世田谷区と本学との連携事業として今年度実施した日本語支援に関わる活動報告会が1月28日に梅丘中学校で行われ、世田谷区と本学の関係者を前に、本学学生17人が活動報告しました。
外国にルーツをもつ小学生への日本語支援
9月から12月にかけて区立小学校に在籍する中国ルーツの小学1年生児童への日本語支援に取り組んだ大学院人文科学研究科の学生2人が、支援の様子とそこで得た成果を語りました。入学当初は緊張や日本語への不安が大きかったものの、安心できる人間関係づくりや、得意分野での成功体験を積み重ねることで、友人関係や学習面で大きく成長していった過程が報告されました。
アディラ マイマイテさん(修士課程1年)は、児童の強みを把握し、その力を発揮環境づくりを意識したと語り、ニン シンヨウさん(同)は、日本語の学習と心のサポートによる安心感の醸成が必要であると述べ、授業中に児童が手を挙げられるようになった喜びを語りました。またニンさんは、学級の様子から、多文化共生の意識が日常に根付いていることを実感したと述べ、外国人児童が在籍することによる効果にも言及しました。
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社会教育主事実習報告
社会教育主事の実習先として帰国・外国人教育相談室で4日間の実習を行った学生が4グループに分かれて発表を行い、それぞれの視点から実習での学びを報告しました。
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シアター形式・三角形式・対面形式という3パターンの机の配置を比較し、発言のしやすさ、教師からの見えやすさ、安心感などへの影響を検討しました。特に、日本語教室に通う子どもにとって、顔が見え、対話しやすい配置が安心感と学習意欲を高めることが確認されました。
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同じ国出身の友だちや、英語・母語を交えたやりとりが、子どもにとって大きな安心感となり、日本語学習へのモチベーションにつながっていることが報告されました。日本語教室が「勉強の場」であると同時に、「居場所」として機能している点が強調されました。
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日常場面で使う日本語(生活言語)と、教科学習に必要な日本語(学習言語)の違いに注目し、教師が生活言語を足場にしながら、思考・判断・表現を伴う学習言語へとつなげている実践が紹介されました。問いかけや例え話を通じて、子どもが自分の言葉で意味をとらえ直す支援の重要性が示されました。
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教師の笑顔や声かけ、教材の柔軟な切り替え、生徒一人一人の理解度に応じた個別最適な学びの実践が、安心して発言できる雰囲気と学習意欲の向上につながることが報告されました。教師側のコミュニケーション力と、生徒側の主体的な参加の双方が「良い授業」を形づくるというまとめがなされました。
最後に、帰国・外国人教育相談室室長の坂本尚子先生が講評し、外国ルーツの子どもたちが自ら望んで日本に来ているわけではないこと、その子どもたちにとって「生活言語の土台の上に学習言語が積み上がる」というプロセスを理解し、安心できる環境づくりを行うことの大切さが改めて確認されました。また、同相談室教育相談員の宮本正彦先生はそれぞれの発表について、学生の視点の鋭さと実践の意義についてコメントし、これらの学びを今後に生かしてほしいと結びました。
