ブックタイトル国士舘史研究年報第8号

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概要

国士舘史研究年報第8号

硬式野球部OB職員として143パウロ州サン・ロケにあるブラジル国士舘大学協会サンパウロ分校へ行き、そこに宿泊することになった。後に業務指示を確認すると、サンパウロ市とリオデジャネイロ市の中間地点に農業学校(牧場)の跡地があるので国士舘大学がその土地を購入出来たら直ぐその地に入ってもらいたいとの業務指示であった。結果的にはその土地は購入出来なかったが購入していたら、かなり長い間ブラジルに滞在することになったかもしれない。半信半疑でサン・ロケで待機していたが、私はその様に記憶している。サンパウロ分校には広大な敷地の中に雑木林があり、また元別荘地であったためきれいに整地された芝生もあった。ユーカリの防風林が整然と並び、ゆるやかな起伏のある土地であった。海抜八〇〇メートルもありブラジルでは気候に恵まれている地方でもある。サンパウロ中心から西へ車両で約四五分の所にある。途中の街道沿いには、民家や工場が軒並み建てられており、近い将来この分校の周辺も大変賑やかになると思われる。分校の周辺には牧場や畑や林、別荘などあり、すばらしい景色である。そのすばらしい環境の中に国士舘大学武道館を建設していた。当時の道路状況を思い返すと、幹線道路は整備されていたが、分校の敷地に入る道路は雨が降るとドロドロになる土を固めた道であって、大雨の日はヴァルジェングランデ商店街に行くのが困難な状況であった。現在聞くところによると細い道まで舗装され環境が整っているとのこと。サンパウロ市のベットタウン化して大きく発展している住宅街になっているという(※国士舘大学武道館は完成したが現在はブラジル日本文化福祉協会へ譲渡しサン・ロケ市がスポーツ大会等に使用している)。以来、私はこの分校に三八日間滞在し、朝は囀る小鳥の鳴き声で目を覚まし、夜はユーカリの葉が擦れるささやきで寝るという生活をしていた。しかし、あまりにも静かすぎて犬の遠吠えが聞こえる妙に不気味な夜もあった。ヘビも居るという話を聞いていたが、季節が冬であったため残念ながらなかなかお目にかかれず、管理使用人が敷地内で野焼きをしていた時に約一メートルのガラガラヘビ(カスカベール)を見た。初対面なのでうれしいようなこわいような。その後も校内を歩いている時に、二回緑色のヘビ(ジャラクスー)と対面、また池の淵にいた黒いヘビなど彼らとも忘れずに交流した。この間私は、図らずも近くの町ヴァルジェングランデにある日本語学校の少年野球チームを指導することになった。この日本語学校には先に剣道指導で大学職員の