理工学部

3月11日～13日にかけて芝浦工業大学（豊洲キャンパス）にて対面およびオンラインのハイブリッド形式で開催された「第207回ヒューマンコンピュータインタラクション（HCI）研究会」において、本学理工学部電子情報学系4年の鏡味ほのかさん (指導教員：中村嘉志教授) が学生奨励賞を受賞しました。

鏡味さんの研究テーマは「顔の表情推定によるピアニスト独自の演奏表現抽出のための提案」。ピアニストの感情を映像で読み取り「表情推定」として数値化し分類。そこから得た演奏者の感情変化と、作曲者の曲に込めた思いである楽譜記載の「発想標語」、その両者を比較して差異を分析しました。分析の結果、ピアニストは楽譜の発送標語に従いつつも、それぞれ独自の感情を加えて演奏表現の調整を行い、より心に響く音楽を奏でていることが示されているという研究内容が評価され、今回の受賞となりました。

受賞までの道程は1年前へと遡ります。まず卒業研究として、この研究課題にたどり着くまで鏡味さんと中村教授は約2カ月議論を重ねました。そして研究課題が決まった6月初旬から研究と向き合う毎日が続き、今年1月中旬の卒業研究の提出、さらにHCI研究会の発表に向けて提出論文と発表スライドを最後までブラッシュアップし続け発表当日を迎え、見事受賞となりました。

また、HCI研究会に提出した論文は、その内容がITmedia NEWSのライターの目にも留まりWebニュース記事になりました。（末尾の外部リンク参照）

今回の受賞をうけ、鏡味さんは「とてもありがたく、光栄に思います。受賞できたのは先生がいてくださったからだと思っています。研究は大学院に進んでも続けるつもりです」と述べました。また、指導教員の中村教授は「情報工学の分野は他の分野に比べて論文が書きにくいと言われており、大学院生が主に学会・研究発表会に参加している。そんな中、学部生が発表し、さらに受賞という結果となり、いい意味で爪痕を残してくれた。このように研究を形にしてくれて感謝する」と、受賞をたたえました。