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2021年11月15日

彬子女王殿下による特別講義(第4回)が行われました

本学人文科学研究科客員教授の彬子女王殿下による特別講義が10月28日、世田谷キャンパスのメイプルセンチュリーホール大教室で行われ、彬子女王殿下は、人文科学研究科および文学部の学生と教職員155人に「海を渡った法隆寺金堂壁画」と題してご講義をなさいました。

 

ご講義に先立ち、佐藤圭一学長のあいさつでは、コロナ下で実現した今回の特別講義に謝意を述べたのち、過去のご講義を振り返りながら「本日は日本初の世界遺産である法隆寺の仏教絵画について学ばせていただく大変貴重な機会を賜ったことに感謝を申し上げる」と述べました。続いて、司会を務めた人文科学研究科主任で文学部の松野敏之教授より彬子女王殿下の経歴が紹介されました。

 

ご講義では、彬子女王殿下がオックスフォード大学留学中、ロンドンの大英博物館で学芸ボランティアとして日本コレクションの調査研究をなされていた折に、ご自身が収蔵庫より発見された法隆寺の金堂壁画の模写作品についてのお話をされました。この法隆寺壁画の複製は、1880年まで日本に滞在した医師ウイリアム・アンダーソンが売却した自身の日本美術コレクションのうちの一つで、1949年の法隆寺金堂火災で大半が焼損した壁画を、それ以前に写していた貴重な作品です。彼と交流のあった駐日英国公使アーネスト・サトウの日記から、サトウが1884年に画工の桜井香雲に模写の制作を依頼したこと、それを端緒に国内に文化財保存への関心が増していき、「写し」の価値を認識したことで国をあげて模写に取り組むこととなった経緯が分かりました。以降も大英博物館が百済観音の複製を依頼したことなどをきっかけに多くの法隆寺宝物の複製が制作されたことに触れ、彬子女王殿下は、西洋人にとって未知の日本文化を自国に紹介するために、世界に誇る最も価値があるものとして法隆寺宝物を捉え、それが日本での再評価と模写事業の発展につながったことは特筆に値すると述べられました。20世紀に入り、1935年に文部省が印刷会社の便利堂に依頼した法隆寺金堂壁画のコロタイプ複製は、世界中に広がっていきました。また、このコロタイプ複製は、火災により焼損した壁画を再現した画工らの作業にも大きく寄与しています。こうした日本美術における模写事業の発展と、それを導いた西洋との文化交流について、ご自身の大英博物館でのエピソードや現地学芸員との交流も交えてお話しされた彬子女王殿下は、最後に「私がさまざまな偶然に導かれて大英博物館で法隆寺壁画に出会い、日英交流の名残に触れられたことは大切な宝物のひとつ。これからも大英博物館の美術コレクションの研究を続けていきたい」と締めくくられました。

 

ご講義の後に設けられた質疑応答では、学生から「今後の日本における写し(模写)の可能性とその活用」についての質問に、彬子女王殿下は「模写は日本でも江戸時代から教育目的で行われてきたものだったが、日本の博物館や美術館ではスケッチも許されないところが多くある。大英博物館では子どもたちが床にねそべりながらいろんな作品を描いている姿を見てきたので、それがかなわないのは残念に思う」とご自身の思いを語られました。また、講義内で触れられた「仏像などの彫刻は美術の中でもヒエラルキーが高い」ことについての学生からの質問については「明治になってウイリアム・アンダーソンが日本美術を海外に紹介する際に、西洋美術の概念を日本美術にもあてはめた。海外ではキリスト教絵画をはじめギリシャ・ローマ彫刻など宗教に関わるものが最もランクが高いため、絵画にあたるものが仏画になり、彫刻にあたるものが仏像になり定着していった」とにこやかにお答えになりました。

 

こうして約1時間のご講義を終えられた彬子女王殿下に、会場内からは大きな拍手が送られました。

  • ご講義をなさる彬子女王殿下ご講義をなさる彬子女王殿下
  • 佐藤学長によるあいさつ佐藤学長によるあいさつ
  • 質疑応答の様子質疑応答の様子
  • 学生らが熱心に聴講学生らが熱心に聴講
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■彬子女王殿下による特別講義(アーカイブ)

https://www.kokushikan.ac.jp/education/news/details_16580.html

 

■彬子女王殿下に名誉博士学位を贈呈(2018年11月9日記事)

https://www.kokushikan.ac.jp/news/details_12451.html

 

■彬子女王殿下、本学大学院人文科学研究科客員教授にご就任(2018年4月20日記事)

https://www.kokushikan.ac.jp/news/details_11634.html

 

■国士舘創立100周年記念式典・祝賀会を挙行しました(2017年11月22日記事)

https://www.kokushikan.ac.jp/alumni/news/details_11044.html

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