国士舘は創立以来、国士舘教育の趣旨に賛同した政界、財界、教育界、新聞・言論界などの多方面より、さまざまな人びとの支援によって支えられてきました。
国士舘支援の代表的な会である、創立期における「国士舘維持委員会」と、大学創設期における「国士舘大学維持員会」の支援者を紹介します。
国士舘維持委員会 1921（大正10）年7月発足
栗野 慎一郎
（1851－1937）
現福岡県出身。外交官。日露戦争開戦にあたって対露交渉に尽力。米・伊・仏国駐在行使などを歴任。国士舘維持委員会の会長を務めた。
頭山 満
（1855－1944）
現福岡県出身。玄洋社を統率し、アジア主義の立場で国家主義的運動を行い、在野の立場から各方面に多大な影響を与えた。国士舘の創立時より多岐にわたって国士舘を支えた。
野田 卯太郎
（1853－1927）
現福岡県出身。号は大塊。政治家。立憲政友会の重鎮として活躍し、逓信・商工大臣などを歴任。1919年の財団法人国士舘設立に際して顧問に就任し、高等部講師も務めた。
根津 嘉一郎
（1860－1940）
現山梨県出身。実業家、政治家。東武鉄道・日清製粉などに出資。武蔵高等学校（現武蔵大学）の創設など教育・文化事業にも貢献。財団法人国士舘設立に際し評議員も務めた。
田尻 稲次郎
（1850－1923）
現鹿児島県出身。号は北雷。経済学者、法学者、政治家。専修学校（現専修大学）創設者の一人。東京市市長も務めた。財団法人設立に際し顧問となり募金活動に尽力した。
（写真：専修大学大学史資料課所蔵）
（写真：専修大学大学史資料課所蔵）
渋沢 栄一
（1840－1931）
現埼玉県出身。実業家。国立銀行条例の起草などで活躍後、多数の企業の創設と発展に尽力。また実業学校の創立・発展にも努めた。委員会に邸宅を提供するなど国士舘を支えた。
徳富 猪一郎
（1863－1957）
現熊本県出身。号を蘇峰。ジャーナリスト。民友社、国民新聞社を設立。平民主義、国家主義を表明。生涯、執筆を行った。徳冨蘆花は実弟。維持委員のほか長く国士舘を支えた。
中野 正剛
（1886－1943）
福岡県出身。ジャーナリスト、政治家。東方時論社社長。東方会を結成し、東条英機内閣の倒閣運動を行うも失敗し自殺。国士舘創立当初より講師を務め、維持委員会にも参加。
麻生 太吉
（1857－1933）
現福岡県出身。実業家。九州地方の石炭鉱山事業に着手し、麻生商店の経営のほか電気・鉄道分野へも出資し、産業振興に努めた。国士舘創立時より多額の資金援助を行った。
（写真：㈱麻生所蔵）
（写真：㈱麻生所蔵）
服部 金太郎
（1860－1934）
現東京都出身。実業家。服部時計店、精工舎を創設。国産時計製造業として「セイコー」ブランドの基礎を確立。各種社会事業にも貢献。1927年頃より維持委員会委員に加わる。
井上 準之助
（1869－1932）
現大分県出身。政治家、財政家。日本銀行総裁を歴任。貴族院議員となり、複数の内閣で大蔵大臣を務めるが血盟団事件で暗殺される。1927年頃より維持委員会委員。
国士舘大学維持員会 1952（昭和27）年8月発足
小坂 順造
（1881－1960）
長野県出身。実業家、政治家。信濃銀行取締役、長野商業会議所会頭など歴任。その後衆議院議員、貴族院議員。国士舘大学維持員会の会長を務めた。
緒方 竹虎
（1888－1956）
山形県出身。ジャーナリスト、政治家。福岡県で育ち、朝日新聞社入社、その後主筆となる。戦後、衆議院議員となり、副総理などを歴任。「国士舘再建趣意書」起草、再建に尽力。
石橋 正二郎
（1889－1976）
福岡県出身。実業家。日本足袋株式会社を設立し、後にブリヂストンタイヤ株式会社を創設。石橋財団を設立し、教育・文化事業へも積極的に支援。維持委員会発足時より維持員。
（写真：㈱ブリヂストン所蔵）
（写真：㈱ブリヂストン所蔵）
出光 佐三
（1885－1981）
福岡県出身。実業家。出光商会を設立、門司商工会議所会頭などを歴任。出光興産株式会社を創業する。近代日本の石油産業発展に生涯を捧げた。維持委員会発足時より維持員。
（写真：出光興産㈱所蔵）
（写真：出光興産㈱所蔵）
椎名 悦三郎
（1898－1979）
岩手県出身。政治家。官房長官、通商産業・外務大臣などを歴任。自由民主党副総裁となる。国士舘大学の発展に尽力し、多くの式典の折にも講演。
松野 鶴平
（1883－1962）
熊本県出身。政治家。鉄道大臣、参議院議長などを歴任し、日本自由党、自由民主党の要職に就いた。財団法人化に際し評議員、戦後は国士舘の顧問総代も務めた。
野田 俊作
（1888－1968）
福岡県出身。政治家。野田卯太郎の長男。戦後、福岡県知事・沖縄県知事を兼務、戦後処理にあたる。父卯太郎の逝去後「維持委員会」にも参加、戦後も国士舘再建に尽力した。
倉田 主税
（1889－1969）
福岡県出身。実業家。日立製作所に入社後、社長就任。戦後、日立グループ発展の基礎を築き、国産技術の確立に貢献。維持委員会発足時より維持員。
貝島 太市
（1881－1966）
福岡県出身。実業家。貝島炭砿株式会社を創設し、九州地方を中心とした炭鉱業の発展に尽力。貝島育英会を創立し教育支援も積極的に行った。維持委員会発足時より維持員。
（写真：福田康生氏提供）
（写真：福田康生氏提供）
安川 第五郎
（1886－1976）
福岡県出身。実業家。父の興した明治鉱業を発展させ、安川電機製作所を設立。九州電力会長、石炭庁長官、日本原子力発電初代社長などを歴任。国士舘顧問総代も務めた。
石井 光次郎
（1889－1981）
福岡県出身。政治家。東京朝日新聞に入社、戦後、衆議院議員となり、副総理、運輸・通産・法務大臣、衆議院議長などを歴任。創立者柴田徳次郎逝去時には葬儀委員長を務めた。
岸 信介
（1896－1987）
山口県出身。政治家。衆議院議員。農商務官僚から商工大臣。戦後、自由民主党幹事長、外務大臣などを歴任。第57代内閣総理大臣。国士舘顧問としても支援。
『国士舘九十年』（平成19年11月4日）を元に作成