宮本さんはなぜBM5を選択したのですか?"

 大学に入ったときは教職課程を取ろうと思っていたんです。でも、「BM5」という制度があることを知って、やってみたいなと思いました。21世紀アジア学部に入ると、全員が1カ月以上は留学することになっています。どうせ留学するなら長く行きたいという思いが強くなって、ここでしかできない2年半のプログラムで留学することにしました。

編集部: ご両親は反対されませんでしたか?

 両親は行って欲しいという思いがある反面、心配もあるという感じでした。でも、「大学生になったらやりたいことをやりなさい」といって背中を押してくれました。
 大連に行く前は、中国に対して少し恐いイメージを持っていましたが、実際に行ってみると、みんなやさしい人たちばかりで、全然恐くありませんでした。
 行く前に半年間、大学で中国語を勉強したのですが、向こうに行ってみると使う言葉が全然違ったので、一から勉強し直しました。でも、はじめの1年ぐらいで、学生同士の会話なら不自由しなくなりました。2年半の留学期間で、中国語検定の最高の6級を取得することができました。

編集部: 大連では寮生活をしていたのですか?

 はい、私は2年半ずっと学生寮で過ごしました。私が住んでいたのは、2人部屋が3つ合わさっている6人部屋でした。毎学期、あえて住む部屋を変えたので、いろんな国の人と友だちになれました。パキスタンやエジプトやロシアからの留学生たちと、帰国した今でもずっと連絡を取りあっています。韓国からの留学生とも寮で一緒に住んでいました。彼女たちは日本に興味を持ってくれて、帰国したあとに日本に遊びに来てくれました。

編集部: 宮本さんは4年で卒業なさるのですか?

 はい、私は大学院には行かず、4年間で卒業します。大学院に行くか、卒業するかを選べるのも、BM5のいいところですね。
すでに就職は旅行会社に決まっています。3年生のときに旅行に興味が出てきて、テレビ会議を使って先生に相談しました。そうしたら、「旅行」で卒論を書いて就職活動してみればと、アドバイスしてくださいました。いまちょうど卒業論文を書いているところです。テーマは「日本の観光業界における再生事業」。日本にある倒産しかけているような古い観光施設を再生して、甦らせる事例を研究しています。

編集部: 留学して楽しかったことや辛かったことはありますか?

 辛いというわけではありませんが、とまどったのは文化の違いでしたね。他国の学生と喧嘩しちゃったりしましたが、それも大きな勉強になりました。
楽しかったことはたくさんありますが、いちばんは中国だけじゃなくて、いろんな国の友だちが増えたことでしょうか。私が持ってくる日本の物とか日本の話で、いろんな国の子が「日本ってすはらしいね」とか「日本に行ってみたいな」っていってくれました。日本を好きになってくれる子がたくさんいて、本当に嬉しかったです。

編集部: 留学して自分の中で何が変わったと思いますか?

 物事を考えるときに、視野が広がったなと思います。いろんな国の子と話していて、日本人にはない、いろんな考え方があることを知りました。日本に帰ってきて勉強していると、「あ、前と違うな」ということを実感します。いい意味で自分は変わったなと思います。
それから度胸も付きましたね(笑)。留学中は、半年に1回日本に帰ってきましたが、帰ってくるたびにお母さんに「どんどん逞しくなってくるね」といわれました。「BM5」で中国に2年半留学して、私は本当によかったと思っています。

国士舘大学 21世紀アジア学部 アジアビジネスコース4年生 宮本すみれさん