ブックタイトル国士舘史研究年報第8号

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概要

国士舘史研究年報第8号

国士舘史研究年報2016 楓?174ポグランデという駅までバスを用意するので乗ってくれという。カンポグランデといえば小野田寛郎さんが牧場を開いたことで聞いたことのある地名である。南半球の一二月は夏で、特にこの日は暑かった。全員エアコンも付いていないオンボロバスに乗り込み舗装されていない土道をカンポグランデへ向かった。五台のバスが連なって走り土煙で前のバスがかすんで見える。あまりの暑さに窓を開けると土煙で体中砂だらけになった。この辺りは見渡す限りの大草原で延々と景色は変わらない。三時間くらい走りカンポグランデに着くと列車が待っており、直ぐに乗り込みボリビアとの国境に向かった。既に夜になり辺りは真っ暗だったが湿地帯を走っているのは分かった。ブラジルとボリビアとにまたがる世界最大の湿原地帯といわれているパンタナールである。いつまで走っても湿原で景色は全く変わらなく、いつの間にか眠っていると突然列車が止まり汽笛を上げた。車掌が「feliz ano novo(happy new year)」と声を上げながらワインと紙コップを持って車両を回って振舞っている。気さくなブラジル人は車内でワイワイと楽しんでおり、私も乾杯を受けいつの間にか身振り手振りで輪のなかで仲間に加わっていた。1984 年1 月 マチュピチュにて