学部長挨拶(文学部・仁藤智子)
生きづらい時代にこそ「人生のメソッド」を学ぼう
戦争、紛争、クーデター、社会格差やさまざまな差別、災害、自然・環境破壊、新型コロナウイルスの脅威…。私たちが生きるこの時代は「生きづらさ」に満ちているように思えます。しかし、これらの脅威は、人類の英知、人間愛をもって克服していかなければならない課題でもあります。歴史を紐解いてみれば、人類は幾度となく困難、苦難、耐えがたい試練を乗り越えてきました。そして同時に、多くの犠牲、血をもって築き上げられた平和や安泰が永遠に続くものではないことも知っています。それでも、私たちは生まれる時代や生まれる境遇を選ぶことはできません。そこで生きていかなければならないのです。
このような生きづらい時代に、より高度な技術(スキル)を希求することは当然のことです。社会人として求められる技術の獲得こそが高等教育の一つの目標でもあります。しかし、技術だけでいいのでしょうか。誤った技術の使用は、取り返しのつかない人類の惨事を引き起こしかねないのです。
ここで、人文学の手法(メソッド)が求められてきます。問題をどのようにとらえ、検証し、克服していくのか、思索や思考を重ねて、あるべき方向性へ導いていける力こそ、今求められるものではないでしょうか。文学部での学びは知的営為として、より深遠な思考とより柔軟な実践のための手法をあなたに提示します。教育・歴史・地理・文学・哲学など専門性の高い学問を学ぶことを通して、人に寄り添い、社会を支えていく手法をみなさん一人一人が体得していくことができるはずです。この手法は、日進月歩で更新される技術とは異なり、あなたの「人生のメソッド」として育まれることになるでしょう。国士館大学文学部で、学生一人一人が与えられた時代を生き抜いていける「人生のメソッド」を学んでいくことを切に願っています。
プロフィール

仁藤 智子 にとう・さとこ <専門分野>
歴史学・日本古代史
- 1990年
- お茶の水女子大学大学院人文科学研究科史学専攻 修了
- 1993年
- お茶の水女子大学大学院人間文化研究科比較文化学専攻 単位修得退学
- 1993年
- お茶の水女子大学大学院人間文化研究科 助手
- 1995年
- 日本学術振興会特別研究員(PD・東京大学)
- 1999年
- お茶の水女子大学より博士(人文科学)を授与
- 2014年
- 国士舘大学文学部・同大学院人文科学研究科 准教授
- 2019年
- 国士舘大学文学部・同大学院人文科学研究科 教授
- 2018年~2020年
- 国士舘大学文学部 学生主任
- 2020年~2022年
- 国士館大学文学部史学地理学科考古・日本史学コース主任
- 2022年
- 国士舘大学文学部 学部長
- 歴史学研究会
- 木簡学会
- 日本史研究会
- 大阪歴史学会 ほか