Episode

家庭と仕事を両立しながら
税理士を目指す。
私たちが「国士舘」で
学ぶことを選択した理由

インタビューの様子

剣持 あすか

剣持 あすか
Asuka Kemmochi

2025年入学
国士舘大学大学院
法学研究科

石川 斉

石川 斉
Hitoshi Ishikawa

2024年入学
国士舘大学大学院
法学研究科

国士舘大学大学院には、仕事や育児、家事と両立しながら学ぶ社会人学生が多数在籍する。ここで紹介する法学研究科・斉木研究室で学ぶ大学院生の大半も、社会人から税理士を志望する学生たち。在学生は、どのようなココロザシで税理士を目指し、国士舘を選択し、どんなキャンパスライフを送っているのか。
その実態を探るべく、大学院に在籍中の学生2名にクロスインタビューを実施。ともに社会人から税理士の資格取得を目指し、大学院に入学した石川さんと剣持さんが対談。上記のテーマについて意見を交わした。

仕事を続けながら通える
“社会人に温かい”体制

税理士を目指したきっかけを
教えてください。

石川様(以下敬称略):母が税理士事務所を経営しているため、いずれは家業を継ぎたいと思ったのがきっかけです。私はもともと理系出身で以前はエンジニアとして会社勤めをしていました。しかし仕事を続ける中で“エンジニアの仕事は向いていないな”と感じるようになり、退職したのを機に家業を手伝い始めました。それまでは税理士の仕事に興味を持っていなかったのですが、携わってみたら思いのほか楽しくて。人と接する仕事のほうが向いていると実感できたことも収穫でしたし、何より知識を深めて専門性を追求していくことが面白かった。母が引退したときのことも考え、本格的に税理士を目指そうと決意しました。

剣持様(以下敬称略):私も元々は、他職種で働いていましたが、簿記の勉強をし始めたことをきっかけに会計や税務に興味を持ち、税理士法人に転職しました。専門学校を活用しながら税理士科目の勉強を続ける中で、本格的に税理士を目指そうと思ったのが大学院入学のきっかけです。今は、幼い子ども2人の育児をしながら税理士法人でパート勤務をしています。子どもの成長と共に自らも自己研鑽に努め、少しずつ税務にも慣れていきたいと思っています。

大学院を選ぶ際に重視した
ポイントを教えてください。

石川:“税理士試験に受かって税理士になる”のが第一目標だったので、試験科目の免除が受けられるところ、そして実際に多くの税理士を輩出している大学院を探しました。目標達成のためなら少しぐらい遠くても通う覚悟は持ちつつ、仕事と両立させる観点から、できれば自宅から通いやすい大学院で、と思う気持ちはありました。

剣持:私も“科目免除が受けられる大学院”というのは絶対条件。さらに育児、家事、仕事とのバランスを考えると、気持ちの6割ぐらいで立地を重視していました。

「国士舘」を選んだ理由を
教えてください

石川:国士舘は必須のカリキュラムが月曜の夜と土曜に設定されており、社会人が通いやすい仕組みが構築されていました。問い合わせした他大では「仕事を辞めないと税理士になるのは難しいよ」と言われましたが、国士舘はHPやパンフレットの情報からも“社会人にやさしい”学風が伝わりました。法学研究科の斉木先生のインタビュー記事で、税理士という職業にかける想いやご経歴、法律家としての考え方に触れ、この大学なら試験勉強だけでは得られない知識、法律家として持つべきマインドを深く養えそう、と感じたのが入学の決め手です。自宅から電車の乗り換え1回で来られるという“通いやすさ”も国士舘を選んだ理由のひとつです。

剣持:尊敬できる先生のもとで学べるかどうかは、大学院選びの重要なポイントになりますよね。私は入学前の説明会で斉木先生とお話しした際、親身にご対応いただいたことが決め手になりました。授業内容やカリキュラム、修士論文の進め方、子育てや仕事と両立できるのか、さらに入学試験のポイントや準備しておくべきことまでわかりやすく教えていただき、斉木先生の研究室で税法を学びたいと思いました。私にとってこの辺りは生活圏内。自宅から大学院、保育園まで、すべて自転車で行き来できるのも大きな利点です。

インタビューの様子

ただの試験勉強ではない、
実践的なリーガルマインドを養う

日々のスケジュールを
教えてください。

剣持:週2日、授業のある日に通学し、それ以外の日は授業の準備と税理士試験の勉強、税理士法人でのパート勤務。夕方からは幼児2人の世話に専念し、寝かしつけたあとも勉強を再開することが多いです。通学時間が少ない分、勉強時間が確保しやすく助かっています。月曜の授業には会社帰りの方もいるので、そういう方は時間のやりくりが大変ですよね。

石川:そうですね。私も1年目の月曜は仕事を調整し、少し早上がりをして通っていました。今は2年目なので平日は仕事のあと修士論文の作成に1~2時間ほど費やし、土曜日は朝から大学の図書館に来て、文献や過去の論文を探しながら1日中修士論文にかかりきり。日曜の午前中も自宅で修士論文を進めて、午後は家族とともに過ごすことが多いです。妻と一緒にゲームや謎解きを楽しむ時間が息抜きになっています(笑)

印象深い授業があれば
教えてください。

石川:特に印象深いのは、斉木先生の授業で行う「判例評釈」ですね。実際の裁判事例を分析し、様々な専門家の見解も学んだ上で自分の意見をまとめ上げる勉強です。元々理系出身で論理的思考力には一定の自信があったのですが、法的思考は妥協が許されない世界で訳が違いました。自分の「答え」を主張するためには、それに至る根拠が論理的に破綻していないかを全方向から検証し、一点の矛盾もない理論立てがなされていなければなりません。最初は「それだとつながらない。理由づけにならないよ」と先生に指摘されても、一体どこが破綻しているのか見当がつかなかったのですが、何度も繰り返し学ぶ中で少しずつ法的思考力が身につき、分析の精度も向上。法律って本当に面白い!と奥深さに感銘を覚えました。ただの試験勉強ではなく、本物のリーガルマインドを養えたのは大学院で学んだからこそ。習得したスキルは、既にそのまま仕事の現場で活かすことができており、学んだことは無駄にはならない、という先生の言葉を日々実感しています。

剣持:私も今、判例研究の入口の段階で難しさを感じているところです。“根拠通りに進めていかないと論理が成立しない”ため、まず根拠となっている学説や法律を調べ、判決文を読んだうえで、様々な研究者の見解を読み、自分の意見を加えて判例評釈するのですが、その下準備が大変です。先生の問いかけに対して皆で“どういう意味だろう?”と思案しているうちに授業が終了してしまうこともあります。判例や学説、法律などにあらかじめ目を通し、法解釈や判例の見解はどうなるか、自分の意見も言えるように下準備をしておかないと授業時間がいくらあっても足りなさそうです。

石川:わかります。最初は先生の問いかけの意味が本当にわからなくて、同じ日本人だよね?と自虐的な気持ちになりました(笑)。剣持さんが気づいた通り、予習が99%と言っても過言ではないほど下準備が大事。予習では見落としていた視点を授業で補足してもらう、という感覚で臨めば、学習効果が飛躍的に向上すると思います。

剣持:ありがとうございます。今はそのように四苦八苦しながら租税法の基本原則や法の解釈の仕方などの導入部分を習い、1年生なので民法、会社法、行政法なども幅広く学んでいます。その中で印象深い授業は「民法研究」。民法は身近な題材が多く、自ずと関心が高まります。先生も興味深い話題を交えてお話ししてくださるため、堅苦しくない雰囲気の中で法の基本構造から理解を深めていけるのがありがたいです。

インタビューの様子

教授・OBOGが強力タッグで
“税理士への道”をサポート

教授やOBOGの方との
交流について教えてください。

剣持:斉木教授をはじめ、どの先生も良い方ばかりで授業も丁寧。わからない点を質問しても親切に答えてくださいます。

石川:授業外でも、「少し時間をください」とお願いすればきっちり時間を割いてもらえます。平日の夜、仕事のあとにちょっと立ち寄りたい、というときも、○時頃大丈夫ですか?と確認しておけば快く迎え入れていただけます。税法以外の教授も、質問があったらいつでもどうぞ、と歓迎ムード。飲み会などでもフランクにお話してくださり、皆さん総じてフレンドリーな雰囲気です。

剣持:先輩方やOBOGとの交流も盛んなので、相談相手には困らない環境ですね。

石川:土曜の授業のあとは、ほぼ毎回、先生を交えて飲み会(笑)。OBの方が顔を出されることも多いため、修士論文作成の困っている点を相談できるのはもちろん、実社会での体験談や様々な業界の話が聞ける貴重な場です。修士論文の追い込みに入る11月頃からは、特にOBOGの来訪が増えます。先生一人では修士論文指導が大変なので、OBOGが先にチェックしてくださることもしばしば。先生に見ていただく前にブラッシュアップできるよう、総力をあげてサポートする風土が築かれています。

剣持:大学院は同期の経歴や職歴も様々。授業や対話を通じて新たな視点が得られ、学びの多い日々を送っています。

石川:そうですよね。横のつながりも強いので、それぞれの修士論文に同期全員分の第三者目線が働いているイメージ。この文献は見た? ここも調べてみたら?という何気ない一言から考察が広がり、視野狭窄に陥らずに済んでいることを実感する場面が多いです。

インタビューの様子

幅広いニーズに応えられる
知識豊かな税理士に

修了後の展望を教えてください。

剣持:当面の目標は、2年間で修士論文を書き終えること。まだ税理士試験科目も残っているので試験勉強も引き続き頑張らなければなりません。その中で学んだことを実務に活かしていきながら、最終的には法律の知識を生かして、お客様の様々なニーズに応えられる税理士になることを目標にしていきたいと思います。まだ1年生なので先々のことを考えると、道のりは長いと感じますが、「勉強頑張ってね」と日々たくましくなっていく子ども達の応援に応えるためにも、自分自身が成長していきたいですね。

石川:私は既に3科目に合格しているので、修士論文で免除を受けられれば晴れて税理士になることができます。仕事上の目標は、法人税専門、相続税専門などの特化型ではなく、すべての税や関連する法律の知識までを幅広く備えた税理士になることです。実際の場面でも、相続税や所得税、法人税、さらに民法をはじめとする様々な法律の分野が複雑に絡み合う案件が少なくありません。様々な視点から総合的、多角的に判断し、お客様にベストな提案ができる税理士になりたいですね。

最後に世田谷区内の
おすすめスポットを
教えてください。

石川:私は先生たちとよく飲みに行く梅ヶ丘の居酒屋「楽笑(らくしょう)」をお薦めしたいです。新潟出身のご夫婦が営む店は、築地では手に入らない「糸魚川の厳選素材」を味わうことができ、新潟の地酒も揃っているのでお酒好きな人にはたまらないのではないでしょうか。下戸の私にも温かく接してくださるありがたいお店です(笑)

剣持:私は大学院の懇親会でよく行っている梅ヶ丘の「寿美吉」というお蕎麦屋さんをお薦めしたいと思います。カツ煮やお蕎麦がおいしく、お店の方も気さくで温かい雰囲気です。大学近辺の世田谷エリアは、都心から近いにもかかわらず、ほどよく生活に根ざした雰囲気が魅力。スーパーも多くて非常に生活しやすい街です。子ども連れでのんびり過ごせる「羽根木公園」も大好きです!

インタビューの様子

深い知見を備える教授陣の豊かな導き、そして強い絆で結ばれたOBOGもタッグを組む手厚いサポート体制。仕事や家庭と両立しながら“大人”が心置きなく勉学に取り組める環境がここにはある。10研究科15専攻を擁する大学院で、拡大する社会のニーズに応え、「何歳からでも学べる環境」を醸成してきた国士舘大学大学院。キャリア・スキルアップを志したい方、専門性を究めたい方は、ぜひ「国士舘」の門を叩いてみてほしい。