本学では、目指すべき未来社会として提唱されている「Society5.0」に描かれる「人間中心のAI社会」を実現するために、デジタル社会の「読み・書き・そろばん」にあたる「数理・データサイエンス・AI」の基礎などの必要な力を身に付けられるように、『AI・データサイエンス教育プログラム』を開設しています。
文系・理系を問わずすべての学部生が対象です。
Goals AI・データサイエンス教育の目指すもの
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01AI・データサイエンス教育の目指すもの
人工知能(AI)やデータサイエンス(DS)の知識・技術は本学学生の誰もが必要な基礎的スキルです。本学では、全学生を対象にしたリテラシー教育として、全学AI・DS教育を展開しています。
政府が提唱する「Society5.0」を実現するために、すべての人にAIやデータサイエンスの利活用に関する知識が必要であると言われています。
本学は、予測困難なこの時代において物事を大局的・客観的に考察し判断するための文理融合の学びを通して「人間中心のAI社会」の実現に寄与します。 -
02学ぶべき理由と社会的要請
AIを活用する人材には、倫理的な判断に基づき適切な分析手法を選択できる知識と物事の背景を読み解く論理的思考力、また得られた結果を伝えるコミュニケーション能力が必要です。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により社会が急速に変化する時代に、客観的なデータ解析に基づく課題解決や新しい価値の創造が求められています。
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03AI・データサイエンス副専攻について
所属する学部・学科等の学び(主専攻)に加え、プラスαの学びとして、学生の多様な関心や目的に応じて、学部等の枠を超えた様々な知識や技能を体系的に幅広く学修することができる制度です。社会におけるAIやデータサイエンス活用の基礎力育成に加え、統計学や数学の基礎的な教養も身につけ、データに基づく問題解決の手法を学ぶことを目的としています。
Abilities プログラムで身に付けることができる能力
Program 教育プログラム構成
本学の「AI・データサイエンス教育プログラム」は、全学共通必修科目の「AIとサイエンス」を中心にさまざまな専門分野に応用するための基礎となる科目を展開して、数理・データサイエンス・AIに関する知識と技術の習得を目指しています。
区分 | 科目 | 概要 |
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リテラシーレベル | AIとサイエンス | 現在私達の社会は、デジタルトランスフォーメーション(DX)により大転換が進んでいる。その変革の大きなきっかけの1つとなっているのが人工知能(AI)である。AIや数理・データサイエンスは、今後のデジタル社会の基礎知識として捉えられている。本講義では、AIを中心としたデータサイエンス技術を正しく理解し活用するための基礎を理解することを目的とする。 |
応用基礎レベル | データサイエンス基礎 | データ分析の基礎として、平均値、分散、標準偏差などの確率統計の基礎的な解説からはじめ、代表的な確率分布である二項分布、ポアソン分布、正規分布について学ぶ。また、統計的データ分析手法として統計的推定、統計的検定、回帰分析について学習する。 |
データエンジニアリング基礎 | データの収集、処理、保存、管理、および活用の基礎的知識を学ぶ。データを扱う演習を通して、データの可視化と分析のためのプログラミングの基本的な使い方を習得する。実データ、実課題を⽤いた演習など、社会での実例を題材とした教育を行うことで、現実の課題へのアプローチ⽅法および数理・データサイエンス・AI の適切な活⽤法を学ぶ。 | |
AI基礎 | 人工知能(AI)の歴史や基本的な考え方について学び、AI がデータから何をどう学ぶかという機械学習の手法について基礎的な理解を得ることを目的とする。機械学習の分野における中心的な手法である深層学習(ディープラーニング)についても解説を行い、また、その社会実装に向けて考慮すべき倫理的な問題やセキュリティに関する取り組みについても紹介し、AI と社会との関わりについて考えていく力を養っていく。 | |
AI基礎演習 | 本授業においては特にデータサイエンスにおける実践的なスキルを身につける場を提供するものとしてデータの分析、加工とその活用方法について学んでいく。データサイエンスの方法論はデータの処理を「情報学」によって取り扱い、収集したデータの分析を「統計学」により可能とし、最後に「各自が対象とする分野」において価値を創造していく、という3つの流れからなっている。「Google Colaboratory」などのクラウド型のコンピューティングプラットフォームでの体験を通し、さまざまな社会的な課題に取り組んでいくための礎となるスキルを磨いていく。 | |
数理関係科目 | 数学(線形代数) | ベクトル、行列、行列式の性質や応用方法について講義をする。高校までに扱った数学の知識・技術の復習を行いながら、数学的な考え方や理論の構成の仕方を理解することを目標とする。特に本講義では、行列と行列式の性質や計算方法、ベクトルに対して回転を行う一次変換とそれに用いる行列の構成方法、ベクトルの性質、大きさ、内積と、行列の固有値、固有ベクトル、それらの応用について行う。 |
数学(微分積分) | 初等関数に対する微分積分とその応用について講義する。高校までに習った数学の知識・技術の復習を行いながら、数学的な考え方や理論の構成の仕方を理解することを目標とする。特に本講義では、多項式、有理関数、無理関数、三角関数、指数関数、対数関数に対しての微分積分を始めとして、合成関数の微分、積の微分、商の微分、置換積分、部分積分の公式を使った計算方法の習得も目指す。また、逆三角関数等に対する逆関数の性質やそれらの微分積分についても講義を行う。また、マクローリン展開も扱う。 | |
数学(多変数関数の微積分) | 1変数の関数の微積分法について振り返ったのち、多変数の関数の微積分法について、主に2変数の場合を中心として学んでいく。数学の基礎理論としての微分積分学における2変数関数、多変数関数の取り扱いに関する理解を深め、様々な分野へと応用を図っていく際の具体的な手法についてのスキルを習得することを目標とする。 | |
確率論入門 | 統計学やデータサイエンスを学ぶ上で必須となる確率論について、場合の数から確率計算、確率分布の性質に至るまで、基礎的な事項を小テストの実施も交えて学んでいく。自然現象や社会現象における不確定な現象を定式化・解析していく上で有用な確率の考え方を修得し、様々な確率分布や統計処理された数値の意味を正しく理解できるようになることを目的とする。 | |
統計学入門 | 本講義では、データの集団の代表の値としての平均値、散らばり具合を見るための度数分布表や分散、標準偏差の考え方、統計的推定や統計的仮説検定に至るまで、豊富な例題と小テストの実施を交えて基礎的な事項について学んでいく。 自然現象や社会現象において見られるばらつきのあるデータからその性質を解析、予測、検証していく統計学の考え方を理解し、データを適切に取り扱っていくための入門的なスキルを身につけることを目的とする。 |
Activities
文部科学省「数理・データサイエンス・
AI教育プログラム認定制度」
本学のAI・データサイエンス教育の取り組みが、文部科学省が推進する「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベルと応用基礎レベル)」に認定されました。
申請書類
数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度について
「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」とは、デジタル時代の「読み・書き・そろばん」である数理・データサイエンス・AIに関する、大学等の教育プログラムのうち、一定の要件を満たした優れた教育プログラムを文部科学大臣が認定することによって、大学等が数理・データサイエンス・AI教育に取組むことを後押しする制度です。
Model Curriculum モデルカリキュラムとの対応
数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムで作成した、数理・データサイエンス・AIに関するリテラシーレベルと応用基礎レベルそれぞれの「モデルカリキュラム」と本学開設科目との対応については、以下のとおりです。
Organisation プログラムの実施体制
本プログラムは、以下の組織体で運営・実施をしています。
プログラムの運営責任 | データサイエンス教育研究開発センター (令和3年度まで 全学教養教育運営センター) |
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プログラムの改善・進化 | データサイエンス教育研究開発センター 運営委員会 (令和3年度まで 全学教養教育運営センター AI・データサイエンス教育ワーキンググループ) |
プログラムの自己点検・評価 | データサイエンス教育研究開発センター 運営委員会 (令和3年度まで 全学教養教育運営センター AI・データサイエンス教育ワーキンググループ) |
Self Assessment プログラムの自己点検・評価
本教育プログラムの内容については、検証(自己点検・評価)をしながら、改善をしています。
自己点検・評価の詳細については、以下のリンクをご覧ください。