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2022年11月18日

彬子女王殿下による特別講義(第5回)が行われました

本学人文科学研究科客員教授の彬子女王殿下による特別講義が11月10日、世田谷キャンパスのメイプルセンチュリーホール大教室で行われ、彬子女王殿下は、人文科学研究科および文学部の学生と教職員124人に「大英博物館のコレクションから知る日本のお茶の話」と題してご講義をなさいました。
 
ご講義に先立ち佐藤圭一学長はあいさつで、今年で5回目となるご講義に対し「彬子女王殿下の学問への姿勢と精力的な研究活動の一端を学ぶ機会を賜り感謝申し上げる」と述べました。続いて、司会を務めた人文科学研究科主任で文学部の助川晃洋教授より彬子女王殿下の経歴が紹介されました。

 

ご講義では、江戸時代に外国人を招いて行われた茶席で、日本の伝統的な茶の湯ではなく、中国式の煎茶が振る舞われたという出来事を端緒に、日本における煎茶の隆盛と外国人収集家による陶磁器コレクションとの関係性について解き明かす形で進められました。
彬子女王殿下はまず、英国留学中に学芸ボランティアとして調査研究をなされた大英博物館に収蔵されている陶磁器コレクションに触れ、江戸時代の陶磁器に傾倒し、同館にその多くを寄贈した英国の古物収集家オーガスタス・ウォラストン・フランクスの収集作品を紹介なさいました。さらに米国の動物学者であり陶器の収集家でもあったエドワード・シルヴェスター・モースがボストン美術館に寄贈した収集作品を取り上げられ、いずれの作品にも、茶の湯で使われる陶器の茶入れや茶碗が多いという共通点をお話しなさいました。
江戸時代には、権威的で手の出にくい茶の湯への批判的な風潮を背景に、隠元隆琦が日本に持ち込んだ煎茶が、文人文化の広がりとも相まって知識人や商人を中心に飲まれるようになったとして、彬子女王殿下は煎茶の広がりに大きな役割を果たした売茶翁や永谷宗円などを紹介なさいました。さらに、当時は鎖国政策により煎茶器は厳しく規制されていましたが、中国製のものを模して国内でも作られるようになり、明治期以降も、外国人を招いた茶席でも煎茶でもてなすほど国内に浸透していった経緯を説明なさいました。
ここで彬子女王殿下は、煎茶の隆盛による磁器の広がりに反して、外国人収集家の作品に陶器が多い点に着目され、蜷川式胤による陶器の図説集『観古図説陶器之部』を紹介なさいました。明治維新による外国文化の流入と社会構造の変化により、日本人の中では古いものへの価値が下がる一方で、日本文化の魅力に着目した外国人の声に応える形で出版された観古図説は、フランス語に翻訳され仏・セーブル美術館の協力を得て外国に盛んに輸出されました。日本の古い美術品が海外へ流出するのを憂慮した蜷川は、博物館の必要性を政府に訴え東京国立博物館設立にも尽力しましたが、一方で海外において日本文化が保存されることには共鳴し、コレクションを海外の美術館に寄贈するなどして、海外での陶磁器の価値を高めていきました。
彬子女王殿下は蜷川の功績に言及され、「日本人に顧みられていなかった陶磁器の価値を海外の収集家が見出し、日本美術品として海外で保存してくれたからこそ、明治期の震災や戦争などの国難を経ても、多くの美術品が失われることなく今私たちの目を楽しませてくれている。海外の収蔵品を鑑賞する際に、その裏側にある物語に思いをはせる一助となれば」と締めくくられました。

 

質疑応答で、「当時の日本人は焼き物の価値をどう捉えていたのか」という質問に彬子女王殿下は、「庶民の生活の身近にあるものとして大切にされていたが、愛好品としては扱われていなかったため保存の対象ではなかった。海外の美術館では、過去に略奪された美術品の返還要求などの事例がある中で、海外の収集家が価値を持って購入し、持ち帰ってくれたことはありがたいこと」とお話しなさいました。また、好みのお茶の種類を尋ねられると「せっかちなので、熱いお湯で簡単に淹れられるほうじ茶や京番茶を好んで飲む」とにこやかにお答えになられ、「英国留学中には日本茶が上手に出ず、水の違いかと考えていた。日本で採れた食材は日本の水や素材で扱うのが一番負荷のかからない方法だと聞き、日本茶に無理をさせていたと気付かされた」と振り返られました。

 

約1時間の講義と質疑応答を終えられた彬子女王殿下は、大きな拍手に見送られ会場を後にしました。

  • ご講義をなさる彬子女王殿下ご講義をなさる彬子女王殿下
  • 佐藤学長によるあいさつ佐藤学長によるあいさつ
  • 質疑応答の様子質疑応答の様子
  • 学生らが熱心に聴講学生らが熱心に聴講
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■彬子女王殿下による特別講義(アーカイブ)

https://www.kokushikan.ac.jp/education/news/details_16580.html

 

■彬子女王殿下に名誉博士学位を贈呈(2018年11月9日記事)

https://www.kokushikan.ac.jp/news/details_12451.html

 

■彬子女王殿下、本学大学院人文科学研究科客員教授にご就任(2018年4月20日記事)

https://www.kokushikan.ac.jp/news/details_11634.html

 

■国士舘創立100周年記念式典・祝賀会を挙行しました(2017年11月22日記事)

https://www.kokushikan.ac.jp/alumni/news/details_11044.html

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