Episode_3

他大学から
国士舘大学大学院に
進学し、
専門性を
追求するという選択。

インタビューの様子

太田 麻渚

太田 麻渚
Mana Ota

2025年入学
国士舘大学大学院
人文科学研究科
人文科学専攻

※2025年8月現在

齊藤 永隼

齊藤 永隼
Eishun Saito

2025年入学
国士舘大学大学院
工学研究科
建設工学専攻

※2025年8月現在

前田 弥子

前田 弥子
Miko Maeda

2024年入学
国士舘大学大学院
人文科学研究科
教育学専攻

※2025年8月現在

国士舘大学大学院には、専門分野の学びや特定の教員を求めて他大学から入学した学生が多数在籍する。他大学からの入学者は、どのような経緯、ココロザシで国士舘への進学を希望するに至ったのか。内部進学者とどのように交流し、どんなキャンパスライフを送っているのか。

その実態を探るべく、大学院に在籍中の学生3名にクロスインタビューを実施。関西の大学を卒業し、国士舘大学大学院へ進学した前田さんと齊藤さん、都内の大学から進学した太田さんが対談。上記のテーマについて意見を交わした。

専門分野を学べる道を
探して国士舘へ

最初に、大学院進学を志した
理由を教えてください。

前田様(以下敬称略):大学では健康福祉学部の健康スポーツ栄養学科に在籍し、栄養学と体育科教育学について学びました。卒業と同時に栄養士及び中高の保健体育教諭免許を取得できるのですが、できれば専修免許状を取りたいと考えたのが大学院進学の動機です。通っていた大学には体育科教育学を学べる大学院がなかったため、外部への進学を志望しました。

齊藤様(以下敬称略):大学生活の中で、建築士として自分の作りたい形はなんとなく見えてきてはいたものの、社会に出る前に養うべき知識が十分備わっているのかと問われれば、正直微妙としか言えない状況。もっと深く学んでから就職したいと思い、大学院に進むことにしました。院卒で建築家として仕事をする父から、大学院進学を勧められていたことも志望理由の一つです。

太田様(以下敬称略):私はもともと教員志望で教育学部へ入学したのですが、大学1年生のとき、のちに所属ゼミの教授となる先生の授業を受けて地理学の魅力や面白さに目覚めました。特に関心を抱いたのは、植生地理学の分野。卒業論文の執筆を進める中で、さらに深く研究したいという思いが高まったことが、大学院進学の理由です。通っていた大学には地理学を専門的に学べる大学院がなかったため、外部への進学を目指しました。

インタビューの様子

国士舘大学大学院を選んだ
決め手はどのような点でしたか?

前田:大学2年のとき、「体育・スポーツ系大学院」をインターネットで調べた際、一覧に並ぶ「国士舘大学」の名を見たのが最初の出会いです。大学院説明会の案内が出ていたので、まずは参加して話を聞きました。大学の教授からも「体育科教育学を学びたいなら国士舘がおすすめ」と聞き、その後も情報収集を続けていましたが、大きく心が動いたのは、指導教員の紹介で国士舘の研究室を訪れ、研究室の雰囲気を肌で感じたとき。先生や先輩方の温かさ、気さくさに触れ、精力的に小学校へ出向いて体育の授業を実態調査し、 “現場で役に立つ”研究活動に取り組まれている点にも惹かれました。「ここならあなたのやりたい研究ができるよ」と力強く背中を押してもらい、入学を決意しました。

齊藤:大学時代はSNSを通じて、どこの大学でどのような研究活動が行われているのかを追っていました。その中で、国士舘は他大学と合同で建築ワークショップを行うなど、大学の枠を超えた交流が盛んな印象があり、活動内容に魅力を覚えていました。最終的な決め手となったのは、研究にかかる費用の補助など、学びのための支援が手厚い点です。工学系の学生は、研究調査や学会参加のための交通費など、研究にかかる諸経費捻出に悩むケースが非常に多いです。学部生時代からそれは痛感していたので、入学前に先輩から「工学研究科は交通費補助など、院生のバックアップに組織的に取り組んでいる」と聞いた途端、モチベーションが一気にアップ(笑)。大学院入学のための研究計画書を猛烈な勢いで書き上げました。

太田:大学時代、ゼミの指導教官の導きで学会をはじめ様々な会合に参加する機会がありました。指導教官の先輩や後輩の方々など、会合を通じて多くの方と出会うことができ、対話の中で「植生地理学を学びたいなら国士舘がよいのでは?」と勧められたのが最初のきっかけです。その後、現在の指導教官である磯谷達宏教授と面談し、入学を決めました。人文地理学・自然地理学を専門的に学べることに加え、情報通信技術を活用した授業が充実している点も魅力でした。地理学の先生方の中には、大学時代、既にお会いしたことのある方々もいらっしゃるため、私にとっては心強さもありました。

インタビューの様子

外部からの進学で不安を
覚えた点と、実際に入学してみて
感じたことを教えてください。

前田:内部進学者のコミュニティに入れず、孤独を感じてしまうのかな?という不安は少しありました。実際に入学してみたら、その不安は杞憂に終わりました。研究室や自習室で内部進学の先輩や後輩、留学生とも顔を合わせる機会が多いため、年次や出身を問わず皆さんと仲良くなれました。学食で一緒にご飯を食べたり、東京観光へ出かけたりと、楽しい大学院生活を送っています。

齊藤:私はもともと活動内容とバックアップ体制の方向さえ合致していれば、住む場所も地域もどこでも構わないと思っていたので、外部から入学することについては何も気にしていませんでした。実際は、工学研究科は院の先輩だけでなく、理工学部の学生たちとも気兼ねなく交流できる環境にあり、様々な人と対話しながら視野を広げ、大学院生活を謳歌しています。

太田:内部進学者のコミュニティに馴染めるかどうかという心配もよぎりましたが、私の場合は教育学部から地理学専攻への転向なので、学部で専攻してきた方との知識量、知識レベルの差が最大の不安点でした。入学前の面談でもその点について指摘を受け、「知識不足なところは、学部の授業や実習に参加して補える」と先生から伝えられました。ゼミは少人数制で、細かな疑問点まで心置きなく先生に相談してサポートを得られるため、大変助かっています。入学前に言われていた通り学部の授業や実習にも参加させてもらい ながら、安心して知識習得に専念できています。

人と人との隔たりがなく、
多様性を受容する学風

国士舘大学大学院の風土や
魅力を感じる点を教えてください。

前田:専門外の分野であっても受けたい授業を自由に取ることができ、関心領域をレベル高く学ぶことができます。大学院は少人数制のため、教授と院生の距離が近く、先生方はどなたもフレンドリー。特に指導教員と院生は日常的にコミュニケーションを取り、授業の際も活発に議論が交わされるため、学ぶことがすごく楽しいです。研究にともなうアポイントや機器・材料の準備まで、先生のサポートは非常に細やか。院生が学びやすいよう、万全の体制を整えて導いてくださいます。

齊藤:一般的に学部生と院生の空間が分けられているキャンパスが多いと思うのですが、工学研究科は院生室と研究室が近くにあり、学部生との垣根がありません。顔を合わせる機会が多く、雑談から学問の話に及ぶこともあり、フレッシュかつ柔軟な考え方に刺激をもらうことも少なくありません。院生だけで完結せず、研究室全体で研究活動に取り組んでいるような雰囲気です。また、ゼミの指導教官も学生同士も、互いを尊重し合う空気があり、意見や思想が異なる者同士でもポジティブに議論が進む場面をしばしば見かけます。一言で表現するなら、隔たりがなく、窮屈さを感じない学風。建築スタジオや模型スタジオ、製図室なども完備され、非常に恵まれた環境です。

太田:少人数制で近い距離で見守ってもらえるのが非常にありがたいですよね。気兼ねなく相談ができるため、研究もはかどります。資料や設備が充実していて、疑問点をすぐに調べられることにも感動しました。世田谷キャンパスは、緑が豊かなところも魅力。落ち着いて学習に取り組める環境が揃っています。

インタビューの様子

大学院で学んでいる内容を
教えてください。

前田:専門分野である体育科教育学では、体育の授業における教師行動の分析と研究を進めています。それ以外にも、研究方法を学ぶ一環で「カフェインが発話に及ぼす影響」の研究、健康科学の授業の一環で「静脈硬化」についての研究も行い、様々な分野の研究方法や論文の書き方を学んでいます。

齊藤:授業や研究活動を通じて「建築」に関する知識を深め、見識を広げているところです。あれもこれもとやりたいことが多く、一つに集約できないのが目下の悩み。建築は、自らが発想する「造形」を介して、地域コミュニティの活性化や文化交流など、様々な可能性を追求していくことのできる奥深い世界です。今は関心の赴くままに様々な経験を重ね、建築家として自分の軸となるテーマを見出していきたいと考えています。そのためにも、手を出して “これじゃない”と感じた際もすぐにやめるのではなく、“なぜ、興味を持ち続けることができないのか”が分かるところまで突き詰めてみる、ということを励行中です。

太田:学部生向けの授業や実習にも積極的に参加しながら、自然地理・人文地理について分野を問わず幅広く学んでいるところです。学部時代には学ぶ機会のなかったリモートセンシングや地理情報システム(GIS)についても学べるのがうれしいですね。大好きな「地理」に関して基礎から専門的な内容まで学ぶことができ、毎日が新しい発見の連続。他大学の大学院生と一緒に授業を受ける機会もあり、意見交換を通じて良い刺激をもらっています。

インタビューの様子

修了後の展望を教えてください。

前田:“体育授業における教師の巡視行動”に関する研究を続けて、修了後は博士課程へ進学。将来は大学の教授を目指しています。現在は主に体育教師の巡視行動に着目して研究を進めていますが、今後は教師の思考や意図についても明らかにし、自分の研究を通じて児童・生徒の学習意欲や、体力・運動能力向上の推進に貢献していきたいです。

齊藤:得意分野や関心領域、就職のことも含めてまだ手探りの部分が大きく、修了後の予定は今のところ未定です。まずは大学院での学びを通じて建築に対する理解を深めることが先決。予算や法規など、実務的な知識もしっかりと身につけたいと思います。方向性や進路が定まって社会に出ることになったら、師匠と呼べるような人を見つけてその方のもとで建築デザイナーとして社会経験を積みたいですね。最終的には建築家として独立するのが夢。自分の思想を「造形」に反映しつつ、施主の意向を具現化し、社会を豊かにする建築設計を手がけられる建築家になりたいと考えています。

太田:修了後の進路や将来の目標についてはまだ明確には定まっていませんが、地理学に関する研究職に就きたいと考えています。当面の目標は、文献や野外調査を通じて地理学の基礎から専門知識までを幅広く養い、修士論文のための研究に邁進すること。学会などの場にも積極的に参加して地理学を専門とする多くの方々と交流し、知識を深めていきたいです。

教授陣の温かなサポート体制と少人数制による丁寧な指導。年次や出身の垣根なく学生たちが交流を深め、良好な関係性を紡ぎながら切磋琢磨する文化的な風土が国士舘には根付いている。

10研究科15専攻を擁する大学院で、拡大する社会のニーズに応え、「幅広い分野を高いレベルで学べる環境」を醸成してきた国士舘大学大学院。キャリア・スキルアップを志したい方、専門性を究めたい方は、ぜひ「国士舘」の門を叩いてみてほしい。