2025.12.17

世田谷区立若林小学校「地域安全マップ」づくりに協力

世田谷区立若林小学校3年生は「総合的な学習の時間」で、自分たちの地域の安全な場所と危険な場所を調べて「地域安全マップ」を作成し発信する学習を行い、その活動に、政経学部・石見豊教授および織田健志教授のゼミ生が協力しました。同小と本学は各種行事などを通じて連携・交流を深めており、昨年は同小6年生が取り組む「防災マップ」づくりにも協力しています。

まず10月31日に、世田谷区立若林小学校にて、児童との地域安全マップ作成に向け、「地域の安全・安心について考える」ワークショップ型授業が行われ、石見ゼミと織田ゼミの学生が参加しました。
3年1組、2組、3組の3クラスに分かれて、各自の教室で、5~6人の班ごとに「地域の安全な所はどこか、安全に役立つ物は何か、危険な所や物は何か」について話し合いました。学生たちも班に入って、子どもたちの発表について感想、意見を述べました。このようなブレーンストーミングを経て、「まち歩き」に臨みました。

各班に分かれて話し合う様子


11月14日に行われたまち歩きでは、石見ゼミと織田ゼミの3・4年生合わせて10人が児童らとともに学校周辺を歩き、危険箇所や安全に配慮された場所などを調査しました。小学生は、防犯カメラや「こども110番」の表示、カーブミラーやグリーンベルトなどを見つけると、タブレットで撮影したり地図に書き込むなどしながら情報を収集しました。大学生は、調査の視点をアドバイスするとともに、歩行中の安全管理に気を配りながら学習をサポートしました。

参加した学生は「小学生と触れ合う機会が少ないので新鮮だった」「住民の迷惑にならないように配慮しながら引率した。普段歩き慣れた通学路であっても、視点を変えることで発見があったという声を聞き、学習の成果が感じられた」と振り返りました。

まち歩きの様子
安全に配慮しながら小学生のサポート

12月5日には、まち歩きをもとに作成した地図の発表が行われました。小学生は5、6人の班に分かれて発表側と聞き手側でローテーションしながら一人一人が発表を行い、大学生は1~2人が各班の発表を聞く形で行われました。まち歩きで撮った写真や色のシールを地図の上に貼り、安全な場所・危険な場所について感じたことを発表しました。発表の後、よかった点や悪かった点が話し合われ、小学生から危険な場所として多く上がったのが、「カーブミラーがある場所」、「かくかくした道」、「狭い道」、また危険な行為として「踏切をギリギリで渡ること」などがあげられました。大学生からは「地図上の危険個所を示す赤いシールとその場所の写真が一緒になっているところが想像しやすくてよい」「『これからは気を付けたい』といった、今後のことを考えた発表が良かった」、改善する点として「危険な場所はなぜ危険なのかが伝えられるともっと良い」、また発表の仕方として、「伝える相手の方向を見て発表するとより伝わる」などの意見が述べられました。

各班に分かれて発表
発表の様子
地域安全マップ
質問をする石見教授(中央)
石見ゼミと織田ゼミの学生ら

石見教授は、「学生は、ワークショップ・まち歩き、そして作成した地図の発表と、回を重ねるごとに小学生との交流に慣れ、発表内容をしっかりと聞き取り、的確な意見や質問を投げかけられるようになり成長を実感した。また、普段接点のない小学生と大学生という異なる世代が交流することの意義は大きく、このような世代間交流を通して、双方にとって学びと成長の機会が生まれることを期待する」と述べました。