News
2026.07.31

第6回FD・SDシンポジウムを開催しました

教育・研究

本学FD・IR委員会および職員研修委員会が共催する第6回FD・SDシンポジウムが7月25日に世田谷キャンパス34号館B301教室とZoomによるハイブリッド形式で開催され、教職員173人(対面41人、オンライン132人)が参加しました。
本シンポジウムはFD・IR委員会と職員研修委員会の合同企画として毎年実施しており、今回は「学生の成長を支える『フィードバック』のあり方―スポーツコーチングに学ぶ『個』への応答と、大人数授業における『集団』へのアプローチ―」をテーマに、多くの教職員が参加しました。

開会にあたり田原淳子学長は、職員採用面接において複数の候補者が、本学で職員から声を掛けてもらったことがうれしく、同じように学生を支え続けていきたいと語ったエピソードを紹介し、言葉は人を元気づける力となると強調しました。また、近年の学生調査において学生が自らの学びに対する具体的で丁寧な応答を求めていることが明らかになったことに触れ、本シンポジウムが日々の教育活動や学生対応を見直す重要な契機となることへの期待が述べられました。

第1部では、体育学部の古田仁志学部長が「スポーツコーチングのフィードバック―教える指導から引き出す支援へ―」と題して講演を行いました。古田学部長は、指導には科学的な分析(サイエンス)と、個々の選手と接する技術(アート)の両輪が必要であると指摘しました。特に、成長には「知る・やってみる・わかる・繰り返す・できる」という5つの階段を正しく登ることが不可欠であり、指導者は学生が「わかる(腑に落ちる)」瞬間を大切にし、自発的な成長を引き出す仕組みを作るべきであると語りました。また、フィードバックは単なる評価の伝達ではなく、本人が「どうなりたいか」という目標と、現状のギャップを埋めるためのサポートであるべきだと解説しました。

続く第2部では、文学部の郡司菜津美准教授が「大人数授業の悩みを持ち寄ろう―学生が『先生は私を見てくれている』と感じるフィードバックの工夫―」をテーマに講演しました。郡司准教授は、教職員が抱える「時間不足」などの悩みと、学生側の「もっと見てほしい」という不満の齟齬に焦点を当てました。解決策として、単に満足させることよりも、まずは「不満がない状態(納得)」を目指すべきであるという視点を提示しました。実際に郡司准教授が行っている例として、授業開始前の「感想紹介」や、机間指導における「一言がけ」、manabaの掲示板活用などが紹介されました。また、教職員を「アイドル」に例え、目を見て声をかけるといった些細な関わりが、学生に「自分を見てくれている」という安心感を与えるとアドバイスしました。

その後の質疑応答とパネルディスカッションでは、会場やオンラインの参加者を交えて活発な議論が交わされました。現代の「褒めて伸ばす」指導への転換に対する戸惑いや甘やかしへの懸念についての質問に対しては、学生との信頼関係を前提に、成長を促すための適切な「負荷」を与えることの重要性が改めて示されました。また、キャンパス内でのマナー向上といった共通課題についても、参加者同士で具体的な方法を検討するワークショップが行われました。

総評では大野敦司職員研修委員長が、学園全体の方針である「学生満足度100%」を目指し、今回の学びを今後の業務に生かしていきたいと決意を述べました。最後に辰野文理FD・IR委員長より、学生の視点に立って教育の質をさらに高めていくことの重要性が再確認され、盛況のうちに閉会しました。

古田学部長
郡司准教授
教職員や学部を超えて議論された
パネルディスカッションでは多くの質疑応答による議論がされた