理工学部の神野誠教授は、このほどアメリカのジョンズ・ホプキンズ大学の研究者と共同で眼球内手術に使う鉗子(かんし)に対応する4自由度の柔軟機構を開発しました。柔軟機構は直径0・9ミリメートルで2つの関節部を持ち、鉗子の姿勢を一定に保ったまま、先端位置を誘導するなど、より複雑な動作ができます。開発にあたっては、直径0・9ミリメートルのディスクの9つの穴の配置や各部品の形状について、部品加工や組み立てを十分に考慮した設計を行うことで実現しました。なお、本研究の成果は、JSPS科研費21K03968の助成を受けたものです。
神野教授は「今後はモーターなどの駆動装置を搭載して眼球手術を模した実験を行い、手術ロボットで網膜を剥離するときの正確性など、思いどおりの動きを実現できるか作業性の評価を高めていく」と話しています。
神野教授は、極狭隘部・超微細手術への適用を視野に入れた研究・開発に取り組むほか、生命科学実験やPCR検査などで多く使われるマイクロチューブを自動で開閉栓する装置や一連の工程を効率化するロボットシステムを開発するなど、検査・実験の効率化と安全性の向上に役立つ研究においても高い実績と評価を得ています。


教員情報:神野誠教授
PCR検査の自動化に前進 理工・神野教授らがマイクロチューブ自動開閉栓を開発