お知らせ

その他のお知らせ

戻る

2024年04月10日

【祝ご入学】令和6年度(2024年4月)新入生の皆様へ佐藤圭一学長から新入生の皆さんへのメッセージ

令和6年度入学式

式辞

 

国士舘大学 学長 佐藤 圭一

 

 

 

 国士舘大学に入学された皆さん、ご入学おめでとうございます。桜の開花が進むこの良き日に、学部生3,099名、大学院生132名、総勢 3,231名の多くの皆さんを国士舘大生としてお迎えしましたこと、誠に嬉しく存じます。また、この晴れの日のために、惜しみないご支援を捧げてこられたご家族・関係者の方々には、国士舘大学教職員を代表して、衷心より御礼を申し上げます。

 本日、入学された皆さんの多くは、中学3年と高校1・2年の3年間を新型コロナウイルス感染拡大への警戒という過酷な環境の中での学校生活を送られました。始めは戸惑いもあったに違いないオンライン授業、密集を回避するため学校行事の多くが制約を受けながらも、皆さんは学び抜かれ、卒業という大きな目的を達せられました。

 そして、今日この日、4月1日からは、いよいよ最高学府でのスタートが切られました。心から祝福するとともに、皆さんが、国士舘大学で学生生活を送られることの重要性、併せて、たった4年間という短い大学生活とはいえ、この「4年間の国士舘大学での学び」が、皆さんのこれからの人生、皆さんの未来をも決するほど重要であることについて、先ずはお話しを始めたいと思います。

 最初に、皆さんのご入学に併せて、国士舘大学では今日4月1日から「全学共通教育科目」を開講させます。その理由について述べます。今、わが国では「課題解決型人材の養成」が急務とされています。何故でしょうか。その理由として私たちが生きる地球、そして世界情勢の激変が挙げられます。気候変動、貧困格差、日ごとに悪化する安全保障環境等々。これまでは、傍観者を決め込んでいた時代は過ぎ去り、事によっては私達の生命をも脅かしかねない危険かつ予測不可能な時代が到来しています。既存の答えが当てにならない混迷と危険な時代を迎えているのです。「全学共通教育科目」開講の目的は、皆さんに“積極的に課題解決を図れる優れた人材”になっていただくことにあります。そのために「理系・文系の垣根」を超えて考え、判断する幅広い知識と深い洞察力、そして現実を的確に理解し自分とは異なる考えにも耳を傾けながら直面する問題への答えを導き出す寛容力、自律的に答えを見つける能力ある人間、つまりは世界にも通じる教養人なることを目指します。

 一つのたとえをしてみます。世界の人々をも魅了する名峰・富士山。富士山は日本一、いや世界一美しい山ともいわれています。なぜ美しいのでしょうか、それは富士山の形でしょうか?。山脈とは異なる単独峰であるからでしょうか。 色々あるでしょうが、私が思うには富士山は裾野が他の山を圧倒して日本一長く、でこぼこの少ないスッキリした、しかも左右対称の堂々とした風格がひと際、美しさを際立たせているのだと考えます。実は、歴史に名を残す偉人達も同じです。広い裾野は、幅広い教養と知識を意味します。狭い裾野では日本一の高さを保つことはできせん。狭い裾野、つまり知識が狭いと、人間としても安定しません、人を導くリーダーになることはできません。

 「全学共通教育科目」とは、「専門科目」と並行して、いいえ、専門科目を活かすためにも必要不可欠なものです。そのために必須な5つの科目群、①人間と社会について考える科目群、②サイエンスと情報について考える科目群、③スポーツ・健康・芸術について考える科目群、④グローバル社会に対応した外国語を学ぶ科目群、⑤コア科目つまり国士舘教育の真髄でもある「国士舘を学ぶ」から、構成されています。皆さんは、「全学共通教育科目」を、「専門科目」と並行して1年生から4年生までを通して修学し、文系・理系、そして専門分野の垣根を越えて、広く学ぶことの意義と面白さを修得してください。さらには学生時代に留まらず、生涯学び続ける意義、予測不可能な状況下にあっても、裾野の広い教養力によって、自分の力で最良の答えを導き出す人間になっていただきたいのです。

 次に、皆さんが入学された国士舘大学についてお話ししたいと思います。国士舘は私学です。私学にとっての生命線は「建学の精神」そして「教育理念」を身につけた多くの人材を世に輩出して国民の信頼と負託に応えることです。国士舘は教育理念である「誠意・勤労・見識・気魄」を涵養して、建学の精神である「国を思い、世のため、人のために尽くせる公徳心溢れる有為な人材を養成する」ことを責務として、これまで18万人を超える多くの先輩方を世に送り出してきました。国士舘は今年創立107年目を迎えておりますが、このことを愚直に守り続けてきたのです。

 そのことを裏付けるものとして、国士舘という名称があります。ご存知のように、日本の大学名は地理的由来、並んで元号に由来して大学名としているのがほとんどです。しかし、国士舘は他の大学とは異なります。大学の理念・ビジョンを大学名とした珍しい大学です。国士舘とは“国士養成”の大学です。国士とは何か、それが本学の建学の精神にある「国を思い、世のため、人のために尽くせる人材」です。国士になるためには何が必要か。それが教育理念である「誠意・勤労・見識・気魄」です。それを簡略化して申し上げます。誠意とは真心のこと、勤労とは真面目に生きること、見識とは、物事の善悪を見抜くことです。そして気魄とは、誠意・勤労・見識に裏打ちされて、決めたことを最後まで遣り抜く強い心を意味します。この崇高な教育理念を自分のものにするには何をすべきか。それが、国士舘の教育指針である「読書・体験・反省・思索」を日々繰り返すことです。

 この“国士舘の理念”に多くの著名人が賛意を示し、支えてくださっているのです。その一人に、今年7月にから新一万円札の顔となる“渋沢栄一”がおりました。渋沢氏は今から102年前の1922年(大正11年)4月22日に国士舘にお越しになり、本学への思いを次のように語りました。

 「今日の教育は形式的に流れて、教育そのものの精神性に欠けており、智慧にのみ汲々としている。 結果、教育における精神の重要性と云う点においては全く地に堕ちている。教育界に国士舘が出現した事は自分らの念願が実現されたものである」と語っています。渋沢氏は本学園の維持委員に就任して長きに亘って国士舘を支えられました。渋沢氏が国士舘に賛同したのには訳がありました。実は、国士舘の「建学の精神」そして「教育理念」は、悠久の歴史を持つ日本にあって、古来日本人の心の奥底に脈々打つ「自分の欲望を抑え、他者を思い、社会を思い、感謝する公徳の心」そのものであるからです。 

 それがいかに貴重か。 この度の「能登半島地震」そして毎年繰り返される大規模自然災害でも示されましたが、非常時には暴動や略奪が多発する外国とは異なり、日本人は大災害にあっても、秩序を重んじ、自制し、他者を助け、助けて貰った方には、必ず「ありがとうございます」と感謝の言葉を返します。連綿と続く、そうした“日本人の公徳の心、そして日本の精神文化”に関心を寄せ、共鳴し、憧れて、世界各地から、年間数千万人の人々が日本を訪れていることは皆さんご承知の通りです。日本人の優れた精神文化を継承する国士舘大学での学生生活で、そのことをしっかりと学んでください。 身につけてください。そして世界に発信してください。

 そのためには、共に学び、喜怒哀楽を共有できる仲間を積極的に作ってください。本学教職員と親しく接してください。大学を、大学たらしめているゆえんは、大学とは留学生を含め、世界から、そして全国各地から多種多様な価値観や考え方を持ったさまざまな学生達が集まっていること。中には起業した学生、凄い資格を持った学生、世界を股に掛けて活躍する学生、日本一、世界一を目指し日々心身を修練する強者もおります。もちろん、博士号を取得し、また学術学会賞を受賞した教授陣・先生方、オリンピック・メダリストの教職員、スポーツ・武道を極めた達人など。多くの学者、世界的アスリート、功労者が大勢名を連ねています。大学とは、これまで皆さんが経験したことのない逸材の宝庫なのです。

 教授や先輩達に積極的に質問してみましょう。自分の考えを絶対視せず、物事にはいろいろな見方があること。他の視点から物事を考え新発見した時の高揚感を体験してみましょう。そのことが、予測不可能な今を、そして厳しさを増すであろう将来を生き抜く「課題解決型人材の養成」に直結するのです。先程、述べました国士舘大学での「4年間の大学での学び」が、皆さんの人生にとって極めて重要であることをお分りいただけたと思います。国士舘大学はそうした皆さんを支え続けます。

 また、皆さんの中には大学院、学部併せて132人の留学生がおります。留学生の皆さんへ一言申し上げます。皆さんは、母国やご家族から遠く離れて、言葉や文化・習慣の異なるこの日本で大学院生としてそして学部生として学生生活を送ることになります。困ったこと、悩んでいることがありましたら、どうぞ遠慮なく、教職員に、そして皆さんの担当部署である「国際交流センター」や「学部事務室」「学生厚生課」「寮務課」にお声掛けください。留学生をサポートするのは、国際交流を大切にする我々の責務です。

 最後に、今日入学式にご参集いただいたご家族、保護者の皆様にもお願いがあります。国士舘大学の4年間で、授業や課題に必死で取り組むことにより、お子様達は心身ともに、見違える程大きく成長します。しかしながら、全学的な指導体制を整えているとはいえ、途中離脱する学生が出てしまうことも事実です。折角、選んでいただいた国士舘大学です。彼らの夢実現のために、我々教職員と共に、緊密に連絡を取り合い、最後まで協力体制を整えて行きたいと思います。どうか、ご協力を賜りたく存じます。

 4年後あるいは2年後の3月20日、皆が満面の笑みで、互いの友情と健闘を称え合う「卒業の日」、その日を心から盛大にお祝いすることが、私たち国士舘大学・教職員一同の最大の願いです。大学生活がスタートしました。新入生の皆さんの前途を祝福致します。実り多い、悔いのない学生生活を送りましょう。

 以上をもって、私からの式辞とさせていただきます。ありがとうございました。

 

 

 

令和6年4月1日

パシフィコ横浜国立大ホールにて

お知らせ

国士舘大学の魅力ある教員・研究者を紹介します!

2024年04月16日更新

デジタル社会の「読み・書き・そろばん」にあたる「数理・データサイエンス・AI」の基礎などの必要な力を身に付けられるように、全学部で『AI・データサイエンス教育プログラム』を設けています。

国士舘のスポーツ情報オフィシャルサイトです。駅伝、野球、柔道といったクラブ紹介をはじめ、試合日程や結果など、最新の活動状況を随時配信しています。

国士舘大学は2017年に創立100周年を迎えました。創立100周年記念事業サイトでは事業の概要や国士舘のあゆみを紹介しています。

前へ
次へ
国士舘の魅力を紹介します。

ページの先頭へ