News

2026.03.23

法学研究科30周年記念講演会を開催しました

その他

法学研究科30周年記念講演会を3月19日、世田谷キャンパス34号館B205教室で開催しました。

法学研究科は、社会経済環境の複雑化・情報化・国際化に対応して、民間企業・法曹界・官公庁などで法的業務に従事する高度職業人を養成することを目的に1995年に修士課程を設置。さらに専門的な法理論の教育・研究および法的業務に従事する高度職業人の養成を継続して担うことによって完結することができるものと考え、1999年に博士課程を設置しました。

本講演会の講師には、台湾最高法院(裁判所)判事の邱璿如氏を招き、「台湾における慣習・文化とジェンダー平等ー近年の違憲判決を中心としてー」と題し講演が行われました。

講師の邱璿如氏
会場の様子

はじめに台湾における憲法裁判を例に、文化や伝統を尊重しつつ、現代社会が求めるジェンダー平等をいかに実現するかが議論されました。台湾には、多文化・多民族社会としての歴史的背景を有し、憲法および法制度は多様性の保護に積極的な役割を果たしてきました。一方で、伝統の中には性別や血統による不平等が存在する場合もあり、それが基本的な人権や平等権とどのように調和させるかが重要な課題であることが示されました。

また、邱氏は国際人権基準に基づいたジェンダー平等の理念を台湾が積極的に取り入れている点を強調しました。具体的には、女子差別撤廃条約(CEDAW)の理念を国内法に反映し、性別の役割に関する固定的なステレオタイプの解消に取り組んでいる点が紹介されました。さらに、台湾が2019年にアジアで初めて同性婚を法制化した背景として、平等保障の発展と憲法解釈の積み重ねがあったことが述べられました。

続いて、台湾の税制の概要と日本の税制との比較が解説され、戸籍に基づき個人に一意の番号を付与する「国民身分証統一番号制度」についても紹介されました。同制度は、税務、社会保険、医療、金融取引、通信契約など幅広い分野で本人確認とデータ連携の基盤として用いられていることが、日本の制度との対比を交えて説明されました。

講演後の質疑応答では参加者から多くの質問が寄せられ、活発な意見交換のうちに講演会は閉会しました。

質疑応答の様子