応急処置


- すり傷とは?
- 転んだり、皮膚がこすれてできた傷。傷の表面は面積が広く、ギザギザしていて化膿しやすい。
- 切り傷とは?
- ナイフなどでスパッと切った傷。深い傷で出血や痛みが強い。神経や腱を傷つけることもある。
自分でできる応急処置
- 傷口を水道水でよく洗いましょう。(石鹸などは使用しない)
- 出血がある時は止血します。清潔なガーゼなどで傷の上から強く圧迫し、できれば心臓より高くする。軽い出血なら2~3分で止まります。
- 必要時、消毒液で消毒をします。
- 傷を乾かさないようにします。

絆創膏での密閉は難しい為、軟膏で傷を覆い、できるだけ潤った清潔な環境をつくる方法を紹介します。
薬局で売っている傷薬やワセリンを塗り、ガーゼやラップで傷を保護します。
切り傷の場合は皮膚を寄せるようにして絆創膏を貼ると傷がつきやすいです。
簡単にできる方法として薬局などで買える商品もありますので種類や使用方法を確認して選択してください。
こんな事があったらすぐ外科へ受診しましょう
- 出血量が多くなかなか止まらない傷や面積が大きな傷
- 土や鉄さびがついてしまった傷(三種混合の予防接種を受けていない方は要注意)
- 泥などで激しく汚れ、自分では洗い流せない傷
- じわじわと出血がとまらない/周囲が赤く腫れ、熱をもっている/濁った黄色い液、緑色の液がでてくる/変なにおいがする/痒みや痛みが強い/微熱や発熱がある
破傷風について
破傷風は土の中にいる破傷風菌が傷口に入って起こる病気です。 破傷風菌の出す毒素によって命にかかわる病気です。防ぐには、ワクチンを接種し免疫をつけるしか方法はありません。


- 打撲とは?
- いわゆる打ち身のことです。スポーツなどではよくあります。皮下組織が損傷するため、皮下出血などをおこし青黒くなります。
- 捻挫とは?
- 関節を支える靱帯が、不自然な動きで損傷を受けた状態。足首や手首など、ひねった時におこります。
- 症状
- どちらも痛み・腫れ・皮下出血・関節が動かせないなどの症状が起こります。
自分でできる応急処置
- 患部の安静を保ちます。
- ビニール袋に氷を入れ、患部をよく冷やしましょう。目安は15分程。(このとき、冷やしすぎには注意すること)
- 横になる等して患部を、できれば、心臓より高く挙げておきます。
こんな事があったらすぐ外科へ受診しましょう
- 感覚がない、しびれを感じる
- 腫れや皮下出血・痛みがひどい→骨折や脱臼の可能性もあります
- 1週間経過しても症状がよくならない
早期の受診や正しい治療が、その後を大きく左右します。スポーツ選手は特に注意が必要です。自己判断せず、整形外科受診をおすすめします。


自分でできる応急処置
- 針がのこっていたらピンセットなどで取り除きます。
- 傷口を流水で洗い流し、毒を絞り出します。
[注意]口で毒を吸い出すのはやめて下さい - 刺された周囲をよく冷やしましょう。
- 虫さされの軟膏をぬっておきましょう。(抗ヒスタミン剤など)
※大丈夫だと思っても、念のため皮膚科受診をおすすめします。腫れのひどい時、いつもとちがう全身症状のある時は必ず受診しましょう。
緊急事態
刺されてから数分の間に、吐き気・呼吸が苦しい・じんましん・全身のしびれ・血圧低下などの症状が起こったら、アナフィラキシーショックの心配があります!(2回目に刺されたら要注意!!)生命の危険があるため、10分~15分の間に救急車で病院へ!


以下のような症状の時は、すぐに脳神経外科や救急病院へ
- 頭痛がだんだんひどくなる
- 吐き気や嘔吐がある
- 意識がだんだんはっきりしなくなる。つじつまの合わない事を言う
- 痙攣(けいれん)や手足の麻痺が現れてくる
- 鼻や耳から透き通った水のようなものが出てくる
- 状態がどんどん悪くなっている


- 熱中症とは?
- 熱中症とは、暑さの中で起こる障害の総称です。「熱けいれん」、「熱疲労」、「熱射病」などに分けられます。
こんな時・こんな人・こんな場合は要注意!
- 高温・多湿、気温の上昇が急激な日
- 肥満傾向の人、体力の低い人、体調不良(睡眠不足)の人、暑さに慣れていない人
- ランニングやダッシュを繰り返し行った時
熱中症を予防しよう
熱中症は死に至ることもある危険な状態ですが、知識があれば確実に予防できます。さらに、適切な応急処置を施すことで命を救うこともできます。
予防の基本
- 環境条件に応じて運動しよう
- こまめに水分を補給しよう
- 暑さに体を慣らそう
- できるだけ薄着にし、直射日光は帽子で避けよう
以上のポイントをふまえて行動し、体調が悪くなったらすぐに運動を中止し、適切な対処をしましょう。
応急処置フローチャート
熱中症の応急処置

参照:独立行政法人日本スポーツ振興センターHP


自分でできる応急処置
- 座った姿勢で顔はやや下向きにしましょう。
(顔を上向きにすると、血がのどに流れてせきこんだり、飲みこんで気持ちが悪くなります) - 親指と人差し指で鼻翼(びよく)俗に言う小鼻(こばな)を強くつまみ、左右から5~10分間圧迫しましょう。冷やしながら行うと効果的です。
- 出血が止まっても、鼻を強くかんだり、鼻をいじるなどして粘膜を刺激しないようにしましょう。
こんな時はどうする?
- のどに血がまわる時
飲みこまないで口の外に出しましょう。ビニール袋などを使用し血液で周囲を汚さないこと。 頭を高くして、顔を横向きにしましょう。
こんなことがあったら耳鼻科を受診しましょう
- 10分間圧迫処置をしても血が止まらない場合


自分でできる応急処置
- 高温のものに触れた場合はただちに水道水を流しながら、洗面器などにやけど部分をつけて冷やしましょう。(氷を入れるともっとよい)(すぐに冷水処置ができない時は、ビニールに入れた氷やアイスノンなどで代用しましょう!)
こんな時はどうする?
- 近くに水道がない
手近にあるコップの水や冷たいお茶をかけてから水道まで移動しましょう。 - 服の上からやけどした
脱がずに、衣服の上からそのまま冷やしましょう。
こんな事があったら清潔なガーゼやタオルをあてて、
皮膚科を受診しましょう
- 赤みや痛みが強い場合
- 水ぶくれがある場合
- 水ぶくれが破れてかさぶたになり化膿する場合
深さや治る過程で感染することによって治る時間や傷跡に違いがでます。


- AED(自動体外式除細動器)ってなに!?
- 心臓が細かくブルブル震えて血液を全身に送り出すことができない状態(心室細動)を起こした時、心臓に電気ショックを与えて拍動を正常に戻す装置。電源を入れれば音声メッセージで手順を指示してくれます。
- 救命処置はなぜ大切か?
- 突然、心肺停止状態の人に出会ったとき、救急車が到着するまでの間に心肺蘇生法を1秒でも早く使用できれば、命が助かる可能性は高くなります。もしもの時のために、救命処置の方法を身につけておきましょう。
私たちができる救命処置
- 二次的な事故防止の為、周囲の状況を観察し安全を確保する。
- 倒れている人を見かけたら耳の近くで「もしもし」「大丈夫ですか」などと呼びかけたり、肩や頬を軽くたたいたりして意識があるか確認します。
- 意識がない場合は、呼吸をしているか確認します。
- 呼吸のない時は、大声で周りの人に協力をもとめ、救急車の要請とAEDを持ってきてもらうことを頼みましょう。
- 心肺蘇生法やAEDを用いた除細動を行いましょう。
具体的な救命処置の方法
救急車の呼び方
- 局番なしで119へ電話を。
- 「火事ですか、救急ですか」と質問されますので、はっきりと「救急」と答えます。
- いつ、どこで、だれ(と誰)が、どうしたか、どんな状態なのかを落ち着いてはっきりと手短に伝えます。
- 自分の名前、住所、電話番号を正確に伝えます。(近所の目標物も伝えてください)
- 救急車の到着までどうしたらよいかを確認し、実施します。
救急車を呼ぶか迷ったら
救急車は、けがや急病などで緊急に病院に搬送しなければならない傷病者のためのものです。緊急性がなく自分で病院に行ける場合は、救急車以外の交通機関等を利用しましょう。救急車の適正使用を心がけましょう。
受診・応急手当に関するアドバイス
電話番号
多摩地区:042-521-2323042-521-2323
23区:03-3212-232303-3212-2323
#7119(携帯電話・PHS・プッシュ回線)


救急箱にそろえたい中身
体温計、風邪薬、鎮痛解熱剤、消毒薬、湿布、虫さされ用軟膏、絆創膏、爪切り、 薬剤のアレルギーを確認し薬剤師に相談の上、購入をお勧めします。アレルギー反応は個々に異なりますので自分の薬をひとにあげるのはやめましょう。


使用目的
片側の足を負傷し、痛みや患部の安静を保つ為に歩行することが困難になった際に補助具として使用。正しい使用方法を覚えることにより患部の安静が保持でき、地面についてしまうなどの危険や転倒を防止することができます。
正しい松葉杖の合わせ方(全体の長さの目安は身長-41cm)
- 脇の下と松葉杖の間に指が2~3本入るように高さを調節します。この隙間がないと、神経を圧迫して神経障害を起こすので注意。
- 杖をつく位置を足の先端から前方15cm外側15cmにあわせる。
- 手で握るグリップの位置は大転子にあわせる。(大転子とは腰骨を触り下に手をずらしていくとある突起)

松葉杖の長さ調節の仕方
松葉杖の下方にある図のようなボタンを押しながら足の部分を少し回して、引いたり押し込んだりする。

体重をかけない歩行の仕方
- 両側の松葉杖と、ケガをしていない足にて片足でまっすぐに立つ。
- 両方の松葉杖を前方に同時に出す。(出し過ぎると滑るので注意)
- 前方に出した松葉杖に体重を移行していき、ケガをしていない足を一歩前に出すようにする。
- 歩幅は松葉杖より、やや前方に出るくらいがよい。ケガをしている足は床につかないようにする。

松葉杖を1本で使う場合の注意点
「松葉杖は痛めてない足の側で使う」が正しい使い方です。



- 急性アルコール中毒とは?
- 短時間に多量のお酒を摂取することにより脳幹が麻痺し、呼吸や心臓が停止します。お酒に強い体質でも血中のアルコール濃度によっては急性アルコール中毒を起こします。
もしも急性アルコール中毒かなと思ったら
「意識を失うほど泥酔している」「呼びかけても起きない」場合は救急車を呼ぶ。
救急車到着までは顔と体を横向きにして寝かせ、吐物がのどに詰まらないようにする。
アルコールとのつきあい方 ~お酒とうまくつきあいましょう!~
- 20歳を過ぎた大学生が自己責任で飲酒をするのは構いませんが、未成年の後輩に飲酒を強要するのは絶対にやめましょう。
- 成人していてもアルコールを飲めない人もたくさんいます。お酒を飲むような会合の席にはアルコール以外の飲み物も準備しましょう。
- 忘年会・新年会の季節は特に注意しましょう。12月に20歳代男性の急性アルコール中毒の救急車の搬送が一番多く(東京消防庁)、お酒の飲み方次第で命取りになりかねません。未成年の飲酒は法律で禁止されています。