
国士舘大学文学部史学地理学科「考古・日本史学専攻」の学生が、栃木県那須郡那珂川町の教育委員会と行っている「那須官衙遺跡」の合同発掘調査で、新たに区画を囲っている溝の跡が2009年8月に発見確認されました。この調査は那須地方の7世紀から8世紀にかけての墳墓、寺院、官衙の様子を明らかにすることを目的に、5ヶ年計画で進められているもの。発掘計画の最終年度にあたるこの夏の調査で、大発見につながる可能性を秘めた大溝が確認されたのです。この発見については、地元のテレビや新聞などでも大きく紹介、現地説明会も開催されました。
発掘調査を率いる「考古・日本史学専攻」須田教授ゼミの須田、大門両名によると、溝は主要建物を区画するために周囲に設けたもので、規模が大きいほど区画の中の重要度が高まるとのこと。今回発掘されたものは幅5~6メートル、深さ約1.6メートルの大溝で、これだけの規模のものは全国でもあまり例がないとのことです。
また国士舘大学のOBであり、「栃木県立なす風土記の丘資料館」主任学芸員として発掘調査を指導している眞保昌弘氏は、この溝はいままで判明していた溝の方位と異なることから、さらに古い段階のものである可能性があり、わが国を代表する「那須官衙遺跡」の最大の謎に迫る発見かもしれないと述べています。「那須官衙遺跡」は、規模の大きさもさることながら学術的にも重要度の高い遺跡で、国指定の史跡となっています。この遺跡を調べることで、古墳時代から律令国家へ、日本が中央集権国家への道を歩んでいく過程が明らかになるかもしれません。
遺跡の発掘調査は、地元の人々の協力があってはじめて可能となるもの。国士舘大学の学生たちは、地域にお住まいの方々が開いてくださる交流会などで親睦を深め、日頃のご協力に感謝の意を表しています。今回大溝が発見された場所では、2010年の2月~3月にかけて再度調査に入る予定となっています。その結果次第では、謎の解明に向けたさらなる調査が開始されるかもしれません。
(2009年10月時点)




