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2021年03月25日

【祝ご卒業】令和2年度(2021年3月)卒業生・修了生の皆様へ 大澤英雄理事長から卒業生の皆さんへのメッセージ

祝辞


学校法人国士舘 理事長 大澤 英雄

 

 

 皆さん、ご卒業おめでとうございます。学園を代表してお祝いの気持ちをお伝えしようと思います。
 皆さんは今、改めて大学生活を振り返っていることでしょう。皆さんが青春の一時期を過ごした国士舘で体験したことは、苦い思い出も含めて貴重な体験として、それぞれの人生に位置づけられるものと思います。今、私がこのように申し上げても現段階では、皆さんにはあまり思い当たらないかもしれません。しかし、数年後、皆さんが自らの半生を振り返った時に自由を謳歌し、良い師や友と出会い語り合えたこの時代が 人生の貴重な部分を占めていることに、きっと気付くことでしょう。
 まず、皆さんは大学に学ぶという貴重な体験を可能にして下さったご両親や支えて下さった方々に、本日を迎えるまでの支援や励ましに対する感謝の想いを申し上げなければなりません。

 

 この間に、多くの事を学び、体験されたことと思いますが、中でも皆さんが学びの集大成を迎えた令和2年度は、それまでの生活が一変したことと思います。世界中を巻き込んだ新型コロナウイルスの出現は、私たちがこれまで当たり前だと思うばかりに意識さえしてこなかった多くのことに気付き、感謝し、考え、工夫する日々をもたらしました。当然、皆さんの大学生生活もこれまで通りとはいかず、前期にはオンラインによる授業を主流とせざるを得ず、その後も対面とオンラインとの併用になりました。またクラブ・サークル活動をはじめとするキャンパスにおける友人や教員との交流にも大きな制限がありました。 そして経済的、精神的に苦しみ、辛い状況が続いている皆さんも多いと推察いたします。
 加えて、誠に残念ながら、本日、皆さんの旅立ちを祝うこの学位授与式に、ご家族をお迎えできなかったことが本当に悔やまれてなりません。この場をお借りして、卒業生を支えて来られたご家族の皆様にも心からお祝いを伝え、大切なお子様を本学に託して頂いたことに改めて御礼を申し上げます。未だ 終息の目途もたたず、困難な状況の中で、必死に頑張っている人の多いのも事実です。このような形ではありますが、学位授与式を挙行できたことに関係者一同感謝しております。
 この時代に生きている私共は、新型コロナウイルス蔓延の現況とそれがもたらした多くの事柄を後世に伝え、教訓としていかなくてはなりません。それには若い皆さんの力に因るところが大きいと思います。どうか、この点を忘れずにいて下さい。

 
 さて、皆さんは国士舘大学における、それぞれの学業の研鑽とその努力が実を結び、本日、学位と卒業の栄誉を手にされました。皆さんは今、学校生活からの解放感と、新生活への期待でいっぱいのことと思います。希望する職に就けた人、それとは違う職に就くことになった人、まだ迷っている人、皆さんの進む道はさまざまですが、どの道に進んでも人生は決して容易なものではありません。この度のウイルス蔓延も含め、人生に予期せぬことや波乱はつきものです。それでも自分を見失うことなく、しっかり現実を見据えて、夢をもって自らの道を切り拓かなくてなりません。何故ならそれぞれの人生のオーナーは、皆さん自身だからです。自分の資質や能力を発揮して人生を作り上げていくことが、ご両親をはじめ、これまで支えて頂いた方々の思いに報いることになります。
 皆さんが、これから旅立っていく実社会で問われるのは、「何ができるのか」です。今後は、今まで学んできた基本的な知識を知恵に変え、社会の中で自らの強みを発揮するためのより良い手段を学び、活用していかなくてはなりません。つまり、大学で学んだ学問自体が重要なのではなく、本学で培われた教養と基本的な考え方が今後、価値を発揮するのです。価値を発揮するというのは、世の中の役に立つということです。ですから、皆さんにはこれまでとは形を変えた学びと努力の日々が待っています。実社会で必要とされる知識は、皆さんがこれまで修得したものより遥かに多いのです。一人の社会人として地道な努力を続けて、社会に何らかの形で還元することを目指してください。
 更に、今は人生100年と言われている時代です。そうなると皆さんは、今後50年以上は何らかの形で仕事に就くことになるのではないでしょうか。これから実社会に出ていく皆さんは、社会において新人ですから失敗を恐れることはありません。そうであれば、早いうちに失敗、挫折を経験するのも悪くありません。失敗や挫折には学びのチャンスや成功のヒントが詰まっています。
 私自身、振り返ってみれば、大小、実に様々な失敗をしております。今考えると、数々の失敗を経験したその時が、一番自分を成長させたのではないかと思います。失敗に必要以上に傷つき落ち込むことは時間の無駄です。失敗を引きずることなく乗り越えるまでの過程が、人を磨き、自信と力を授けてくれることに、皆さんは後々、気付くでしょう。

 

 もう一つ、お伝えしたいことがあります。それは国士舘の卒業生として、如何なる時にも忘れないでほしいことです。社会的動物である人間は、他者との関係の中で生かされ、育まれます。普段はあまり意識していない方もこのコロナ禍では、多くの人のお陰で、自分が生かされていることを感じる機会が多いのではないでしょうか。つまり人は、他者の力を借りて生かされていて、他者との関係が自分を育んでいるのです。そして、この人間関係が人の幸・不幸に大きく影響を与えているのではないでしょうか。支えてもらうことに感謝すると同時に、自分でも人に尽くすことで感謝の気持ちを繋げていく。そこには、見返りを求める気持ちはありません。
 皆さんは「誰かのために何かをすること」で自然と自分の心に力、エネルギーを感じた経験はありませんか?見返りなど考えもせず、「当然の事として人を助けた」「思わず体が動いた」このような時に、自分の心に穏やかな気持ちが拡がった、こんな経験です。自分の行為が「誰かを支えた」「誰かの役に立った」という喜び、その時の気持ちこそが、国士舘精神の原点です。 如何なる時にも忘れないでほしいのは、人の幸せを自分の幸せとして生きること、つまり「人を思いやる心」です。国士舘の四徳目「誠意・勤労・見識・気魄」の一番初めに「誠意」を掲げているのも、これが建学の精神の礎となっているからです。どんなに技術が進歩しても人間的な触れ合いや温かさは、機械では作り出せません。また、物理的な豊かさで心の隙間は埋まりません。人を思いやり心豊かに生きる、自分の人生を豊かにするのは、他人ではなく自分の心の持ち方です。

 

 皆さんは、在学中に国士舘が創立100周年を迎え、一緒にお祝いをした、限られた方々です。皆さんには、明日から母校となる国士舘の建学の精神の具現者として一歩一歩、確かな足取りで努力を続け、豊かな人生を送って頂くことを願っています。
 そして、長きにわたった学校生活最後の母校として折に触れ「国士舘」を思い出し、心のよりどころとして頂ければ幸いです。そして、いつでも母校を、恩師を訪ねて下さい。
 最後に、卒業生の皆さん、自分の人生はもとより、日本の未来を切り拓いていく、気魄 と 勇気を持って生きることを心から願って、私のはなむけの言葉といたします。

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