Kokushikan Magazines Feature

マネージャーの叫び~アメリカンフットボール部~

法学部現代ビジネス法学科3年 鬼嶋りおん

1部BIG8に所属するアメリカンフットボール部。64人の部員を支えているのが、マネージャーをはじめとするスタッフ陣です。
学生主体で動く現場は、想像以上に業務の幅が広く、責任も重い。高校時代から“支える側”としてチームに関わってきた鬼嶋さんに、大学でアメフト部のマネージャーを選んだ理由、日々の仕事、続けてきたからこそ見えてきたやりがい、そして今シーズンの目標を伺いました。

マネージャーの叫びとは…

本学には、選手が競技に集中できる環境を整えながら、チームを支え、自分自身も成長を重ねるマネージャーがいます。そんなマネージャーの「叫ばずにいられない」本音や舞台裏を、インタビュー形式でお届けします。

プロフィール

マネージャーの鬼嶋さん

鬼嶋 りおん(きじま りおん)

埼玉県出身
山村学園高等学校出身

中学ではバスケットボールと陸上を経験。高校では女子バスケットボール部のマネージャーとして、選手を支えるやりがいを知る。大学入学後、新歓で訪れたアメフト部の明るい雰囲気に惹かれて入部。現在は学生主体で動く現場で、マネージャーリーダーとしてチーム運営を担っている。チームの目標はTOP8入り。

マネージャーとしての原点と役割

ー高校では、バスケ部のマネージャーだったんですね。大学でも続けようと思った理由は?

高校の時、マネージャーという存在を大事にしてくれる環境だったことが印象に残っていました。大学でも何かしらスポーツに関わって、今度は違う競技でやってみたいと思ったので、マネージャーをやることに決めました。

ーアメリカンフットボール部と出会ったきっかけは何ですか?

大学入学後、新歓期間に友人と一緒にアメフト部へ足を運んだのが最初のきっかけでした。高校では女子バスケ部のマネージャーをしていたこともあり、大学でも“支える側”としてスポーツに関わりたい気持ちがありました。バスケ部も見学したものの、アメフト部の「明るく迎えてくれた雰囲気」と「チームの空気感」が自分に合っていて、入部を決めました。

インタビューを受ける鬼嶋さん

ー高校時代との違いはありますか?

高校は顧問の先生の支えがありましたが、大学は基本的に学生主体です。
業務の設計や役割分担、シフト作成まで、自分たちで考えて動かないといけない。学部もキャンパスもバラバラなので、授業予定を踏まえて調整するシフト作成は特に大変です。

ー入部後、特に力を入れたことは?

当時はスタッフが少なかったので、新歓は「スタッフを集めること」に力を入れました。学部ごとの動きを調べて、誰がいつ来るかを見ながらスケジュールを組んだりもしていました。今はスタッフが約20人まで増えて、マネージャーとトレーナーがほぼ半々の体制になっています。

日々の活動は「記録」と「環境づくり」

試合中の鬼嶋さん

ー主な活動内容は何ですか?

練習中はビデオ撮影が中心です。自分たちの動きを振り返って改善するための材料を残します。試合や合同練習ではやることが一気に増えて、ベンチ周りの運営や飲み物の管理など、選手が競技に集中できる環境づくりが重要になります。
また、私は「記録」も担当していて、怪我の状況など出場可否をトレーナーに確認しながら整理し、試合が滞りなく進むよう管理しています。

ー選手と意見がぶつかることは?

ほとんどないです。基本は選手ファーストなので。
スタッフ同士や選手同士でいざこざが起きることもありますが、私は基本的に介入しないようにしています。どうしても必要なときは話を聞きますが、解決は当事者に任せたいと思っています。

試合中の鬼嶋さん

ー自身の強みは何だと思いますか?

周りを見ようと意識していることですかね。たとえばスタッフの表情がいつもと違う、雰囲気が沈んでいる、体調が悪そうに見える。そうした小さな変化を見逃さないように心がけています。また、後輩が言いたいことを我慢せずに言える空気づくりも大切にしています。

受け答えは終始やわらかく、こちらまで肩の力が抜けるような雰囲気がありました。大所帯を支える人の「温度感」が、そのまま表れているようでした。

先輩の引退試合が、覚悟を変えた

昨年の試合で活動する鬼嶋さん

ー印象に残っている試合はありますか?

関東大学アメリカンフットボール秋季リーグ戦(第7節)

昨年最後の試合ですね。
特にお世話になったマネージャーの先輩の引退試合だったこともあり、「これからは自分がやらなきゃ」という気持ちが一気に強まりました。身近に女性の先輩が多い環境ではなかったからこそ、その存在は大きかったです。

その先輩は、良い点も悪い点も包み隠さず伝えてくれる人で、時には厳しく指摘されることもあった一方で、その後に気にかけてくれるような温かさもありました。だからこそ信頼でき、今でも悩んだ時には連絡を取るほど、変わらず支えになっています。

ーやりがいを感じる瞬間は?

一番は、後輩スタッフの成長を目の前で感じられることです。できることが増え、チーム運営が回っていくほど、自分自身も助けられている実感があります。
中でも印象に残っているのは、試合後に他のマネージャーに負担の多い仕事への感謝を伝えた際、相手からとても丁寧な御礼メッセージが返ってきたことです。

ー辞めたくなったことはありますか?

あります。忙しさが重なって「やってられない」と思った時期もありました。 でも、辞めたら自分の中で「逃げた」って思ってしまうのが嫌で。途中で投げ出したくなくて、踏ん張りました。

この一言に、責任感だけでなく、鬼嶋さんの芯の強さを感じさせました。

ー忙しい中での就職活動は、大変ですよね?

部で説明会を開いていただく機会もあるのですが、スポンサーさんへの挨拶回りと被ってしまって、中々参加できないこともありました。

ー将来は、どんなことに挑戦したいですか?

今までずっと“裏方”で支える側のことをやってきたので、その経験を生かしつつ、次は自分が提案・企画する側にも回ってみたいと思ってます。普段の運営でも、シフト組んだり、試合の準備や運営に関わったりしているので、「どうしたらうまく回るか」とか「どう見せたら伝わるか」を考えることが多いんです。練習中のビデオも、ただ撮るだけじゃなくて「この画角でも撮れるけどどうする?」みたいに、確認したり提案したりしながら進めています。
支える仕事は好きで続けたいですが、その中でも“言われたことをやる”だけではなくて、「自分で考えて提案して、形にしていく仕事をやってみたい」っていうのがいま一番近い気持ちです。

TOP8、そして「記録に漏れのない運営」

アメリカンフットボール部集合写真

ー今シーズンの目標を教えてください

チームの目標はTOP8入りです。個人としては、試合中の記録に漏れがないようにすることと、試合全体を管理して滞りなく進めることです。
選手が集中できる環境を、今年もつくっていきたいです。

選手が集中できる環境を作る――その言葉の通り、彼女の仕事は“支える”を超えて、チームが前へ進むための土台そのものでした。64人を動かす現場で、今日も記録を取り、空気を整え、誰かの最高の一瞬を支えています。


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