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2021年09月16日

【祝ご卒業】令和3年9月 卒業生・修了生の皆様へ 佐藤圭一学長から卒業生の皆さんへのメッセージ

国士舘大学卒業生としての誇りを胸に!

 

国士舘大学 学長 佐藤 圭一

 

 皆様、ご卒業おめでとうございます。

 本来ならば、関係者のご臨席を仰ぎ、研鑽を積まれて学士・修士の学位を取得された皆様を祝福するとともに、お互いの友情と健闘を讃え合う卒業式・修了式を挙行できないことは誠に残念でなりません。

 

 皆様の多くは、大学生活の約半分を、新型コロナウイルスの世界規模での蔓延(パンデミック)の渦中で送ることになりました。我が国でも感染拡大は、数度の「緊急事態宣言」が発令されるなど戦後最大級の危機とされ、また「3密」「クラスター感染」「テレワーク」「オンライン授業」…。関連した新語が続々と生まれ、予測不能な感染者数の急増、経済活動の長期停滞、教育機関の閉鎖等々により国民生活に甚大な被害を及ぼしています。本学でも、感染防止のため、昨年度の授業の多くをオンラインとしました。また、今年も感染防止策を講じたために学生生活には制約が課されましたが、異例づくめの中にあっても、皆様はその趣旨を良く理解され、見事に所定の単位を取得し、今日の佳き日を迎えました。心から敬意を表します。

 

 加えて、皆様は57年ぶりに開催された記念すべき「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」終了直後の卒業生・修了生となりました。このコロナ禍での開催の苦しみ、難しさは誰もが理解していましたが、開催国としての責任を果たすために万難を排して最後までやり通した信念と努力は未来永劫語り継がれるに違いありません。そして獲得したメダルの数以上に、また社会の閉塞感が振り払われるかのように、選手からは感動と勇気が与えられ、我われの心の琴線に触れる多くの名言が生まれた大会でもありました。一例を挙げましょう。「観る人の何か心が動かされる瞬間があれば光栄です!」(柔道・大野選手)。「(表彰台の真ん中で君が代を聴いて)目が見えない僕が唯一金メダルを取ったんだと認識できる時間でした。(涙を流すことに)もう我慢しなくていいんだ!」(パラ水泳・木村選手)。「競技者として失格かもしれないが(自分は木村選手の)ライバルであり、ファンでもある。自分が勝ちたいのと同時に、(木村選手には)本当に勝ってほしい!」(パラ水泳・富田選手)。「(満面の笑みで)周りの仲間達がいるから私は輝ける!」(パラ女子マラソン・道下選手)。

 

 これらは命を削るほどに努力を積み重ねた選手の言葉だからこそ、砂地に水がしみ込むように、私達の乾いた心を潤したのです。どの選手にも背景に素晴らしいドラマがあり、出場した時点で、すでに何かに打ち勝っていたのです。だからこそ、オリンピック・パラリンピック(=世紀の祭典)とは全力を尽くし大舞台に臨んだ全選手を讃える場所であることを再認識するのでした。

 

 更には、日本人選手のインタビュー等で、皆様が気づかれたことがあると思います。それは、メダリストはもちろん、メダルを逃した選手のほぼ全員が口を揃えて発した「感謝」という言葉です。そのことが、日本人選手の活躍をひときわ美しいものにし、我われの心を揺さ振り続ける要因ともなっていたのです。開催されたことへの感謝。これまで自分を支えてくれた家族に、スタッフに、一緒に戦った仲間たちに、応援してくれた人々への感謝。そればかりではありません。戦ったライバルたちに、国家に対しても感謝の言葉を捧げていました。個人の力量を優先し、栄冠を己の力だけにしがちな国柄とは一線を画しているのです。

 

 それは、スポーツの世界だけに限りません。古来、日本人が大切にしてきた、日本人を特徴づける価値意識なのです。活発化する地震活動と地震被害、毎年のように繰り返される洪水、土砂災害…。しかし日本では、海外で頻発する略奪や暴動も無く、たとえ絶望に瀕した被災者であってさえも救援に対する「ありがとうございます!」の感謝の言葉を忘れることはありません。このことに世界が絶賛し、羨望の目を向けているのです。オリンピック・パラリンピックでも外国人選手からは総じて“アリガトウ”が発せられ、それは真心を伝える手段として人々の心を和ませる国際共通語となった感があります。

 

 こうした日本人が連綿として受け継いできた価値意識を継承することを目的として、国士舘は104年前(大正6年)に創立されました。「誠意・勤労・見識・気魄」で表される建学の精神は、公徳心という言葉で置き換えることができます。それは「私欲を抑え、人のために、社会のために、そして日本のために、世界のためを思い行動すること」です。謙虚にそして感謝の気持ちを常に持ち続ける精神です。国士舘大学とはこうした世界が羨望する日本の価値意識である公徳心を育み、「国を思い、世のため、人のために尽くせる人材を養成し、社会へ輩出する」という使命を負っている大学であるということに今一度、誇りを持っていただきたいと思います。その精神は、今回のオリンピック・パラリンピックでもいかんなく発揮されました。開会直前まで混乱が続いた異例の大会にあっても、国士舘大生は大会ボランティア、MOMコラボレーター(会場医療事務責任者補助者)等を通じて最後まで支え続けました。その献身的活躍に対して、各方面から称賛の声が寄せられています。

 

 皆様と国士舘大学との“絆”は生涯に亘って続きます。大学を巣立った皆さんの活躍が「国士舘の評価」にも繋がります。我われ教職員は更なる国士舘大学の発展のため、全力で取り組んで行きます。どうか、皆様も国士舘大学卒業生として、建学の理念を身に付けた矜持を忘れることなく、保ち続けて下さい。そして本日、卒業する留学生の皆様も、日本人が大切にしてきた「感謝、他者を思いやる気持ち」、そして国士舘大学で学んできた「人のために尽くす公徳の心」をもって活躍されることを切に願います。

 

 最後に、学生に渾身の愛情を注いだ創立者・柴田德次郎先生の惜別の句を添えて、私から皆様へお祝いのメッセージとさせていただきます。ご卒業おめでとうございます!

 

 

 「学園生活は今日限りで、明日からはいよいよ実社会の人となる。どこでも国士舘の卒業生としての本分を堅持して、健康に留意し、『読書・体験・反省』を怠らず、…60年、80年、100年までも、生き抜いて、国家社会、世界・人類のために尽くして頂きたい。」    (昭和46(1971)年 卒業式より)

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