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2025.09.24

スポーツ医科学科で消防施設見学を行いました

体育学部スポーツ医科学科では、必修科目として「救急用自動車合同実習」を開講しています。本実習は、実際の救急現場で消防機関が実施する救急活動を学生自身が体験し、救急活動の実態を正しく認識することで大学での学びをより実践的にすることを目的として行われています。その一環として、学生らは各消防施設見学をし、救急救命士に必要な知識の習得に励んでいます。

9月4日 実科査閲予行見学

同学科の3年生約160人が9月4日、東京・渋谷区にある東京消防庁消防学校で実科査閲予行を見学しました。実科査閲とは、4月に入校した新人消防職員が半年間訓練した成果を消防学校長が確認する行事で、通常点検、消防活動訓練、救急実技などが実施されます。今回学生らが見学したのは前日リハーサルで、翌日の本番には家族や関係者が招待され訓練の成果を見守る予定です。

今回の見学にあたり、担当教員の緒方毅准教授は「国士舘大学を卒業した多くの先輩たちが夢を実現するために頑張っている。救急用自動車同乗実習とともに消防職員としてどう成長していくのか、救急救命士としてどう社会に貢献していくのか学びを深めてほしい」と述べました。見学後、学生からは「将来の自分を想像しながら見学した。2年後、あの場で立派な姿を見せられるよう、これからもっと気を引き締めて頑張りたい」「なかなか見ることのできない実科査閲を見ることができて、とても貴重な体験ができた」など、見学開始前に比べ多くの学生が引き締まった表情をしていました。

また実科査閲予行終了後には、今年3月に本学を卒業した消防学生が教員のもとに一回り大きくなった姿で訪れ、卒業生と教員が満面の笑みで語らう姿がみられました。

実科査閲予行の様子
真剣なまなざしで見学する学生ら
指導する緒方准教授
本学卒業生と笑顔で再会

9月17日 東京消防庁第九方面消防救助機動部隊見学

9月17日には、スポーツ医科学科の3年生ら約160人が東京都八王子市の東京消防庁第九消防方面本部消防救助機動部隊隊舎を訪れ、第九方面消防救助機動部隊を見学しました。本部隊は、八王子市、青梅市、日野市、福生市および羽村市、多摩市、あきる野市、町田市の各市、西多摩郡に属する各町村を対象に消防業務を担当する消防本部で、第9方面の地域特性である広域林野火災や土砂崩落災害等の大規模災害に対応することを主な目的として、平成25年に発隊しました。震災等による建物や土砂崩れなどの大規模災害に対応し、消火・救助・救急活動が同時に行える部隊で、卓越した技能・能力を持つ隊員や大型重機などの特殊車両や各種資機材等を有する国内屈指の部隊です。本部隊は、都内を機動的に出場するとともに、令和6年能登半島地震にも派遣されるなど、全国の大規模災害現場でも活躍しています。

今回の見学では、活動実績や構成を紹介するVTRから部隊への知識を深めるとともに、災害時に使用する資機材や多くの特殊車両を見学し、ハイパーレスキューへのイメージを膨らませました。特殊車両の中には、日本初となる土砂吸引や火山噴火の降灰対応を目的とする「工作車(強力吸引車)」、「救急救助車(道路啓開型)」なども紹介され、学生らは普段見る機会の少ない貴重な車両や資機材に目を輝かせました。

学生からは「隊員のお話から災害時の対応の過酷さを感じたが『被災した方々を考えるといくらでも頑張れる』という言葉はとても参考になった」「資機材の豊富さはもちろんのこと、それらを扱う技術力の高さに驚いた」「ハイパーレスキューならではの魅力を感じることができた」といった感想が聞かれたほか、「東京消防庁のハイパーレスキュー隊として活躍することが夢」「東京消防庁の救急隊として、ひとりでも多くの方の命を救える人材になりたい」と将来の夢が述べられ、一連の視察を通して将来へのイメージをより明確にしている様子がうかがえました。

見学後には、内田元高准教授より、第九方面消防救助機動部隊隊訓である「志」に触れながら「『士』は国"士"舘、救急救命"士"、消防"士"の『士』として通じるものがある。それらの土台には、大切な『心』があることを忘れないで、各自の目標に向かって努力を継続してほしい」とエールが送られました。

なお、当日は竹内栄一客員教授引率のもと、消防士を志望する法学部学生4人も参加し、将来への視野を広げました。

資機材見学
積極的に質問する学生ら
特殊車両を見学
指導にあたる本学教員ら(左から、竹内客員教授、緒方准教授、内田准教授、内山博孝実習助手主任、石黒裕治実習助手)