広場や街路をはじめとする都市の公共空間は、人々の暮らしや活動を支える重要な役割を担っています。地域交流の促進やまちの賑わい創出が全国的に課題とされる中、公共空間の再生を通じた地域づくりが求められています。また、成熟社会を迎えた今、歴史的建造物や地域固有の文化・伝統、自然環境をはじめとする地域資源を活かしながら、地域が誇れる魅力的なまちを実現することが求められています。都市デザイン研究室では、以上のような問題意識の下に、都市を調査・分析(スタディ)、計画・設計(デザイン)、運営・管理(マネジメント)する方法を学びます。







教員メッセージ

“人のいる風景”をデザインしたい
公共空間の再生を通じた地域づくりを
公共空間のデザイン・マネジメント、市街地における道路空間再編の計画・設計、地域の歴史や文化を活かしたまちづくりの計画・実装、デザイン行政や民間まちづくりの仕組みづくりなど、まちづくりの実践・研究に取り組んでいます。
研究テーマや研究室の活動
主な研究テーマ1:公共空間や土木施設の計画・設計
学内の演習課題(公共空間デザイン演習)や学外の設計コンペ(学生コンペ、自治体主催のコンペ等)に参加し、実際のまちや都市を対象にまちづくりや公共空間の計画・設計提案を行っています。対象地の調査・分析や参考事例のレビュ-などを通じて、与えられた課題をデザインで解決する提案能力を磨くとともに、デザインに必要とされる模型製作やスケッチのスキル、CAD・Rhinoceros・Illustrator・Photoshop・SkechUpといったソフトの使い方を身に付けます。また、3次元の木材加工が可能なShopbotを用いて、デジタルファブリケ-ションにも取り組んでいます。






主な研究テーマ2:DIYによるまちづくりの社会実験
都内を中⼼に全国各地の広場や街路において、まちの居場所づくりや地域交流の促進、歩⾏者の回遊性向上を⽬的とした社会実験を企画・実施し、まちづくりの実践学習と地域貢献に取り組んでいます。⾏政や⺠間事業者、地域住⺠、まちづくり関係者とも連携しながら、仮設的な公共空間のデザインを提案するとともに、ストリートファニチャーの設計・製作やイベントの企画・運営を通じて、詳細設計やDIY、マネジメントのスキルを⾝に付けます。








主な研究テーマ3:アクティビティやモビリティの調査・分析
学内の演習課題(まちづくりフィ-ルド演習)やゼミ、教員の関わるまちづくり活動・調査業務などを通じて、都市空間の使われ方や交通状況に関する調査・分析を行なっています。都市空間をデザインする上で、いつ・どこで・誰が・どのような行動を・なぜ行なっているのか、アクティビティを把握することが重要となります。社会実験や全国各地の広場・街路を対象に、観察調査や動画撮影、速度計測、アンケ-ト調査等を行い、都市空間を舞台に繰り広げられる人間行動をデ-タ化し、グラフや図面で可視化するデ-タビジュアライゼ-ションの技術を身に付けます。






主な研究テーマ4:まちづくりの計画・進め方
まちづくりの現場では、利害の異なる多様な関係者間の合意形成、法制度上の様々な制約、継続的なまちづくりのための⼈材・財源確保など、様々な課題と向き合いながら、デザイン・マネジメントに取り組むことが求められます。⾝近な地域のまちづくりや先進的な取組事例を参照しながら、公共空間の再⽣や歴史まちづくりを進める上での課題を理解するとともに、ワークショップの運営・参加や各⽅⾯で活躍する有識者へのヒアリングなどを通じてまちづくりの現場で培われたアイデアやノウハウを習得します。






研究室旅行・まち歩き・現場見学・学外交流など
先進的なまちづくりの取り組み事例や優れた公共空間・土木施設のデザインに触れるため、2泊3日の研究室旅行を実施しています。また、都内近郊でまち歩きや現場見学を頻繁に企画し、デザイン・マネジメントの現場に触れる機会を設けています。研究についても、研究発表会や学内外の合同ゼミ、国際ワ-クショップなどに随時参加し、学外との交流を深めながら、各自興味のある研究テ-マについて関心・知識を深めています。さらに、学生の希望に応じて、自治体のまちづくり・建設部局や建設コンサルタント会社のデザイン部署、設計事務所、まちづくり会社でのインタ-ンやアルバイトに参加してもらい、現場での経験を積みながら、より実践的なデザイン・マネジメントのスキルを磨いています。





