
大澤 英雄おおさわ・ひでお
国士舘は1917(大正6)年に私塾「國士館」として創立し、1958年に国士舘大学を創設して以来、皆様からの厚いご支援により、大学7学部・10研究科および中学校、高等学校を擁する総合学園として発展してまいりました。
「国を思い、世のため、人のために尽くせる人材『国士』の養成」を旨とし、創立から100年を経て、表現方法は時代と共に変化を遂げてまいりましたが、その根底にあるのは「他への献身」という考え方です。これは、真心を持って人に尽くすことであり、創立者の柴田德次郎先生が深い愛情をもって教えを説く姿から、当時学生であった私自身が学んだことであります。本学が教育理念とする「誠意・勤労・見識・気魄」の四徳目を掲げ、人材育成の要諦とした創立の趣旨を、現代のニーズに合わせて伝えていくことが、継承する私たちの使命であると考えます。創立者が掲げた理念は、今も脈々と受け継がれており、その一例として2012年に設置した防災・救急救助総合研究所を中心に、地域社会に貢献する防災拠点大学としての機能をさらに強化しています。
本年は、新型コロナウイルス感染拡大という未曾有の事態が社会に莫大な影響を及ぼしています。本学園としても学生・生徒の健康と安全を第一に、感染拡大防止に関する社会的使命を果たすとともに、学生・生徒の学ぶ意欲と権利、機会を保障し、真摯に応えていくことが学校法人の責務と考えます。コロナ禍の収束も含め先行きの不透明さは否めませんが、第二次中長期事業計画を着実に遂行し、教育の質と経営の安定を図ってまいる所存です。
また、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が2021年に延期されました。本学はこれまで専門部署の設置や学生ボランティアの募集などさまざまな取り組みを実施し、機運醸成を図ってまいりました。学生・生徒には各種活動を通じた体験・知見に触れる絶好の機会にしてほしいと願っています。
本学園は2027年の創立110周年を見据え、さらなる発展を遂げるための将来構想を掲げた記念事業募金を開始するとともに、本年には国士舘楓の杜キャンパスの竣工を予定するなど、更なる教育・研究環境の整備に着手しております。今後も社会に求められる学園であり続けるため、新たな歴史の創造に向けて邁進してまいります。
略歴
1936年北海道生まれ
1960年国士舘大学体育学部卒業
1960年本学に入職、1981年体育学部教授、1992年から2001年まで同学部学部長、2003年から2006年まで国士舘大学学長
2006年本学名誉教授、学校法人国士舘常任理事、2008年学校法人国士舘副理事長を務め、2009年4月学校法人国士舘理事長に就任
1992年から2004年まで財団法人日本サッカー協会理事・特任理事、1998年から2004年まで全日本大学サッカー連盟理事長、2004年から2006年まで全国体育系大学・学長学部長会会長、2008年全日本大学サッカー連盟顧問、2014年一般財団法人関東大学サッカー連盟会長、2015年からNPO法人日本サッカー指導者協会理事長
2009年から全国体育スポーツ系大学協議会理事、2012年から日本私立大学協会理事
2015年から公益財団法人私立大学退職金財団監事
2019年旭日中綬章受章