7月7日、世田谷キャンパス5号館において文学部日本文学・文化コースの特別講義「文化をつなぎ、創造する―源川流舞踊の歩み―」が開催されました。本講義は文学部倉持長子准教授の講義「日本芸能史」で行われ、講師として源川瑠々子氏を招き伝統芸能や日本古典・近代文学から深い学びを得つつ、日本文化を創造し続けている現場について第一線で活躍する演者の声を聞き、自らも体験することを目的として企画され、多くの学生が参加しました。
はじめに、源川氏の経歴と活動内容が紹介されました。源川氏は2003年、夏目漱石の「こころ」を原作としたミュージカル「静」でデビューし、以降、日本を代表するミュージカル評論家によって命名された「ひとり文芸ミュージカル」という独自のジャンルを確立されました。講義では、昨年本学でも上演された「紫式部 雲隠れ」など、多彩な作品が紹介されました。
続いて、七夕にちなみ、島崎藤村の詩を題材とした舞踊作品「天の河」の映像鑑賞が行われました。源川氏は、舞いながら歌うという源川流舞踊の大きな特徴について解説されました。また、自身の活動を支える専門家集団「省心会」についても触れ、さまざまな分野の専門家との交流が、自身の表現に深みと奥行きを与えていることを強調されました。
講義の後半では、学生を対象としたワークショップが実施されました。 まず、精神を整えるための呼吸法の指導が行われ、身体のエネルギーバランスを整える体験をしました。次に、夏の季節に欠かせない扇子の所作について、女性らしい美しい持ち方やあおぎ方、閉じ方といった日常でも活用できる礼儀作法を学びました。 さらに、10月に横須賀市で上演予定の新作ミュージカル「おりょうさん」の劇中歌「されば弥生か寿か」に合わせ、学生全員で舞踊を体験しました。歌いながら踊ることの難しさと楽しさを肌で感じ、一つ一つの振り付けに込められた意味についても理解を深めました。
参加した学生からは、作品の世界観が広がる豊かな感想が寄せられ、伝統を重んじつつ新しい文化を創造し、次世代へとつなげていく源川氏の姿勢に、大きな刺激を受ける機会となりました。
最後に、源川氏は自身の学生時代の経験を振り返りながら、「自分の居場所を見つけることの大切さ」や、「日本文学や文化を学ぶことは、単なる知識の習得ではなく、言葉遣いや立ち居振る舞いを通じて『人間形成』に深く関わるものである」と話しました。これから社会へ羽ばたく学生たちへの温かいエールが送られ、盛況のうちに終了しました。




