2026.01.26

在外研究リポート(法学部法律学科・藤巻梓教授)

法律学科 教授 藤巻 梓

4月からドイツのベルリン自由大学法学部で学外派遣研究員として研究活動をする法学部・藤巻梓教授の現地リポートをお伝えします。

日独の建物区分所有法を比較

私は令和7年4月から1年間、ベルリン自由大学法学部に客員研究員として滞在し、ドイツの不動産法制度、特に建物区分所有法や地上権法に関する研究を進めている。日本では老朽化マンション対策や土地の所有・利用が重要な課題となっているところ、ドイツの議論を参考に、日本の法制度のあり方を検討する際の示唆を得ることを目的としている。

大学では、ベルリン自由大学クリスティアン・アルムブリュースター教授、インスブルック大学のマーティン・ホイブライン教授をはじめ研究者の方々と意見交換を重ねている。両教授とは、私が大学院生の頃、ゲッティンゲン大学へ留学した際にご縁を頂戴し、以来20年を超えて交流を続けている。日本とドイツの民法は同じローマ法圏に属し、共通する概念も多い。研究者間ではこの共通理解を前提として法的な議論が自然に深まる場面が多くあり、比較法研究の醍醐味を感じる。他方で、現地のセミナーなどに参加すると、実務家から実例に即した現実的な法律問題が提起され、新たな視座を得ることができるのも楽しい。

滞在中の令和7年5月には日本の建物区分所有法の改正法が成立し、その内容をドイツの法律雑誌で紹介する機会に恵まれた。執筆に当たっては、どのような表現を用いればドイツの法律家に日本の法制度や改正の背景、趣旨を正確に理解してもらえるか、雑誌編者であるホイブライン教授と議論を重ね推敲した。これが双方向の研究交流の一助となれば幸いである。

日常の生活では、住居の賃貸借契約や子どもの学校手続など、日本とは異なるシステムに触れる機会が多い。ドイツは連邦制を採っており、学校制度や一部の行政対応が州により異なるのも興味深く、日々新たな発見の連続である。街中の商店がすべて閉まる日曜日は、博物館めぐりや街歩きを楽しんでいる。ベルリンは緯度が高く、冬は日照時間が非常に短いが、12月は各地でクリスマスマーケットが開催され、街が一年で最も華やぐ季節でもある。

最後に、貴重な研究の機会をくださった大学、日頃より支えてくださる同僚の先生方ならびに職員の方々に、心より感謝申し上げる。

ベルリン自由大学の法学部棟
クリスティアン・アルムブリュースター教授(右)と藤巻教授
法学部図書館と研究室等のある建物
カイザーヴィルヘルム教会横のクリスマスマーケット。週末は特に賑わう

令和7年12月15日寄稿