入り母語を用いた日本語支援を実施しています。令和5年には1人、同6年には4人、今年は3人の児童への支援を、延べ8人の留学生が担ってきました。
本年9月から12月にかけて、アディラ マイマイテさん(人文科学研究科修士課程1年)とニン シンヨウさん(同)が小学1年生の女子児童2人の支援に入っています。2回目の授業となる10月20日には、国語や音楽の授業で児童の隣に座った留学生が、担任の先生の話を中国語で伝えるなどして授業参加をサポートしていました。
ニンさんは支援について、「友だちとの会話は問題なくできていますが、国語の教科書がスムーズに読めないため中国語に翻訳して伝えています。先生からの問いかけにも、何について考えたらよいのかを伝えることで、先生の意図に合わせた考察をすることができるようになりました。サポートの必要性を痛感しています」と話しました。
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外国にルーツを持つ中学生へのキャリア支援
世田谷区では、日本に来日して学校に通う児童・生徒のために、訪問指導や通級指導などの指導を行っています。
10月29日、梅丘中学校内にある帰国・外国人教育相談室主催で「国士舘大学留学生によるキャリア・プレゼンテーション」が行われました。本行事は、本学の外国人留学生が自身の経験を語り、参加者に将来のキャリアや外国での生活について考えるきっかけを提供する目的で開催し、通級指導などに通う中学生約20人が参加しました。大学院生を含む3人の留学生が、自身の留学経験、困難、そしてそこから得た学びについて発表しました。
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セルジブデ サンダガバザルさん
(モンゴル出身、法2年)
サンダさんはまず、「まず自分たちに拍手をしよう!」と声をかけ、生まれ育った地を離れ、たくましく生活している生徒たちをたたえてから発表を始めました。幼い頃から野球を通じて日本に憧れ、中学1年生から日本の中学・高等学校に留学し学びました。当初は慣れない寮生活で、言葉の壁や厳しい環境に苦労しましたが、「step by step, one by one」の精神で、あいさつや掃除など小さなことから努力を重ね、周囲とのコミュニケーションを築きました。高校時代には甲子園のメンバー入りを果たし、努力は必ず報われるというメッセージを伝えました。
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オウ シセンさん
(中国出身、人文科学研究科修士課程1年)
日本文化への憧れから来日。当初は日本語の壁に直面するも、周囲のやさしさに触れ、困難を乗り越えました。アルバイト先の先輩からの指導や励ましを通じて、自分も誰かを支えたいという気持ちを持つようになりました。将来は外国にルーツを持つ子どもたちの力になりたいという夢を語り、新しい環境に飛び込む勇気を促しました。
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キュウ エツさん
(中国出身、人文科学研究科修士課程1年)
日本のアニメ文化などをきっかけに日本に興味を持ち留学。生活の中での苦労やアルバイトでの失敗を経験し、そこから学びを得て成長しました。日本の人々のやさしさやルールを守る姿勢に感銘を受け、言葉が完璧でなくても気持ちが伝わることを実感しました。生活のすべてが未来につながっていると語り、「大丈夫、ゆっくりでいいよ」というメッセージを送りました。
3人の発表の後、グループに分かれて交流しました。参加者からは、勉強や部活の話題のほか、文化の違いをどう埋めたらよいのか、友人ができないといった悩みなどが出されました。留学生は、「試験勉強の時は先生に繰り返し聞くと良い」「部活はコミュニケーションを取る格好の場」といったアドバイスを送りました。
最後に、世田谷区の清水優子副区長があいさつし、参加者に対して、帰国・外国人教育相談室の活用や先生・友人など身近な人への相談を促しました。また、今後は日本の子どもたちが海外の文化を理解し、外国人と交流を深めるための取り組みを検討していきいたいと結びました。
言葉の壁や文化の違いといった困難を乗り越え、周囲の支えや自身の努力によって成長していった留学生3人の話は、参加者にとって、日本での生活やキャリアについて考える上で貴重な機会となりました。
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