21世紀アジア学部3年の歌田慶上さんは、大学2年修了と同時に1年間休学して留学しました。3年次に復学した今、歌田さんはどんな変化を遂げたのでしょうか。21世紀アジア学部だからこそできたこと、そして歌田さんの「これから」についてインタビューしました。(2024年5月29日取材)
箱根駅伝を目指して
小学生の頃から中学3年生までサッカーをしていた歌田さんでしたが、高校では陸上部の先生から声がかかり、陸上部で3年間を過ごしました。「小さいころからサッカーで目標に向かって頑張っていましたが、高校の陸上部では今までとは違う手ごたえがありました。記録がどんどん伸びて、自分が成長していると実感でき、楽しくて陸上に夢中になった3年間でした」と歌田さんは振り返ります。
大学進学の時期になり、陸上部の先生が国士舘大学の陸上部を勧めてくれた「ご縁」もあり、国士舘大学へ進学、そして陸上部に入部しました。それからの歌田さんは各種大会、そして箱根駅伝という明確な目標のために走り続けました。
選手からマネージャーに転向
目標に向かって毎日走り続けていた歌田さんに転機が訪れます。大学2年のはじめ、怪我をしてマネージャーに転向することになったのです。選手だったときは自分のタイムと向き合い、明確な結果を出すことに集中していましたが、マネージャーになってからは選手、そしてチームを支えることが日常となりました。
選手よりも早くグラウンドに行き準備し、選手が帰ったあと最後まで片付け。「マネージャーなど多くの人たちに支えられて自分は選手でいられたんだと、マネージャーになって初めて気づくことがたくさんありました」と、今まで気付かなかった景色を噛みしめながらチームのために奔走し、大きな目標である箱根駅伝を終えました。
大学2年の冬のことでした。
大きな目標であった箱根駅伝を終えて、「この先、自分はこのまま社会に出て一体何ができるんだろう、と将来のことを考えた時、もっと自分なりの目標がほかにもあるんじゃないか。自分のこれまでの価値観が通用しない環境で、どれくらい通用するのか試したい」という想いが沸き上がり、陸上部の退部を決意。
そして、21世紀アジア学部の先生方に漠然とした留学への想いを相談するうちに、「君は短期留学より1年間休学して思いっきり語学漬けになった方が良い」とアドバイスをもらいました。「目標が決まれば、あとはそれに向かうだけ!」と、歌田さんは持ち前の行動力で学校選びやワーキングホリデーの申し込みについてなど、先生方から具体的な進む道を指し示してもらいながら着々と次のステージへと歩みを進めていきました。
まずは3カ月フィリピンの語学学校へ
休学、そして留学を決めた歌田さんは、まず自分の今の語学力を知るべくTOEICを受検。650点という結果に愕然とします。「結果を見て正直焦りました。このまま留学したら大変なことになると思い渡航までの間必死に勉強しました」と、当時を振り返ります。
そして、4月~7月にフィリピン(バギオ)の語学学校で英語の基礎的なところから徹底的に勉強し、文字通り「英語漬け」の日々を送りました。「フィリピンの語学学校では、1対1で自分に合ったレベルのレッスンをみっちり受けることができるので、語学に自信がない人にもオススメです!」と、自分がどのレベルにいるのかを把握しながら日々勉強した歌田さん。平日は10~12時間勉強し、それ以外にも英語を使う機会を増やそうと、学校に併設されたカフェでアルバイトもしました。
オーストラリアで語学学校、そしてワーキングホリデー
その後、8月にオーストラリアに渡り、1カ月語学学校に通ったのち、ワーキングホリデーを活用し、翌3月までウェイターとして働きながら語学力を鍛えていきました。歌田さんが語学力を鍛えるために活用した方法の一つが、語学交流会情報をシェアするアプリでした。「オーストラリアでは、毎日交流会に参加していました。留学の目的は、ちゃんとした英語を話せるようになることだったので、積極的にイベントなどに参加して交友関係を広げていきました」と、英語力を身に付けながら楽しむことも忘れない歌田さんでした。
しかし、旅には事件がつきもので、歌田さんにも試練が訪れます。ある日、銀行口座を覗くと残金がマイナスに!あわてて銀行に行って事情を話すと、「インターネットから口座にアクセスされて、アメリカのレジャー施設で全額使われている」と行員に告げられます。
歌田さんは「青ざめましたが、自分が使っていないことをちゃんと説明し、それが認められて全額戻ってきました。この時も、自分のわかり得る英語を駆使し一人でトラブルを解決したので、良い経験になったし、自信にもつながりました」と、笑顔で振り返ります。
オーストラリアでの生活の感想を聞くと「オーストラリアで出会った仲間、多くの人との出会いは間違いなく海外留学での最高の思い出です。特に台湾人の友人と仲良くなり、彼とはどこに行くにも一緒で、帰国した今でも頻繁に電話します。また、まったく違った価値観を持った人たちと交流することで、多くの発見や得るものがあり、多くのポジティブな思考を自分に落とし込むことができました」と回顧しました。
3年生で復学、そして今後は・・・
そして3年生として復学した歌田さんに自身の変化を聞いてみると「授業がとても楽しくなりました。能動的に授業に参加し、内容を体系的に把握できるようになりました」と留学効果を教えてくれました。また、「21世紀アジア学部のお陰で、主体的に新たなことへと踏み出せるようになり、積極的になりました」とも語りました。
今後については「先日TOEICで910点取れたので、英語はひとまずここで区切りをつけようかと思います。次は第三言語として中国語を習得しようと勉強中です。親友の母国である台湾に留学し、学部で学んだ台湾の歴史についても知識を深められたらいいなと思っています」と新たな目標を掲げました。
受験生にメッセージ
最後、受験生にメッセージをお願いすると、「私はどんなことでも将来から逆算することにしています。将来の目標があると、今何をすべきか明確になりますし、そこに向かって進んでいる時、すごく楽しくワクワクします。自分が入学前に想像していた大学生活とは異なった『今』になっていますが、予定調和ではない変化を楽しんで、目標に向かって邁進しています。この学部は、まだ特に将来やりたいことが決まっていない人にも多くの興味をかき立てるカリキュラムや留学制度があるのでお勧めです!」と心強いアドバイスをもらいました。