法学部

本企画は、各学部のゼミ・研究室に所属する学生に執筆をお願いし、ゼミ・研究室の特徴や学習内容、日々学び実践していることなどを紹介しています。

私が所属している法律学科の吉開多一ゼミでは、元検事として実務経験のある吉開先生の指導の下、捜査から判決までの刑事司法手続の流れを、実践的に学習しています。

２年次春期は公共に奉仕する警察官の仕事の本質について理解を深めるため、東日本大震災での警察官の活動をまとめた資料やビデオを用いて研究します。秋期には、法科大学院向けの事件記録教材を用いて、捜査から起訴までの手続の適法性を確保するために警察官として留意すべき点などを考え、複数の班に別れてディスカッションと発表を行います。教科書だけでは学べない実践的な知識を１年にわたり学ぶことができました。

さらに３年次には同じ事件記録教材を用いて、模擬法廷室において模擬裁判を行いました。私は裁判官グループで模擬裁判に参加しましたが、捜査機関側からの視点に加えて裁判官の視点からも刑事司法手続に触れることができました。

私たちは９期生になりますが、吉開ゼミ出身で警察官・警察行政職員になったＯＢ・ＯＧは30人を超えていると聞いています。現ゼミ生にも多くの警察官志望者がいますが、ゼミ外でも積極的に警察の業務説明会に足を運んだり、警察主催のボランティア活動に参加するなど、将来を見据えて主体的に活動している仲間が多く、いつも刺激をもらっています。

コロナ禍で思うように活動できない時期もありましたが、他大学を見てもここまで実践的な学習ができるゼミは珍しく、警察官を目指す学生にとっては最高の環境だと思います。

＜国士舘大学新聞 2022年7月25日発行号に掲載＞