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2026.06.29

政経学会講演会「VUCA時代に輝くために」を開催 卒業生スタートアップ創業者が得た学びを共有

6月4日、政経学会講演会「VUCA時代に輝くために」が、34号館B304教室で開催され、政経学部の教員と学生約160人が参加しました。

VUCA(ブーカ)とは】
「変動性(Volatility)」「不確実性(Uncertainty)」「複雑性(Complexity)」「曖昧性(Ambiguity)」の頭文字を並べた言葉です。かつてのように先の見通せる時代と違い、「数年後の産業構造ですら予測が難しい現代」を表します。

講師には株式会社アジラの創業者・木村大介氏をお招きし、スタートアップ創業の道のりや起業に必要な心構え、変化の激しい現代を生き抜くためのポイントについてお話しいただきました。木村氏は2015年にAI(特にディープラーニング)を用いた警備システムを手掛ける同社を設立し、現在は取締役ファウンダーとして一歩引いた立場で運営を支えています。

はじめに、政経学会会長の川島耕司教授が登壇し、本学政経学部の卒業生であり、2年前の講演から現在に至るまで目覚ましい飛躍を遂げている木村氏を学生がもっと知るべき誇れる先輩として紹介しました。

講演では、本学政経学部二部在学中に、先輩から譲り受けたパソコンに魅せられて、昼はIT企業で業務委託をしつつ学び、就職氷河期に入社した会社での過酷な開発や、初の起業で失敗したエピソードなどにふれました。その後、複数の大企業で約8年かけて財務・法務の知識と人脈を蓄積し、ディープラーニングが台頭し始めた2015年に絶好のタイミングを捉えてアジラを創業した経緯を説明しました。

次に木村氏は、混同されがちな「SMB(中小企業・ベンチャー)」と「スタートアップ」について、前者が成熟市場で自己資金や銀行融資を活用して「持続的イノベーション」を目指すのに対し、後者は未開拓の領域で「破壊的イノベーション」を追求する点が異なると説明しました。

また、古代ギリシャ神話の「チャンスの神様(カイロス)には前髪しかない」という通説を引用し、絶好の機会を逃さないためには、「日頃から一次情報を自ら取りに行く」「メディアを鵜呑みにしない」「判断を先延ばしせず瞬時にアクセルを踏める準備を整える」ことが、VUCA時代を「変える側」として生き抜く鍵だと説きました。

講演の締めくくりとして、「VUCA」と呼ばれる不透明な現代社会をどう生きるかについて、
 ・文系・理系の枠に囚われず必要な能力を自ら身につけること
 ・メディアを鵜呑みにせず一次情報を自分の手と目で掴むこと
 ・若いうちに早めに失敗を経験しておくこと
の3点を強調し、次世代を担う後輩たちへ力強いエールを送りました。

質疑応答では、仕事に没頭し家庭との時間が十分に取れなかった時期があったと明かしたことについて、学生から「成功のための必要経費と納得しているのか、後悔はないのか」と問われると、「家族へは挑戦前に、10年間という期限と計画について説明し理解を得ていたので後悔はありません」と答え、大きな挑戦には事前に周囲の理解を得るコミュニケーションが欠かせないと述べました。

最後に助川成也教授が、「実体験に基づく話は、学生のみならず教員にとっても極めて刺激的であり、自らの人生の舵を切るための大きな指針となった」と木村さんに謝辞を述べ講演会は終了しました。

講師の木村氏
講演会の様子