2026.01.14

特別講義レポート:エネルギー庁とNUMOが語る『高レベル放射性廃棄物の地層処分』

経済学科 准教授 赤石 秀之

 202512月、国士舘大学政経学部経済学科「資源の経済学」において、経済産業省資源エネルギー庁と原子力発電環境整備機構(NUMO)の担当者を招いた特別講義が実施されました。テーマは、日本のエネルギー政策の核心に位置する 「高レベル放射性廃棄物の地層処分」 です。

 

前半:日本のエネルギーを取り巻く現状

資源エネルギー庁からは、日本のエネルギー自給率の低さ、電源構成の変化、世界的なカーボンニュートラルの潮流が紹介されました。再生可能エネルギーの拡大が進む一方で、安定供給の観点から多様な電源の組み合わせが不可欠であることが強調され、学生からは「エネルギー政策の複雑さを初めて実感した」という声が聞かれました。

 

後半:高レベル放射性廃棄物の地層処分

NUMOからは、使用済燃料を再処理して生じるガラス固化体の特性、安全確保の仕組み、そして地層処分の技術的・社会的プロセスが解説されました。文献調査から始まる段階的な調査手順や、地域の意見を尊重しながら進める合意形成の重要性が示され、学生たちは「技術だけでなく社会の理解が不可欠であることが分かった」と感想を述べていました。

今回の特別講義を通じて、学生たちは エネルギー政策・技術的安全性・社会的合意形成・将来世代への責任 といった多面的な視点から、高レベル放射性廃棄物の地層処分という国家的課題に向き合う機会を得ました。授業で学んできた「資源の経済学」の概念が、抽象的な理論にとどまらず、現実の政策判断や社会的議論にどのように結びつくのかを実感できたことは大きな収穫です。

特に、

  • 資源ストックと将来世代への影響

  • 技術と制度の相互作用

  • 地域社会との信頼構築の重要性

といったテーマが、学生の理解を深める鍵となりました。学生たちは、エネルギー問題が単なる技術論ではなく、経済・社会・倫理が交差する複雑な領域であることを学び、将来の意思決定に必要な視野を広げることができました。今回の講義は、学びを社会へとつなげる貴重な契機となりました。