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概要

国士舘史研究年報第8号

国士舘史関係資料の翻刻並びに補註 第八巻29従って日本の伝統を重んずる気風は失われ、日本の歴史を学ぶ心は稀薄となり、道義日本の誇りは地を払うに至りました。次代の日本を荷う責任の重い大学生が、自国を軽侮し、国際共産主義の謀略に踊らされ、国会議事堂を取巻く安保反対斗争の暴徒と化したことは、敗戦後の誤れる日本の教育を、最も雄弁に物語っています。国士舘大学は、これとは反対に、皇室を敬い、国家を重んじ、歴史と伝統を守らんとする精神の上に、建学の理想を打ち建てて参りました。戦前は、武道を主軸とした国漢地歴の国士舘専門学校として、我が国教育界に於ける異色ある存在でありました。不幸にも敗戦後の誤れる占領政策によって、武道は廃止され、国士舘の存続も一時は危殆に瀕しましたが、昭和二十八年漸く国士舘短期大学(経済科、国文科)として復活し、昭和三十一年には三年制体育科を増設し、遂に翌三十二年十二月、四年制体育学部に昇格して今日に至りました。文武の道によって、学徒の志操を陶冶せんとする国士舘は、今日の混迷せる青年の浮薄な思想動向坐視するに忍びず、茲に、日本の歴史と伝統に基礎を置き、而も国際的な視野に立って、西欧の学説を批判検討しつつ、日本の再建に役立つ有為な青年の育成道場として、特色のある政経学部を創設することに決意致したのであります。赤に偏向せるマスコミや組合運動が、戦後の日本の発展を如何に阻害し、純真な青年学徒の方途を如何に