2026.09.24

体育学部の佐藤雄哉講師が日本武道学会優秀論文賞を受賞

武道学科 講師 佐藤 雄哉

令和8年度日本武道学会第59回大会が9月9・10日、東北学院大学五橋キャンパスにて開催され、佐藤雄哉体育学部講師が「優秀論文賞」を受賞しました。

日本武道学会優秀論文賞は、武道に関する学術研究の発展・向上および奨励を目的とする表彰制度で、本学会大会で口頭発表され、原著論文として『武道学研究』に掲載された論文が対象となります。

佐藤講師は、17論文が対象となる中で、栄えある受賞となりました。

受賞論文

勝利時の感情表出の是非をめぐる「問いの構造」の再定位:柔道における勝者と敗者の間柄についての倫理学的考察

論文の概要

本研究の目的は、柔道における勝利時の感情表出の是非を巡る「問いの構造」を再定位することである。従来、武道における勝利時の感情表出、いわゆる「ガッツポーズ」は否定的に語られてきたが、「ガッツポーズをされたことで救われた」という敗者の語りも存在する。本研究では、こうした希少な経験を捨象せず、和辻哲郎の倫理学における「人間の問い」の枠組みを用いて検討した。その結果、感情表出の抑制が自明の規範として固定化されている状況を批判し、その是非は一義的に固定されるものではなく、具体的な共同態の中で多様に揺れ動くものであることを明らかにした。

佐藤講師のコメント

共著者の髙橋徹先生をはじめ、ご指導・ご協力をいただいた皆様に、深く感謝申し上げます。
立論の契機でもある「ガッツポーズをされたことで救われた」という敗者の語りは、実は私の実体験です。インターハイの団体決勝で負けたあの時、世代のスーパースターだった選手のガッツポーズが「私を敵として認めた証」として捉えられました。言い換えると、私はあのガッツポーズに救われたのです。
時を経て研究の世界に進んだのですが、武道学においてガッツポーズを肯定する論調なんてどこにもない。ではあの時の私の感情は、どこの誰が認めてくれるのだろうか。そんな自分ごとの問題意識から始まった研究です。​師の​井上誠治先生(本学名誉教授)から、院生の時にいただいた「君の経験が根拠だ」という言葉を理解し始めた最近です。今後も"自分ごとの研究”に取り組んでいきたいと思います。

受賞式で賞状を受け取る佐藤講師(左)
受賞式で笑顔の佐藤講師(右)
共著者の髙橋徹氏と(岡山大学講師、平成25年大学院スポーツ・システム研究科修了)