Kokushikan Magazines Feature

アスリートの共鳴(駅伝・江上天晴×山中寿世夢×岡元快生×葛原城)

今年のスローガンは「0から上へ~100人で刻む箱根までの軌跡~」。3年ぶりの箱根駅伝出場を目指して走り続ける学生役職者の思いに迫ります

21世紀アジア学部21世紀アジア学科4年  江上 天晴
体育学部体育学科4年  山中 寿世夢
21世紀アジア学部21世紀アジア学科3年 岡元快生
体育学部体育学科4年  葛原 城

今回のアスリートの共鳴は、箱根駅伝出場を目指す陸上競技部(駅伝)の学生役職者(主将・副主将・主務)による対談です。
3年ぶりの箱根駅伝出場、その先に広がるさらなる高みを目指して走り続ける彼らの思いに迫ります。

アスリートの共鳴とは…

本学には学業とスポーツに打ち込み夢を追い続けるアスリートたちがいます。そのアスリートたちの「叫ばずにいられない」本音や裏側などを対談形式でお届けします。

話を聞いたアスリート
氏名 江上 天晴 山中 寿世夢 岡元快生 葛原城
役職 主将 副主将 副主将 主務
出身高等学校 兵庫県立
西脇工業高等学校
宮崎県
私立宮崎日大高等学校
静岡県
私立浜松開誠館高等学校
新潟県立
佐渡高等学校
左から葛原主務、江上主将、山中副主将、岡元副主将

0から上へ 始まった新チーム それぞれの思いを胸に

いよいよ今シーズンが始まりましたね。新チームから今までの取り組みはいかがでしょうか

江上主将 

今シーズンは、「0から上へ~100人で刻む箱根までの軌跡」というスローガンのもとで練習に励んでいます。このスローガンには、「箱根駅伝予選会のみならず、全日本大学駅伝予選会や関東インカレなど全てのレースを箱根駅伝につなげていく」という思いを込めました。現時点では、全日本大学駅伝予選会や関東インカレで満足いく走りはできておらず、悔しさもあります。しかし、走り込みという観点では4月から一人一人のベースが着実に上がってきています。

山中副主将

私は、年度初めからすぐに教育実習で不在にしている期間が長かったのですが、戻ってきたときに部の雰囲気が前と違っていることを感じました。江上が話した通り、チーム全体としてベースが上がってきているようと思います。

チーム江上がスタートした経緯を教えてください

江上主将 

例年、学生幹部を決めるところから新チームがスタートします。新4年生を中心にしつつ、部全体で向かうべき方向性を決めていきます。
私たちの代は、私と山中が主将候補となりました。下級生の意見も聞き、再度ミーティングを開きましたがそれでも意見はちょうど半分に割れていました。その中で、主務の葛原から「2人で決めたことなら自分たちはついていく」と言われ、2人で話し合って決めることになりました。
最終的に主将になった理由は、「山中は競技に集中して取り組む方が向いている」と感じたことです。山中は、ハーフマラソンでは部の日本人歴代最高記録をもち、昨年度は関東学連チームの一員として箱根駅伝を走った実力者です。「山中には競技に集中してもらい、チーム全体を見ることや主将としてのプレッシャーは自分が受ける」と覚悟を決め、主将に就任しました。

山中副主将

いま、江上から話した通りギリギリまで自分たちは悩みました。しかし、江上からその言葉をかけられて、「副主将として江上を支えることが自分の役目」だと思うことができました。そこからは、学生幹部全員が「主将の江上を支え、チーム全体を成長させる」という共通認識を持てていると思います。

強い意志を口にする江上主将
強い意志を口にする江上主将
昨年の予選会での江上選手
昨年の予選会での江上選手

それぞれの立場で心がけていることはありますか?

岡元副主将 

私は、3年生ながら副主将を務めさせていただいています。だからこそ、私の立場は、学年問わずチームを盛り上げられるための架け橋のような役割であると考えます。1・2年生から4年生まで幅広い層の選手と関わることを意識しており、下級生が上級生に対して抱きがちな「怖い」という意識をなくし、風通しをよくしたいと考えています。また、江上先輩からもよく言われますが、私自身が走りを通じてチームを盛り上げるムードメーカー的役割だと思っています。走ることや積極的なコミュニケーションでチームを盛り上げ、主将や副主将の先輩方を支えていきたいです。

山中副主将

私は、自身の「走り」や「競技に対する姿勢」でチームを引っ張っていきたいと考えています。先ほど主将の江上からもありましたが、チーム全体のまとめ役は江上が担ってくれています。だからこそ、私は圧倒的な競技力を身につけ、競技に向き合う姿勢や結果で示していくような副主将でありたいと思っています。言葉数は少なくても、「山中がこれだけ練習しているのなら俺たちももっと頑張らないといけない」。部員にそう思わせるような模範の選手となることが、結果としてチームを引っ張ることにつながると思います。もちろん、江上ともコミュニケーションを取りながら、彼を一番近い立場から支えていくことも大きな役割だと感じています。

江上主将 

私は、チームの責任を引き受ける立場だと考えています。私自身メンタル面に自信があるので、さまざまなプレッシャーは自分が引き受け、副主将の山中をはじめ、選手が個々の走りに集中できるよう導いていきたいです。そのためには、チームを冷静に分析することはもちろん、一人一人とコミュニケーションを積極的にとるよう心がけています。主将だからといって威圧的になるのではなく、部員たちと一緒に努力していくことでチームの結束力を高めたいと思っています。また、私自身もAチームではムードメーカーの役割を担っていると思います。よい雰囲気で練習できるよう、副主将の岡元選手とともに盛り上げていけるよう練習に取り組んでいます。

主務の葛原さんはいかがでしょうか

葛原主務 

私は、元々選手として入部しましたが、2年生からマネージャーに転向しました。当初は悔しい思いが強かったですが、小川監督から「選手じゃなくても箱根駅伝を走る道はある」と言われたことで覚悟が決まりました。日々の活動では、痒い所に手が届く主務でいたいと思っています。選手への声掛けや給水のタイミング、練習メニューなど元選手だからこそできることを意識して取り組んでいます。

葛原主務
練習中の葛原主務(左)。積極的に指導者・学生とコミュニケーションを取る

愚直に距離を走るー今年の取り組み

今年から新コーチが2人就任しました。その変化はいかがでしょうか

江上主将 

遠藤コーチは学生時代から非常に優れた実績を持っており、その豊富な経験に基づいた指導をしてくださっています。とくに、駅伝・長距離競技に対する考え方やリーダーシップの点は学びになることばかりです。遠藤コーチの就任により、選手一人一人の意識が向上しています。
また、福田コーチは、私たち選手に近しい視点で接してくださっています。何より自分たちと共に走り、細部にわたるまでアドバイスを下さることで練習の量・質共にクオリティが上がってきていると実感しています。両コーチの就任は、主将としてとてもありがたいと思っています。

山中副主将

とくに、福田コーチはグローバルに活躍されているコーチなので、海外トップ選手の練習法などを直接教えてくださりとても勉強になります。また、私は昨年けがをしてしまったのですが、福田コーチ自身のけがの経験を含めさまざまなアドバイスをしてくださいました。私たち選手からも相談しやすく、とても助かっています。距離を走るメニューはとてもきついですが、チームにとって必要なことだと感じています。

やはり、少しずつ距離を走る習慣が根付いてきたのでしょうか?

山中副主将

はい、4月以降は走り込みによって個々のベースを底上げする取り組みが行われており、月間の走る距離はだいぶ増えている状況です。昨年より練習のクオリティがより上がっていると実感していますし、少しずつではありますが距離を走ることに慣れてきています。何より、選手一人一人から「距離を踏まないといけない」という共通認識が芽生えました。

山中選手
山中選手
箱根駅伝に関東学連チームとして出走した山中選手
箱根駅伝に関東学連チームとして出走した山中選手

3年生の岡元選手、主務の葛原さんからみていかがでしょうか

岡元副主将

距離を走ることはもちろん、縦割り班が効果的になってきているように感じます。縦割り班では、上級生から下級生までチームを組むのですがそこで積極的に話ができるようになってきた実感があります。また、各縦割り班のミーティングでもリーダー陣がしっかりと意見交換できるようになっており、学年関係なく切磋琢磨できています。

岡元選手
岡元選手
岡元選手
昨年の予選会での岡元選手

葛原主務

選手たちが話すように、距離が増えるというのはここ一番の変化だと感じています。今年のチームは、昨年の予選会を走ったメンバーがほとんど残っており、選手個々からも「自分がこのチームを勝たせるんだ」という強い意志を感じられるようになりました。私自身も主務という立場ではありますが、その覚悟は日々持って選手を支えています。

それぞれの強みを生かしながら 大所帯のチームの中心へ

それぞれのストロングポイントを教えてください

岡元副主将

強いメンタリティです。私は、1年生のころから試合に出場させていただいており、多くの強豪選手と競い合ってきました。その中で、どんなに強い選手に対しても挑戦者の気持ちで挑むメンタリティが養われました。失敗もたくさんしましたが、失敗こそ成長のきっかけだとプラスに捉え、自分より強い相手に対しても向かっていく。何より挑戦して自分の目標を越えていく強い気持ちが自分の持ち味であると思っています。

山中副主将

絶対に強くなるという強い意志です。自分の実力を考えたときに、ポテンシャルはそこまで高くないほうだと感じています。だからこそ、トップ選手に追いつくためには、「心の部分では絶対に誰にも負けない気持ちをもつこと」が大事だと思っています。自分自身が結果を出すことで、多くの選手に勇気や頑張るきっかけを与えられるような選手になりたいと強く思っています。その気持ちこそ自分のストロングポイントであり、競技に向き合う上で大切にしている心構えです。

葛原主務

選手目線で考える選手ファーストのサポートです。先ほどもお伝えした通り、私自身が元選手であるので、「選手時代にこうしてほしかった」という思いをもって活動できることが一番の強みです。練習中のボードの配置など、本当に細かなことまで気を配り、選手がストレスなく練習できる環境を整えることを心がけています。

江上主将 

大舞台への強さ分析力です。中学校時代から、全国大会などに出場してきましたが、どんな大舞台でも、「自分はこれだけ練習をしてきたからいける」と自信をもって臨むことができるのは強みです。もちろん、その気持ちになるためには練習量と準備が大切ですが、スタートラインに立ったときに自分がやってきたことを信じられることは大切だと思います。また、自分が結果を出せなかったときにその原因を見つける分析力もストロングポイントの一つです。レースやタイムの結果には、コンディションやフォーム、ペース配分など必ず原因があります。その原因を自分なりに考察できるからこそ、一つ一つの結果に対してよい意味で開き直れることができています。もちろん、主将として選手たちにもこれを伝えていくように心がけています。

箱根路復活へ 夏合宿を乗り越えた先にある成長を信じて

目指しているチーム像を教えてください

山中副主将

全員が「戦う意識」を持つチームです。部員数は多いですが、AチームやBチーム、選手やマネジャーなど関係なく全員が同じ方向を向いていることが大切です。同じ意識をもつことで、チーム全員に自然と戦う意識が芽生えていくと思います。

岡元副主将

私も、先輩方と同じで個々が積極的に行動できることがチームを強くすると考えています。

葛原主務 

共に戦うチームです。これだけの集団ですので、タイムなど選手個々の目標は異なるかもしれません。しかし、チーム全員が向いている同じ方向を向いて努力をすれば、チームは必ず強くなります。全員が共に戦っていけるチームが理想ですね。

江上主将 

自主性があり、オンとオフの切り替えができるチームです。練習をやらされるのではなく、選手個々が自ら考えて練習に取り組んでいくことで勝負どころで戦っていけるチームになると思っています。とくに、これから迎える夏合宿では、ポイント練習などの前に「絶対に負けられない」、「絶対についていく」という強い意志を感じます。自分はそのようなピリピリした集中感は勝負するうえでとても大切だと思います。ただ、練習が終われば、学年の隔たりなく全員が仲良くする。そんなメリハリがあり、勝負どころではチーム全員が勝負しにいくマインドでいられるチームが理想です。

最後に応援してくださる方々にメッセージをお願いします!

江上主将 

昨年度の箱根駅伝予選会の結果や、今年度のこれまでの試合結果から国士舘は目立つ結果を残せていません。しかし、だからこそ私たちにはその下馬評を覆すチャンスがあると思っています。夏合宿等でチームの結束力を高め、予選会突破を目指して努力していきます。これからも、温かいご声援をよろしくお願いいたします!

インタビュー中から見受けられたのは、箱根駅伝を目指すチームの中心となる強い覚悟と気持ち。
次回のアスリートの叫び~特別編~では、そんな選手らの知られざる一面に迫ります。ご期待ください!

2026年7月14日 取材


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