西村研究室(都市デザイン研究室)
テーマ:豊かな暮らしを支える公共空間と地域のあり方をデザインする
広場や街路をはじめとする都市の公共空間は、人々の暮らしや活動を支える重要な役割を担っています。地域交流の促進やまちの賑わい創出が全国的に課題とされる中、公共空間の再生を通じた地域づくりが求められています。また、成熟社会を迎えた今、歴史的建造物や地域固有の文化・伝統、自然環境をはじめとする地域資源を活かしながら、地域が誇れる魅力的なまちを実現することが求められています。都市デザイン研究室では、以上のような問題意識の下に、都市を調査・分析(スタディ)、計画・設計(デザイン)、運営・管理(マネジメント)する方法を学びます。
まちの賑わいを創出する広場のマネジメント(札幌市北3条広場)
地域資源を活かした魅力的なまちのデザイン(越前大野の街並み)
人々が交流する都市の顔となる広場のデザイン(うめきた広場)
安全で快適な人間本位の街路のデザイン(松山ロープウェイ通り)
週1回のゼミの様子
年1回の研究室旅行の様子
公共空間のスタディ・デザイン・マネジメント
研究テーマや研究室の活動
主な研究テーマ1:公共空間や土木施設の計画・設計
学内の演習課題(公共空間デザイン演習)や学外の設計コンペ(学生コンペ、自治体主催のコンペ等)に参加し、実際のまちや都市を対象にまちづくりや公共空間、土木施設の計画・設計提案を行っています。対象地の調査・分析や参考事例のレビューなどを通じて、与えられた課題をデザインで解決する提案能力を磨くとともに、デザインに必要とされる模型制作のスキルやCAD・Illustrator・Photoshop・SketchUpといったソフトの使い方を身に付けます。
公共空間デザイン演習における設計提案の発表
土木デザイン設計コンペ「景観開花2018」の応募作品
SketchUpを用いた道路デザインのパース
主な研究テーマ2:まちの特徴やアクティビティの調査・分析
学内の演習課題(まちづくりフィールド演習)やゼミ、教員の関わる調査業務の補助などを通じて、まちの特徴や都市空間の使われ方に関する調査・分析を行なっています。都市空間をデザインする上で、いつ・どこで・誰が・どのような行動を・なぜ行なっているのか、アクティビティを把握することが重要となります。観察調査や動画撮影を行い、広場や街路を舞台に繰り広げられる人間行動をデータ化し、グラフや図面で可視化する技術を身に付けます。
キャンパス内の公共空間におけるアクティビティの観察調査
まちづくりフィールド演習における地域住民に対するヒアリング
松陰神社通りにおける滞留行動調査のデータ整理
松陰神社通りにおける歩行者行動調査のデータ整理
主な研究テーマ3:まちづくりの計画・進め方
まちづくりの現場では、利害の異なる多様な関係者間の合意形成、法制度上の様々な制約、継続的なまちづくりのための人材・財源確保など、様々な課題と向き合いながら、デザイン・マネジメントに取り組むことが求められます。身近な地域のまちづくりや先進的な取組事例を参照しながら、公共空間の再生や歴史まちづくりを進める上での課題を理解するとともに、関係者へのヒアリングなどを通じてまちづくりの現場で培われたアイデアやノウハウを習得します。
横浜市都市デザイン室における都市デザインの取り組みについての説明
東本願寺・渉成園における庭園管理・景観保全の取り組みについての説明
研究室旅行・まち歩き・現場見学・学外交流など
先進的なまちづくりの取り組み事例や優れた公共空間・土木施設のデザインに触れるため、2泊3日の研究室旅行を実施しています。また、都内近郊でまち歩きや現場見学を企画し、デザイン・マネジメントの現場に触れる機会を設けています。研究についても、研究発表会や学内外の合同ゼミ、国際ワークショップなどに随時参加し、学外との交流を深めながら、各自興味のある研究テーマについて関心・知識を深めています。さらに、学生の希望に応じて、自治体のまちづくり・建設部局や建設コンサルタント会社のデザイン部署、設計事務所でのインターンやアルバイトに参加してもらい、現場での経験を積みながら、より実践的なデザイン・マネジメントのスキルを磨いています。
2018年度ゼミ旅行における高山市三町伝統的建造物群保存地区の視察
韓国・慶北大学との合同ワークショップにおける成果発表
都市デザイン研究室HP(外部サイト):http://humanscape.main.jp