第12回FD研修会が12月6日、世田谷キャンパス10212教室にて開催されました。本研修は「教育DX時代におけるAIの現在地―学生意識と基礎リテラシーを考えるー」をテーマに、対面とZoomによるハイブリッド型で実施。多数の教職員・関係者が参加し、AI活用をめぐる現状と課題について学びました。
■ 開会
はじめに、FD委員会委員長である辰野文理教授(法学部)より、AI技術の進展が大学教育に及ぼす影響とAIリテラシーの重要性について言及があり、その後「本研修会が皆様の教育研究活動に新たな視点を提供し、AI時代を生き抜く学生を育成するための手がかりを見いだすきっかけとなれば」と述べ、研修会への期待を込めて挨拶されました。
■「AIとサイエンス」における学習意欲調査ー伊藤直樹准教授(経営学部)
次に伊藤直樹准教授より、本学の数理・AI・データサイエンス教育の全学展開と、その学習意欲調査の内容・結果が報告されました。全学必修として1年生約3000名が受講する「AIとサイエンス」では、受講前後でアンケートを実施。クラスタリング分析等を通じ、受講後には「AIへの関心と自身の能力が高まったグループ」や「不安が軽減されたグループ」の発見など、教育効果や今後の課題に資する分析結果が示されました。
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■企業有識者による講演ーワークスアイディ株式会社 池邉竜一代表取締役社長
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続いて池邉竜一氏より、社会におけるAI・DX導入の現状やビジネス現場で必要とされるAIリテラシーなどについて、豊富なビジネス経験と具体的な導入事例を交えながら講演が行われました。
池邉氏は、進化するAIに業務をシフトする中で、人間には「業務の分析・理解・設計を行い、AIと協働する発想力」が必須であることを説明しました。また、AI時代において必要とされるのは「指示を待つのではなく、自ら考える力」と「失敗を恐れず行動する力」、すなわち”現場力”が評価される時代となっていると強調しました。
講演の最後には「国士舘大学が掲げる教育理念を学んだ人材こそが『AI時代の到来』を支える逸材になるだろう」と述べ、AI時代における人間の役割について期待を示しました。
■質疑応答
最後には、質疑応答が行われました。事前アンケートの質問や会場の声をもとに、「AIによる業務自動化の可能性」「学生によるAI活用とその基準」「AIが生成した情報の著作権やリーガルチェック」「教員がAI課題対応で直面する難しさ」など、教育現場に直結する多彩なトピックについて活発な議論が展開されました。登壇者からは「AI運用ルールの統一と柔軟な個別設定の両立」「外部発信時におけるリーガルチェックの徹底」など具体的な意見があがりました。
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■ 閉会あいさつ
FD委員会副委員長・名越篤史准教授(理工学部)より、「社会で必須となるAIをどう大学教育に取り入れ、学修の質を高めていくか、今後も継続して議論・改善に努めたい」と総括があり、本研修を締めくくりました。
受講後のアンケートでは「学生にとってAIありきという中で、授業の進め方の意識を変えようと思った」「AIについてどちらかというとマイナスに捉えていたが補助として使える可能性を感じた」などの感想があった。今後も本学では、AIをはじめとした先端技術への理解と適切な活用のため、教職員間の情報共有を重ね、より良い教育実践の実現を目指してまいります。
