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2019年09月27日

【目指せ!国士舘から世界へ⑨】平野夏海選手インタビュー(種目:スポーツクライミング)

中学校・高等学校のクラブ

東京2020大会から、オリンピック正式種目として採用された「スポーツクライミング」。五輪種目採用を機に、競技人口も急速に増えています。
そんな新しいオリンピック種目で、国内外を問わず大活躍しているのが国士舘高校2年生の平野夏海選手です。平野選手は2016年3月、まだ13歳の時に「クライミング日本選手権」に出場し、12位という好成績を収めました。その後、2018年8月のジュニアオリンピックカップ大会での優勝や、同年11月のアジアユース選手権ではリードとボルダリングの2種目を制するなどして現在、将来を有望視されている若手クライマーです。

東京五輪、そしてその先を見据えて日々練習に励む平野選手にインタビューしました。

<2019年9月13日取材>

――クライミングを始めたきっかけは何でしたか?

小学4年生の時、「VS嵐」というテレビ番組内で「クリフクライム」というクライミングのミニゲームをやっているのを見て、面白そうだなと思ったのがきっかけです。たまたま近所にクライミング教室のジムがあり、友達が教えてくれて通い始めました。

――それまではどんなスポーツをやっていましたか?

幼稚園の頃から体操クラブで習っていました。特に誰かに勧められたわけではなく、自分でやってみたいと思い、通わせてもらっていましたね。スポーツに関しては、両親は特に何も言わず自由にやらせてくれる環境でした。クライミングと出合ってからは一筋でやっています。

――平野選手にとって、クライミングはどんなところが魅力でしょうか?

スタートしてゴールするのであれば、極端な話、途中では何をしてもよく、プロセスをすべて自分の思うようにできるところですね。もちろん最低限のルールはありますが、自由度が高いところに魅力を感じています。「自分だけの登り方」を見つけて、それを実践できた時のうれしさはとても大きいです。

――今シーズンも残りわずかとなり、今月(2019年9月)末にはスロベニアでのワールドカップ(W杯)が開催されます。現段階で、2019年を振り返っていかがですか?

今年のW杯大会スケジュールでは、ボルダリングはもう全て終わっていて、それ以外の種目がまだ残っています。次はワールドカップ・リード第4戦(9月29日/スロベニア)が控えています。今年は、ボルダリングは全然通用しなかったなという反省があります。ただ、今シーズンの残りの大会で、頑張ってリードで良い成績を残せば、W杯リードでの年間トップ10に入る可能性がまだあります。次の大会がとても重要ですね。

――スポーツクライミングの大会での順位は、どのように決まるのでしょうか?

スポーツクライミングという競技は大きく分けて3種目から構成されています。登り切った完登数などで競う「ボルダリング」、どの高さまで登ることができたかを競う「リード」、そして登る速さを競う「スピード」です。また、この3種目を複合した結果で成績を決める「コンバインド」という種目が加わる大会もあります。

――W杯やオリンピックではどうなのでしょうか?

W杯でコンバインドは採用されておらず、ボルダリング/リード/スピードの3種目で競います。東京オリンピックでは、コンバインドのみで勝敗が決まります。

――その3種目の中で得意な種目は何ですか?

私が最初に始めたのはボルダリングで、そこからリードもやるようになりました。今はリードでも結果が出せるようになってきたので、こちらもようやく得意な種目という意識が出てきました。スピードは、最近少しずつできるようになったという感じです。得意・不得意は、どんな選手でもあると思いますね。

――平野選手にとってW杯の魅力は何ですか?

W杯は私がクライミングを始めた当初からずっと憧れて続けてきた舞台なので、他のどんな国際大会とも違います。出場選手にとっては、国ごとのメダル数を競い合うという意識も強く、日本の選手同士は他の国際大会の時よりも一致団結している場合がほとんどです。私が初出場した昨年のW杯はフランスからスタートしたのですが、やはりヨーロッパでのクライミング人気というのはもの凄く、観客の大歓声が常に聞こえているほどの盛り上がりで、とても印象的でした。

――オリンピックの追加種目にスポーツクライミングが正式決定しました。

決まった時はもちろん、とてもうれしかったです。その一方で、その時私はまだ14歳になったばかりだったので、東京大会は厳しいだろうなとも思いました。スポーツクライミングは次の次、2024年のパリ大会でも正式採用が決まっていますので、そこに照準を合わせています。やはりオリンピックは特別なのでどうしても出たいし、優勝したいです。

――ところで、平野選手は高校から国士舘に通っていますが、選んだ理由は何ですか?

スポーツが盛んな高校に行きたくて、勉強とスポーツをしっかり両立できるところはないかとずっと探した結果、最終的に国士舘高校を選びました。実際に入ってみると、全国レベルでトップクラスの活躍をしている他競技の選手が身近に多数いることもあり、刺激的でとても良い環境だと思っています。

――クライミングから離れている時は、どんな高校生ですか?

ごく普通だと思います(笑)。友達も普通に接してくれていますし、大会などが控えていない時には、学校の友達ともよく遊びに出かけますよ。

――自分の性格を自己分析すると? また、クライマー選手としてはどう自己評価していますか?

性格は結構、マイペースなほうだと思います。思ったことはすぐに行動に移すタイプで、負けず嫌いです。一人のアスリートとしては、この性格でよかったなと思うことがよくあります。選手としては、クライマーとしては身長が150センチと小柄なので、そのことを取材などでもよく言われます。小さいけれども、動きが軽やかだ、あるいは力強いと言われますね。

――では最後に今後の夢、あるいは長期的な展望を聞かせてください。

2024年のパリ五輪には必ず出場して、そこで優勝したいです。それとやはり私にとってW杯は特別なので、少しでも良い成績を積み重ねていきたいし、成長していきたい。そして、みんなから応援してもらえるような選手になりたいです。この記事をお読みの方は、オリンピックでは是非スポーツクライミングにも注目してみてください。また、今はクライミングが気軽に始められる時代なので、興味を持たれたらご自身でクライミングをやってみる、体験してみるということもお勧めしたいです。とても面白い競技ですよ。

プロフィール

名前:平野 夏海(ひらの・なつみ)

学年:国士舘高校2年

生年月日:2002年7月29日生まれ(17歳)

出身地:東京都

 

◆過去のインタビュー記事はこちらから

「目指せ!国士舘から世界へ」バックナンバー:
https://www.kokushikan.ac.jp/spokon/news/details_13190.html

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